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住まいの基本知識

物件の選び方や、住宅ローンの組み方などの住宅購入に関する
基本的な知識や暮らしの雑学・知識をご紹介します。

【FP監修】老後の資産不足が不安な方へ。繰り上げ・一括返済の特徴を知り、計画的な住宅ローン返済を!

2019年、「公的年金だけだと定年退職後の資産は不足してしまう」という金融庁の報告が物議を醸しました。このニュースを機に、老後の資産づくりについて真剣に考え始めた方も多いのではないでしょうか。

資産を形成していくことも大切ですが、同時に考えるべきなのが「支出をどう抑えるか」について。
特に住宅ローンの支出の負担は大きく、長く続くと老後の家計を圧迫してしまいます。とはいえ老後負担を減らすために“過度”な繰り上げ返済を行うと、今の生活に支障をきたす恐れも……。

そこで今回は、無理のない老後生活を見据えたローン返済計画を立てるために住宅ローンを「繰り上げ返済」「退職金で一括返済」する際の注意点について、それぞれ解説します。リスクを理解したうえで自分にあった住宅ローンを組めば、老後への不安が少し和らぐかもしれません。

予想外の出費に対応できなくなることも!? 住宅ローンの返済を早める「繰り上げ返済」

1. 繰り上げ返済とは?選べる2つのパターン

マイホームを購入する際、住宅ローンの返済期間は30~35年に設定するのが一般的。例えば、現在30歳の方なら60~65歳まで返済していくことになります。しかし、60歳を過ぎてからもローンの支払いを続けるのはなかなか大変ですよね。

そこで、できるだけ早く返済するために活用されるのが「繰り上げ返済」です。
支払額は変えずに借入期間を短縮する「期間短縮型」と、借入期間は変えずに月々の支払額を減らす「返済額軽減型」のどちらかを選択することができます。

 

2. 繰り上げ返済で生活が苦しくなる恐れも……慎重に検討することが大事!

しかし、繰り上げ返済には注意も必要。というのも、人生には予想外の出費というのが付きものだからです。がんばって繰り上げ返済をしてしまったがために手元の資金が無くなり、予想外の出費に対応できなくなることもありえます。足りない部分を他のローンで補うにも、住宅ローンより高い金利での借入となると本末転倒です。

また、金融機関によっては繰り上げ返済を行うたびに手数料が発生するところもあります手数料も積み重なると痛い出費に。若いうちにローンを返済しておきたい気持ちは理解できますが、資金に余裕があるかしっかり確認してから繰り上げ返済を検討しましょう。

 

※参照:住宅ローンの繰り上げ返済。メリットと気を付けたい落とし穴
https://ave.eslead.co.jp/uncategorized/1145

手持ちの資金が底をつく可能性? 住宅ローンを退職金で一括返済

退職金で残りの住宅ローンを完済するケースもよく見られます。もちろん、退職金で完済すれば支払う利息は少なくなります。

しかし、退職金の全額もしくは大部分を住宅ローンの完済に使った後に万が一のことがあった場合、資金がほとんど手元に残っていないということになりかねません。すると、遺族の方は「今後必要な生活費や教育費・老後資金をどうするのか」という深刻な問題に直面することになります。

手持ちの資金にあまり余裕がないのであれば退職金で完済せずに、貯金などとあわせて計画的に返済していくことを考えてみてください。

 

※参照:死亡・高度障害、さらに疾病保障に備える!住宅ローンに付帯する団体信用生命保険を解説
https://ave.eslead.co.jp/uncategorized/934

住宅ローンは組む段階が最も肝心!将来的な家計を見据えて返済プランを検討しよう

1. これからの人生の支出と収入を具体的に試算

ここまで、「老後に無理をしない」という視点で「繰り上げ返済」と「退職金での完済」のリスクについて見てきましたが、そもそも住宅ローンは組む段階が最も肝心です。

例えば、マンションを購入すると住宅ローンの返済・修繕積立金・管理費・固定資産税の支払いが発生します。また、数年ごとに部屋の修繕や機器の交換なども必要になることでしょう。さらに、マイカー関連の費用・保険料・子どもの教育費・趣味にかかる費用などさまざまな支出が思い浮かぶはずです。長期的な視野で家計を把握し、その上で住宅ローンの返済プランを決めましょう。

 また、固定金利の住宅ローンを選ぶと将来の返済額が把握しやすいので、返済プランが立てやすくなります。

 

 2. ライフステージの変化ごとにライフプランシミュレーションを

住宅ローンの返済プランを検討するうえで役立つのが「ライフプランシミュレーション」です。
現在の仕事や家族状況・ライフスタイル・今後の人生計画などを入力すると、現在から将来までの大まかな家計状況を予測することができます。

なお、ライフプランシミュレーションは一度で万全というわけではありません。「転職した」「子どもが生まれた」などのライフイベントによって状況が変わり次第、くり返し行うことで試算の精度が高まります。

老後に無理をしないためには、適切な物件選びも大事!

住宅ローンの返済プランを慎重に検討するのと同様に、物件選びも非常に重要です。ライフプランシミュレーションを使って返済可能な月々の返済額を導き出し、逆算して購入物件を探すのもひとつの手でしょう。

また、戸建てに比べて将来的に売却しやすいマンションを購入すると、老後の家計負担の軽減につながることもあります。 

 

老後に無理のない住宅ローンを組むには、ライフプランシミュレーションを通して長期的な視野で家計を見据えて、適切な金額の物件を購入するようにしましょう。

この記事を書いた人

佐々木 茂樹

ファイナンシャルプランナー

1968年、北海道旭川市生まれ。地元の公立高校卒業後、ホテルマン、郵便局を経験。郵便局在職中にAFP資格を取得後、生命保険会社へ転職し、ライフプランシミュレーションを軸にした保険提案を実践。主に住宅購入時の保険見直し相談を行ってきたが、顧客の悩みは住宅ローンや資産形成など保険だけでは解決できないことを痛感し、2011年、独立系FP事務所ファイナンシャルサービス株式会社を設立、代表取締役に就任。金融機関に属さないFPとして顧客目線での問題解決、夢の実現のサポートを行っている。

■HP:http://financial-service.jp/

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