畳に座って、くつろぎが味わえる――。
今、和室の良さが見直されています。最近のマンションはフローリング中心であるものの、間取りによって和室が一室あることが少なくありません。
今回は、他の部屋との調和も取りつつ、現代の雰囲気にピッタリ合うおしゃれなモダン和室の作り方をご紹介します。
ライン、色、素材。おしゃれなモダン和室を作る3つの要素
1.ライン
和の空間の特徴は、無駄をそぎ落としたシンプルな空間。おしゃれなモダン和室を作るなら、障子、格子、床の間などに代表される直線や、丸窓に見られるような単純な曲線を意識すると良いでしょう。
2.色
取り入れてほしいのが「和の伝統色」。草や木のようなアースカラーや、昔から日本で使われている藍色、朱色、ねずみ色などが和のイメージにふさわしいといえます。また、漆や濡れた石を思い浮かべるようなしっとりとした黒はモダン和室に良く似合い、アクセントとして使うと引き締まります。
3.素材
インテリアの素材には、木や竹、籐、和紙、石、陶器といった和風の小物やオブジェを上手に活用しましょう。
上質なモダン和室は「照明」が鍵を握る
和室では椅子に腰かけるのではなく、畳の上に座ります。そのため、座ったときの目線に合わせて、全体的に背の低い家具を選びましょう。例えば、ソファを置く場合には、座面が低く圧迫感のないタイプがおすすめ。ソファの下にモダンな柄のラグを敷くだけでも、和モダンスタイルを作ることができます。
さらに質感にこだわると、より和室の良さが引き立ちます。モダンとはいえ、無機質でクールな家具より、ナチュラルな質感の方がしっくりと馴染みます。木製なら、木目が美しく見えるシンプルなラインの家具がモダン和室に合うでしょう。
そして、モダン和室のコーディネートを完成させるための大切なアイテムが「照明」です。照明器具で部屋の雰囲気が大きく変わるので、和紙のペンダントライトのようなデザイン性のあるものを選んでください。おしゃれなモダンさもありながら、思わずほっとするような落ち着きも感じられる、上質なモダン和室に仕上がります。
他にも、壁に縦長のアートやファブリックパネルを掛け、軸風に見立てて飾るのも良いでしょう。
モダン和室は、日本らしさと洋風スタイルの“良いとこ取り”
モダン和室というとすべてをモダンにしたくなりがちですが、大切なのは他の部屋とのバランスです。和と洋、どちらにも合う色や質感を揃えるだけで、部屋全体がまとまりのある印象になります。
モダン和室は、いわば日本らしさと洋風のスタイルを併せ持った“良いとこ取り”の空間。現代の日本だからこそ楽しめるモダン和室の安らぎ、ぜひ味わってみてください。
この記事を書いた人
溝井則子
上質空間コーディネーター
インテリアコーディネーター、カラーコーディネーター、パーソナルカラリスト、整理収納コーディネーターの資格を有し、片づけを通して“くらしを磨く”ライフスタイルを提案。「片づけ、インテリア、カラー」でワンランク上の住空間をトータルプロデュースしている。また、「自分で作れる上質空間」をテーマに自宅サロンにてくらしの「センスアップ講座」を開講。
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