高齢者だけじゃない!ヒートショックを防ぐ対策で寒い冬も楽しいバスタイムを!
「まだ若いから大丈夫!ヒートショックは高齢者だけでしょ……」なんて、油断は禁物。ヒートショックは高齢者がなるケースが高いものの、どの年代であっても起こりえます。特に肥満気味や高血圧、糖尿病などによって機能が低下している場合は、注意が必要です。
子どもを寝かしつけた後、「お風呂でゆっくりとリラックスしたい……」という人もいると思いますが、深夜遅かったり、身体が疲れていたりするときの入浴は特に気をつけましょう。めまいや立ちくらみが、思わぬ事故を引き起こすことがあるのです。
急激な温度差が血圧に影響。「ヒートショック」とは?
「ヒートショック」とは、急激な温度変化で血圧が上下することによって引き起こされる健康被害。めまい・立ちくらみ・不整脈・失神・心筋梗塞・不整脈・脳梗塞などにつながるといわれています。
ヒートショックは、入浴中の事故がよく知られているところでしょう。気温が下がる冬場は、暖房をしていない脱衣所と浴室で室温差が大きくなるため、ヒートショックによる入浴事故が多発しています。
その理由としては、「寒い脱衣所で服を脱いで身体表面全体の温度が下がる(寒冷刺激で血圧が上がる)→浴槽でお湯につかって体温が上がる(血管の拡張で血圧が下がる)」という急激な血圧変化が起きるため。ヒートショックによって失神し、浴槽で溺れてしまうケースもあります。入浴中の事故死は、1年のうち12月~2月の間で、年間の約半数を占めるそうです。
ヒートショックを防ぐ7つの対策
ヒートショックを防ぐポイントは「室温の温度差を小さくする(寒暖差をなくす)」「急激な温度の変化を避ける」こと。どんな対策があるのか、詳しく見ていきましょう。
1. 脱衣所や浴室を暖める
入浴前に脱衣所や浴室を暖めると、ヒートショック対策に効果的です。浴槽にお湯をはるときは、高い位置からシャワーで給湯すれば、蒸気で浴室全体を暖められます。浴槽内のお湯をかき混ぜて蒸気を立てたり、浴室暖房乾燥機能を活用したりして浴室を暖め、浴室の扉を開けておくのも良いでしょう。脱衣所でストーブなどの暖房器具を使う場合は、火事や火傷に気をつけてください。
2. お湯は熱すぎず、長湯をしない
寒い日に熱いお湯で長湯を楽しみたい気持ちはわかりますが、ヒートショックを防ぐには浸かる時間は10分までを目安に湯温設定は41℃以下がおすすめです。体温が高くなりすぎると、意識障害を起こす恐れがあります。半身浴でも長湯をすると、体温が上昇するかもしれません。めまいや立ちくらみを起こした場合は安静にして、その場でおさまるのを待ちましょう。
3. 急に浴槽から立ち上がらない
浴室での動きは、できるだけスローに心がけましょう。急に浴槽から立ち上がると、血管が一気に拡張して貧血を起こしやすくなります。手すりなどを利用し、ゆっくりと立ち上がる習慣をつけましょう。
4. 食後や飲酒後の入浴を控える
食後すぐは、血圧が下がって意識を失う可能性があります。お酒を飲んだ後も、アルコールが体内から抜けるまで入浴を控えましょう。睡眠薬などの服用後も血圧が下がるので、要注意です。
5. 冬場は日没前に入浴する
家事や育児の関係で難しいかもしれませんが、できれば日が暮れる前の入浴がおすすめです。日没前は外気温が夜に比べて高く、脱衣所や浴室が冷え込んでいません。人の生理機能として、午後2~4時は身体が温度差への適応がしやすいそうです。
6. 入浴後に身体を冷やさない
入浴中に多発するヒートショックですが、実は入浴後にも注意が必要。血液変動は入浴後にも続くため、上着を着るなどしてお風呂で温めた身体を冷やさないようにしましょう。
7. 家族に一声かけてから入浴する
「今からお風呂に入るね」と家族に声をかけてから、お風呂に入る習慣を。家族は入浴開始の時間を覚えておき、時間が長すぎたり、音が全くしなかったりなどの異常を感じたら、ためらわずに声をかけましょう。
もし、家族が浴槽内で気を失ってしまったら、お湯を抜いて浴槽から引き揚げます。お風呂のふたで上半身を支えて、沈まないようにしてください。意識がない・呼吸が浅い・ろれつが回らない・身体の一部に力が入らない・頭や胸に痛みがあるなどの場合は、心筋梗塞や脳卒中の恐れがあるため、すぐに救急車を呼びましょう。嘔吐している場合は、吐いたものが喉につまらないように横向きに寝かせて救急車を待ちます。
寒い日は要注意!ヒートショック対策は万全に!
冷え込みが厳しくなる冬、リビングは暖房をつけていると思いますが、脱衣所や浴室は無暖房の家が多いのではないでしょうか。
寒い日は家の中でも温度差が生じやすく、ヒートショックが起こりやすくなります。ヒートショック対策を万全にして、バスタイムを安全に楽しく過ごしてください。
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