ライフスタイルが洋風になり、間取りにおける和室の採用数は減少傾向にあります。しかし、その一方で和室のくつろぎ感や畳ならではの使い方に着目し、和室を寝室として取り入れる人が増えているようです。
そこで今回は、心にも身体にもやさしい畳を活かした寝室のコーディネートをご紹介しましょう。
畳が持つ4つの優れた効果
畳には、4つの優れた効果があります。
1.リラックス効果
畳の素材であるイ草の匂いには樹木と同じ成分が含まれており、部屋にいながら森林浴の効果が得られます。和室を寝室にすれば、心地良い眠りにつけることでしょう。
2.吸放湿効果
畳には、部屋の温度や湿度を快適に保つ「吸放湿効果」があります。夏は湿気を吸い、冬は水分を放出して、空気を快適にコントロールしてくれます。
3.防音効果
畳には空気が含まれているため、その空気の層が音を吸収してくれます。
4.ケガの防止効果
畳のやわらかさがクッションになり、お年寄りや子どもが寝ぼけて転んだとしてもケガの度合いが軽減されます。
和室は、コーディネート次第で個性あふれる素敵な寝室に
このようにメリットいっぱいの畳の部屋に布団を敷いて寝る心地良さは格別。和室はコーディネート次第で個性あふれる素敵な寝室に変身します。
布団カバーの色は、和を連想させるような畳のへりの深緑色、辛子色、えんじ色、茶色などを配した生地を選びましょう。
そして、和風と相性が良い北欧インテリアを取り入れてみてください。例えば、北欧で昔から親しまれているファブリックパネルを掛け軸の代わりに飾れば、ほどよく和と洋が調和されます。和室にカーテンがあれば、布団カバーやファブリックパネルと色がつながることでまとまりのある印象に。鮮やかすぎる色は避けましょう。
コーディネートの仕上げに意識したいのが照明。眩しすぎない和紙のシェードや、旅館を彷彿とさせる和の置き型照明のほんのりとした灯りは快適な睡眠へと導いてくれます。
さらに観葉植物を置けば、リラックス効果を高められるでしょう。アレカヤシ、シュロチク、サンスベリア、モンステラなどが和室によく合い、黒やこげ茶といった陶器の壺や焼き物の鉢に生けるとしっくりと馴染みます。焼き物の鉢はホームセンターや園芸店でも売られていて、本格的な和風鉢を手に入れられることもあります。
和室にベッドを置くと高級ホテルのようなリッチな空間になる
ベッドといえば洋室のイメージを持たれますが、和室にベッドを置くと高級ホテルのようなリッチな空間を作り出すこともできます。ベッドを置く際には、高さの低いベッドを選びましょう。高さの低いものを選ぶと部屋を広く感じられます。直接畳の上に置くと畳を傷めてしまうので、ベッドの雰囲気に合わせたラグを敷いてください。
ベッドと同じように、他の家具も高さの低いものを選びましょう。可能であれば琉球畳を敷き、低座椅子や座卓代わりにセンターテーブルを置くと、和と洋を合わせたおしゃれな空間ができます。
日本の伝統を感じることができる和室は、コーディネート次第で素敵な寝室として活用できます。心にも身体にもやさしい畳を活かした寝室のコーディネート、ぜひ実践してみてください。
この記事を書いた人
溝井則子
上質空間コーディネーター
インテリアコーディネーター、カラーコーディネーター、パーソナルカラリスト、整理収納コーディネーターの資格を有し、片づけを通して“くらしを磨く”ライフスタイルを提案。「片づけ、インテリア、カラー」でワンランク上の住空間をトータルプロデュースしている。また、「自分で作れる上質空間」をテーマに自宅サロンにてくらしの「センスアップ講座」を開講。
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