子育てにおいて親が気にする“しつけ”のひとつに「挨拶」があります。自分から挨拶できる人に育ってほしいと願っても、現実はそうはいかないことも。
知り合いに会ったとき、子どもが知らん顔をしていたり下を向いていたりしていれば「なんで挨拶しないの!」と我が子を責める気持ちになることもあるでしょう。
どうすれば、子どもたちは挨拶できるようになるのでしょうか?
信頼関係の構築は挨拶から。幼児期は挨拶を教えるのに適した時期
子どもの頃に挨拶の習慣が身に付いている子どもは、大人になってから人とのコミュニケーションが苦にならず、人間関係や円滑に進みやすい傾向にあります。
なぜなら挨拶は、人と人を結びつける“糸”をつくるきっかけになるからです。どんなコミュニティにおいても、人間同士の信頼関係の構築は挨拶から始まります。自然と挨拶できる子どもは、この“糸”を紡いでいくことができるのです。
どんなことも面白がって素直に覚えようとする保育園や幼稚園の頃は、挨拶を教えるのに適しているといえます。この時期にきちんと教えておくかどうかで、その後、挨拶できる人になるかどうかが決まります。
親が率先して挨拶を!できなくても温かく見守ってあげることが大切
では、挨拶の教え方を見ていきましょう。
・親が自ら挨拶をする
子どもに挨拶を教えるには、言葉とともに親の行いを見せることがとても大切です。子どもは親の行動を真似します。朝起きて親が「おはよう」を言わなければ、子どもも挨拶しません。間違ったことをしたとき、親が「ごめんなさい」を言えなければ、子どもも謝ることはしないでしょう。
子どもは、特に両親のやり取りをよく見ています。夫婦が互いを尊敬し、「ありがとう」や「いただきます」といった言葉を家庭内で日頃から口に出して伝えあっていれば、子どもも使うようになります。
・絵本や遊びの中で教える
子どもは、遊びながら覚えることが大好きです。子どもが喜びそうな挨拶絵本を繰り返し読んであげましょう。「ありがとう」「こんにちは」などの挨拶を覚えるようになります。
しかし、挨拶を教えても、性格やそのときの心理状態により、すぐに実践できない子どももいます。例えば恥ずかしがり屋の子は、挨拶することの大切さを知っていても声が出ないことがあるのです。他にも、「苦手な相手には挨拶できない」「その他の問題が原因で挨拶に気持ちが向かない」といったことも。
我が子に対して神経質になりすぎず「いつか自分から挨拶できるようになるだろう」と、ゆったりと構えて温かく見守ってあげましょう。その際、先生や友達に挨拶している我が子の姿をイメージしてみると、広い心で子どもに接することができるはずです。
挨拶ができた方が子どもの人生にプラスに働く
挨拶を教えるポイントは、親が率先して挨拶を行い、楽しく教え、できないからといって神経質にならないことです。
挨拶ができた方が子どもの人生にプラスになることが多いため、焦らず腰を据えて、しつけていきましょう。
この記事を書いた人
安藤はま子
心理カウンセラー
子育て中に心理学を学び、心理カウンセラー資格を取得。企業での新人研修、中学校での相談、民間会社での心理カウンセリング、公的機関での女性相談などを行い、2005年にカウンセリングルームミスタヴィスを開業。その後、世界の仕組みについての理論を学ぶ。2012年、サラカオル株式会社を設立。心理学と自己啓発理論、潜在意識などを取り入れたカウンセリングやセミナーを行っている。親子関係が改善し、人生の流れが良くなるカウンセリングと評判。著書に「親との問題~女性の心が楽になる生き方」(ギャラクシー出版)がある。
HP: http://sarakaoru.com/
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