節約してマンションの管理費等をやりくりしよう!(1)ふるさと納税
マンションの管理費や修繕積立金は、マンション所有者にとっては「固定費」です。住宅ローンや生命保険などは自らの意思で見直し、支払額を抑えることもできます。しかし、管理費や修繕積立金は通常、集会の決議がなければ変更することはできません。
そんな固定費の支払いをやりくりするには、家計の見直しをして抑えられるべきところを節約していくことが大切になります。さまざまな方法が考えられますが、ここ最近話題の「ふるさと納税」も役立つ節約のひとつ。
今回は、ふるさと納税の制度の概要と家計負担軽減への活かし方を解説します。
ふるさと納税の利用が家計費の節約につながるワケ
ふるさと納税は、都市部に集中する税収(住民税)を地方に分散するために設けられた制度です。納税者が応援したい都道府県や市区町村を選択して、「寄附」という形で支払うことで、住民税を軽減することができます。
制度開始当初はあまり利用されていませんでしたが、多くの資金を集めたい地方公共団体が知恵を絞り、地域の特産品などを返礼品として送るようになってから徐々に火がつき始め、2016年度のふるさと納税は2,844億円にまで達しました。
制度の詳細な解説は省略しますが、寄附した金額から2,000円を差し引いた金額について、所得税と住民税の控除を受けられるため、「実質2,000円の負担で特産品を取り寄せることができる」と一般的には紹介されています。
寄附金と税金の関係だけでいうと、ふるさと納税をすると、出ていくお金が減るわけではなく、ふるさと納税をしない場合に比べて最低2,000円は多く支出することになります。
しかし、ふるさと納税を活用して自腹で購入するはずの生活必需品を年間実質2,000円で手に入れれば、結果的に家計費の節約につながり、間接的には管理費や修繕積立金などの一部を手当てすることができるのです。
家計改善を目指すなら「欲しい返礼品」より「必要な返礼品」を
なお、ふるさと納税の返礼品は多岐にわたり、スーパーやホームセンター、ショッピングセンターにも引けを取らない商品やサービスが揃っています。
もし、家計改善を目的にふるさと納税を利用するのであれば、返礼品は「欲しいもの」より「生活必需品」をチョイスすることをおすすめします。
例えば、お米、調味料、野菜、果物、魚、お肉などの食料品。自分の財布からお金を出して購入する場合は、コストパフォーマンスを重視するかもしれませんが、返礼品は「お礼」という性格上、品質が高い傾向にあります。2,000円の自己負担で出費を抑えつつ、品質の良い食料品をもらえるのであれば、活用を検討する価値はあります。
高い返礼率が見直されても、ふるさと納税が家計の節約に役立つことには変わりない
総務省は、過熱気味のふるさと納税を規制するため、地方自治体にお礼の品の返礼率を概ね3割以内に抑えるように通知を出しています。これを受けて、多くの自治体では過剰に高い返礼率を見直す方針を示しており、2017年の秋以降、従来よりも返礼品の魅力は落ちるかもしれません。
しかし、ふるさと納税が、家計の節約に役立つことには変わりありません。例年は、10月から12月の年末にかけてふるさと納税が増える傾向にありますが、今年は夏から秋にかけて多くなりそうです。
「スーパー猛暑」になるといわれる今年、自宅で涼みながら、ふるさと納税で家計負担を軽くする寄附先を探してみてはいかがでしょうか?
この記事を書いた人
益山真一 (ますやましんいち)
ファイナンシャル・プランナー
「3大資金(住宅・教育・老後)」を効率的に手当てし、ライフプランを実現するための家計管理を提案するファイナンシャル・プランナーとして、セミナー・執筆、相談を展開。仕事の目標は、お客様の「心、体、お金、時間、仕事」のバランスの改善による幸せ実現。セミナーは平成29年6月末時点で累計2,622回を数える。
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