摂津市は、大阪府中北部にある町です。JR、阪急、大阪モノレールといった複数の交通網があって都心に出やすいうえ、「治安が良い」「自然豊か」「コンビニやスーパーなどの数多くの買い物スポットがある」などの理由で、幅広い年代が住みやすいエリアといわれています。そんな摂津市は、独自の子育て施策に取り組んでいることでも有名です。
今回は、大阪トップクラスの住みやすさと評価される摂津市の教育環境についてご紹介します。
摂津市が積極的に取り組む「キャリア教育」とは?
摂津市が積極的に取り組んでいるもののひとつに「キャリア教育」があります。
キャリア教育とは「一人一人の社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育てることを通して、キャリア発達を促す教育」のこと。なお、キャリア教育という言葉は平成 11年に行われた中央教育審議会答申で初めて公に使用されました。
このキャリア教育に注目が集まり始めた背景には、日本の社会構造の変容があります。少子高齢化、終身雇用制度の崩壊、グローバル化、財政状況の深刻化などにより、人々の働く環境に変化が生まれました。さらに近年は、「人間関係の構築が上手くできない」「自ら意思決定できない」「自己肯定感が低い」「具体的な目的意識がないまま就職したため、長く続かない」といった若者が増え、若い世代の社会人としての資質の欠如が指摘されています。
子どもたちが自分の未来を切り拓いて生きていくためには、変化を恐れず対応していく力が不可欠。このようなニーズから生まれたのがキャリア教育なのです。
キャリア教育の具体的な内容としては社会見学、ボランティア活動、職場体験、インターンシップ、学生主導のオリジナル商品の開発や販売などがあり、一般企業での就労体験のみならず、自ら仕事を生み出し職業観を学ぶという取り組みもあります。これらの活動は、日常の教育活動を通して学ぶ面白さや挑戦する意味を子どもたちに体得させるのが狙いです。
「自分らしい生き方を実現させる教育」を。摂津市のキャリア教育事例
全国的に注目されているキャリア教育ですが、摂津市では、地元企業からの「地域に貢献したい」という声と教育現場のニーズとのマッチングから始まりました。具体的な取り組みとして「摂津市キャリア教育応援企業等登録制度」を採用しています。
まずキャリア教育の推進に理解・協力する企業(団体)に登録を呼びかけ、登録企業(団体)には、以下の5項目あるアクションプランから2つを選んでもらい、学校・地域社会への貢献活動に取り組んでもらうという流れです。
【学校への貢献】
1.職場体験・工場見学の受け入れ
2.キャリア教育への参画
【地域への貢献】
3.地域行事への参画及び支援
4.企業等の地域に対する開放
5.宿題カフェ
これらの取り組みにより、教育現場では、子どもたちの社会的・職業的自立に向けて基盤となる能力や態度を育てるという目的に向かうことができます。一方、登録した企業は、摂津市教育委員会のHPや広報用のポスターで企業名や取り組みが紹介されるため、企業価値の向上が期待されるほか、社員のモチベーションアップや、職場体験の受け入れを活用した社員研修などの実現というメリットが生まれます。
令和4年度、摂津市の中学校キャリア教育が認められ、摂津市の教育委員会は「第15回キャリア教育優良教育委員会文部科学大臣表彰」を受賞しました。中学2年生を対象とした独自の職種体験プログラムが、単なる職業体験に留まらず、企業や社会が直面している課題などの提示を受け、生徒が解決に向けて「自分たちに何ができるか」を提案するなど、働くことを自分事としてリアルに考える工夫が凝らされている点が評価されたものです。
また、摂津市別府小学校6年生は、応援企業の登録制度を利用してプロのダンサーにコンタクトを取り、運動会のダンスパフォーマンスを指導してもらいました。参加した小学生からは「今回のダンスの取り組みを通して、話を集中して聞く力やみんなと協力する力がつきました!」といった前向きな感想が寄せられ、教員からは「(ダンスの)先生たちの好きなことで頑張る姿から“夢”をもらった子どもたちは、自分も将来、同じように誰かに“夢”を与えられるような人になりたいと思えるような貴重な経験になったと思います」という意見が上がっています。
摂津市は、子どもたちが社会の中で自分の役割を果たす力を身につけるためには、より広い社会に目を向け、「このような大人になりたい」と思える人と出会えることが重要なことのひとつと考えています。地域や産業界との連携は「自分らしい生き方を実現させる教育」として今後も続いていく予定です。
摂津市はキャリア教育以外も子育て施策が充実!
摂津市には、キャリア教育以外にもユニークな子育て施策があります。
1.産休・育休明け保育所等入所予約事業
産休・育休の終了後に、子どもが保育所などに入所できない場合、仕事を辞めなければいけなくなることが心配のひとつです。摂津市では、産休・育休明け後の保育所などへの入所を予約できる「産休・育休明け保育所等入所予約事業」を行っており、安心して子育てできるまちづくりに努めています。
2.子ども医療助成制度
摂津市は、子どもが医療機関などを受診したときに支払う保険診療の自己負担金(2割または3割負担)の一部を公費で助成しています。対象は、摂津市に住所があり、健康保険に加入している18歳到達後最初の3月末日(高校卒業)までの子どもで、所得制限はありません。
3.市からオリジナルランドセルをプレゼント
摂津市は新小学1年生に、オリジナルランドセルをプレゼントしています。この企画がスタートしてすでに50年が経ち、オリジナルランドセルは、今では世代を超えたお馴染みのアイテムのひとつに。経済的負担の軽減と入学への期待度アップを両立する、子育て家庭に寄り添った施策といえるでしょう。
4.教育委員会が運営する「SUNSUN塾」
SUNSUN塾は、基礎的・基本的な内容を学び、学習習慣を身につけたい小学6年生~中学3年生を応援する学習の場です。費用は教材費のみの負担で、算数・数学・国語・英語を学べます。定員250名程度(令和6年度)で、実施会場が市内5か所ある点も学びやすいと好評です。
5.摂津市の教育内容をYouTubeで配信
摂津市の特色ある教育内容を、教育委員会が取材から編集までを行い、YouTube「摂津市教育委員会チャンネル」で配信しています。教育関連のさまざまな事柄を紹介して、それらを保護者や地域の人々に知ってもらい、応援団になってもらうことが目的のひとつ。充実した教育環境づくりに役立っています。
キャリア教育を推進し、子育て環境を整備する摂津市は、子育てファミリーにぴったり!
大阪の高級住宅地として知られる北摂地域は「北摂ブランド」とも呼ばれるほど根強い人気を誇ります。「治安が良い」「緑が多い」「交通の便が良い」など、さまざまな理由で人から支持されていますが、この「北摂ブランド」に摂津市も含まれています。
そして、その中でも摂津市は、キャリア教育の推進を含め、積極的に子育て環境の整備に取り組んでおり、ファミリーが暮らしやすい要素がたくさん詰まっています。大阪へ引っ越しの際は、摂津市をご検討ください。
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