子どもたちは、いたずらが大好き。「子どもだから仕方ない」と頭では理解できても、買ったばかりのマンションの壁に落書きをされたら、親としては怒りたくもなるでしょう。このようなとき、親は怒っていいものなのでしょうか?
今回は、よくある「自宅の壁に落書き」を例にあげ、子どものいたずらへの対応についてお話しします。
落書きに隠された子どもの深層心理
いたずらをする子どもには、「元気」「自発的」「創造的」「好奇心が強い」「精神的に不安定」といった特徴があります。
このような子どもが、壁に落書きをする理由はさまざま。
「遊ぼうとしたら、目の前に広い壁があってクレヨンで絵を描いてみたくなった」
「真っ白な壁がつまらなく感じて、色を塗ってみたくなった」
「怒りや悲しみがあり、それを発散するために落書きした」
「いたずらをすると親が反応してくれるので、それが嬉しくて落書きした」
このように落書きする子どもの深層心理は、一概には言えません。だからこそ、落書きをしたとき、親の対応の正解が見えにくいのです。
いたずらで落書きをした子どもへの正しい対処法
いたずらは一概に“悪いこと”とは言えません。自宅の壁に落書きをすることは、子どもの想像力をアップさせ、リラックス効果をもたらします。でも、落書きされる親は、喜んでばかりもいられませんよね。
では、どのように対処すべきなのでしょうか?これは、親が子どもをどう育てたいかによります。
「創造性を発揮させ、自由奔放な子どもに育てたい」と思うなら、いつでも好きに落書きさせて、怒ったり抑制したりしないことです。この場合、親は子どもの行動を一緒に楽しむ気持ちや忍耐力が求められます。
「ある程度、常識的な子どもに育てたい」なら、家のルールとして「壁に落書きをしてはいけない」と教えましょう。
なお、子どものいたずらに対して感情的に怒っても、あまり効果は期待できません。親が何度も繰り返し怒れば、子どもは叱責をただの騒音程度にしか感じなくなり、結果として親の言うことを聞こうとはしなくなります。また、先述したように、親の注目や関心を得たいために落書きをする子どももいますので、怒ることは逆効果になることも。こうした場合はルールだけを教えて、親はむやみに叱責しない方が賢明でしょう。
「どのような子どもに育てたいか」によって、いたずらへの対応を考えよう
子どものいたずらへの対応は、どのような子に育てたいかによって異なります。
ちなみに、子どもが壁に落書きをするのは、ほんの一時期。壁に絵を描きたい気持ちに添ってあげたいなら、大きな紙を貼ってあげるのも一つの方法です。そのうち、気持ちが満たされて、違うことに興味の対象が移っていくでしょう。
この記事を書いた人
安藤はま子
心理カウンセラー
子育て中に心理学を学び、心理カウンセラー資格を取得。企業での新人研修、中学校での相談、民間会社での心理カウンセリング、公的機関での女性相談などを行い、2005年にカウンセリングルームミスタヴィスを開業。その後、世界の仕組みについての理論を学ぶ。2012年、サラカオル株式会社を設立。心理学と自己啓発理論、潜在意識などを取り入れたカウンセリングやセミナーを行っている。親子関係が改善し、人生の流れが良くなるカウンセリングと評判。著書に「親との問題~女性の心が楽になる生き方」(ギャラクシー出版)がある。
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