ついゆったり過ごしてしまいがちな夏休みですが、油断していると、あっと言う間に終わってしまいます。夏休みを充実させるためには、大まかな指針を立てることが大切です。
今回は、スムーズに2学期を迎えるために必要な夏休みの生活リズムについて考えてみましょう。
生活リズムの乱れが子どもの心身に与える悪影響
夏休みに入って、最初に乱れてしまうのが起床と就寝のリズムです。睡眠不足になると、成長ホルモンの分泌量が減り、骨や身体が形成されにくくなります。さらに注意力・集中力の低下を招き、勉強に身が入らないだけでなく、遊んでいてもケガをしてしまう危険が高まるのです。
また、夜更かしが続くと、脳の前頭前野の発達が阻害されるといわれています。その結果、イライラしたり、キレやすくなったり、自己肯定感の低下につながったりします。やがて不登校につながる危険性も潜んでいるのですから、決して睡眠不足を侮ってはいけません。
子どもの生活リズムを保つには、睡眠と食事、運動の時間を決めることから始めてください。たかが夜ふかしと思いがちですが、平成26年に発表された文部科学省の調査「不登校に関する実態調査」によると、不登校のきっかけは「朝起きられないなど、生活リズムが乱れていたため」と答えた人が3割以上もいたのです。
2学期以降の学校生活に支障をきたすことのないよう、まずは睡眠時間をきっちりと確保することを心がけましょう。
夏休みに心がけたい生活リズムを整えるための5つのポイント
ポイント1.起床時間と就寝時間を決める
子どもが夏休みを健康に過ごすために欠かせないのが、十分な睡眠です。小学生の理想的な睡眠時間は9〜11時間。ちなみに、寝過ぎも寝不足と同じくらい生活リズムを崩してしまうものといわれていますので、長くても睡眠は12時間までにしましょう。
早く起きるためには、早く眠るのが一番。そのために夕飯の時間、お風呂の時間、そしてブルーライトに気をつけましょう。できれば夕飯は就寝の3時間前、お風呂は2時間前までに済まし、お風呂の後はデジタル機器を使わないことが理想です。
胃に入った食べ物は消化するのに約3時間かかるため、寝る直前に食べると、睡眠の質が下がってしまいます。それと同様に、お風呂に入って上がった深部体温が下がると人は眠くなるため、できれば入浴は就寝の直前ではなく2時間前までに済ませるのがベターです。
また、就寝前にスマホやパソコンなどのブルーライトを見ると、体内時計に作用して、睡眠を促すメラトニンの分泌が抑制されてしまうことがわかっています。なるべく就寝の2時間前からは、パソコンやスマホなどのブルーライトを見せないようにしましょう。
ポイント2.朝食をはじめとした食生活を大切に
朝食は、体内時計をリセットする役目があります。朝食を抜いてしまうことで体内時計が狂い、生活リズムの乱れにつながるので気をつけましょう。
また、食べやすいからと言ってアイスや冷たい飲み物ばかりとっていると、すぐに夏バテしてしまいます。夏こそ、栄養のある食事を摂取してください。
ポイント3.朝の軽い運動が効果的
しっかりと運動すれば、夜もぐっすり眠れます。夏の昼間は暑いので、運動は朝か夕方にすると良いでしょう。
運動をすると脳の血流が活発になるため、思考力や集中力が高まります。そのため、朝に軽い運動をして、その後に勉強するという流れがベスト。家族で朝にラジオ体操かウォーキングをする習慣を取り入れるのも良いでしょう。
ポイント4.勉強はできるだけ午前中に
1日の必要な勉強時間は「学年×10分+10分」といわれています。例えば小学校1年生であれば20分、小学校3年生であれば40分の計算です。夏休みだから、あれこれやりたいと思うかもしれませんが、あまりに欲を出すと、かえって長続きしません。毎日の勉強時間にムラが出ないように、まずは最低限の勉強時間を毎日キープするようにしましょう。
そして午前中は、前日の記憶が睡眠中に整理され、脳がクリアな状態。特に朝の起床後3時間は脳が最も効率よく働く時間帯であるため、勉強をするならば朝の早い時間がおすすめです。
ポイント5.親子でタイムテーブルを作る
睡眠、食事、運動、勉強など、大まかな1日のタイムテーブルを親子で決めて、それを視覚化してあげましょう。一覧表や円グラフなど、見やすい表を作って、家族全員が目につく場所に貼ってください。ただ、きっちり決めすぎると、守れないときにやる気の低下を引き起こしかねませんので、ある程度の自由時間も入れると良いでしょう。
夏休み専用のカレンダーを作るのもおすすめです。友だちと遊んだり旅行へ行ったりする予定などを書き込み、「その前に読書感想文を終わらせたいね」と、苦手なことでも楽しみとセットで考えられるような声かけをしてあげてください。
子どもの生活リズムを守るには家族の協力が不可欠
1か月以上ある長い夏休みに目標があるかどうかで、充実度には大きな差が生まれます。普段できない冒険をしたために多少リズムが狂う日があっても、それは思い出の一部として受け取りましょう。ただ、その後はなるべく早く基本的なリズムに戻す姿勢が大事です。
そして言うまでもないことですが、子どもの生活リズムを作るためには家族の協力が不可欠。親が夜型の場合、子どもが規則正しい生活を送るのは難しいものです。夕飯やお風呂の時間はもちろん、なるべく就寝時間も子どもに合わせれば、家族で健康的な夏を過ごせるでしょう。
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