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住まいの基本知識

物件の選び方や、住宅ローンの組み方などの住宅購入に関する
基本的な知識や暮らしの雑学・知識をご紹介します。

住宅ローン返済後の老後資金準備(3)付加年金

住宅ローンの返済が進むにつれて、老後資金の準備は気になるもの。「NISA(少額投資非課税制度)」「国民年金基金」に続き、今回は付加年金についてご紹介します。

 

平成29年度の国民年金保険料は月額16,490円。年額では197,880円と、決して安い金額ではありません。

ちなみに、国民年金保険料は会社員・公務員などの国民年金第2号被保険者(厚生年金被保険者)や、第2号被保険者に扶養されている20歳以上60歳未満の配偶者である第3号被保険者を除く、国民年金第1号被保険者が納めることになっています。具体的には、国内に居住する20歳以上60歳未満の「自営業者やその被扶養配偶者」「学生」「無職」などが該当します。

 

上記に該当する人が国民年金保険料を納付する際、少しだけ保険料を上乗せすれば利用できる「お得な制度」が付加年金なのです。

毎月400円の保険料で節税効果あり!

付加年金の月額保険料は400円。国民年金保険料と同時に納付することになります。

 

例えば、40歳から60歳まで付加年金に加入した場合、400円×12か月×20年=9万6,000円の保険料を支払うことに。これらの保険料は所得税・住民税の計算上、支払った全額が所得控除の対象となります。

 

◆1年分の付加年金保険料4,800円(400円×12か月)を支払った場合
⇒所得税率10%(+住民税率10%)の人の節税効果は年間960円(4,800円×20%)。
※20年で1万9,200円の節税効果

 

⇒所得税率20%(+住民税率10%)の人の節税効果は、年間1,440円(4,800円×30%)。
※20年で2万8,800円の節税効果

 

少ない金額のように感じるかもしれませんが、節税効果=運用益と考えれば預金よりもはるかに優れています。

付加年金で支払った保険料は2年で回収できる!

また、支払った保険料に対応する付加年金は、65歳以降の老齢基礎年金と同時に受け取ることができます。年間受取額は「200円×付加保険料納付月数」。

 

先ほどの例と同じく、40歳から60歳まで付加年金に加入した場合、1年間に受け取れる付加年金(年額)は、200円×12か月×20年=4万8,000円。この場合、支払った保険料は9万6,000円(400円×12か月×20年)ですから、なんと2年で元が取れてしまいます。

 

支払い時と受け取り時では物価レベルが異なる可能性もあるので単純比較はできないものの、額面上は75歳までの10年では支払った金額の5倍、85歳までの20年では支払った金額の10倍の年金が支給される計算です。民間の保険商品では、あり得ないリターンといえるでしょう。

平均寿命から考えるとメリット大!定額制だから減る心配はない

厚生労働省の調査(平成28年簡易生命表)によると、男性の平均寿命は80.98歳で、65歳の男性の平均余命は19.55年。女性の平均寿命は87.14歳で、65歳の女性の平均余命は24.38年。平均寿命や65歳時の平均余命から見ても付加年金は魅力的です。

 

少子高齢化の昨今、公的年金額は期待できず減りやすくなるともいわれていますが、付加年金は「200円×付加保険料納付月数」の計算式からもわかるように定額制です。物価スライドがないため、この先物価が大きく上昇しても付加年金の額は増えませんが、逆に減る心配もありません。

 

住宅ローン返済後の老後資金準備として、該当する人は付加年金の加入を検討してみてはいかがでしょうか?

この記事を書いた人

益山真一

ファイナンシャル・プランナー

「3大資金(住宅・教育・老後)」を効率的に手当てし、ライフプランを実現するための家計管理を提案するファイナンシャル・プランナーとして、セミナー・執筆、相談を展開。仕事の目標は、お客様の「心、体、お金、時間、仕事」のバランスの改善による幸せ実現。セミナーは平成29年10月末時点で累計2,692回を数える。

HP: http://www.fp-masuyama.com/

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