塾業界の競争が激化する今、自宅の近くに複数の学習塾がひしめき合っているエリアも少なくありません。
そんな中で、「仲の良い友だちが通っているから」といった理由だけで学習塾を決めてしまうのは危険。お子さんに合わず、せっかく月謝を払っているのに結果的には逆効果になることも……。
そこで今回は、お子さんに合った学習塾を選ぶコツをご紹介します。
「選ぶ決め手」にするのはリスクが高い!間違った学習塾選び
「塾を決めた理由」についてアンケートを取ると、たいてい以下の理由が上位にランクインします。しかし、これらの理由は「選ぶきっかけ」にはなっても「選ぶ決め手」にするにはリスクが高いため、あまりおすすめできません。
1.家から近い
近所の塾にすぐ決めず、最寄りの駅くらいまでは範囲を広げ、いくつかの塾の授業を体験してから決めると良いでしょう。なぜなら、進学塾、補習塾、集団指導、個別指導など、塾のタイプによって得意分野が異なるためです。
2.友だちが通っている
仲の良い友だちがその塾に合っていたとしても、お子さんが合うとは限りません。塾の方針や家庭の教育方針、講師のキャラクターとお子さんの相性など、そのあたりも説明会や体験授業を通じて判断しましょう。
3.月謝が安い
提示されている月謝以外にかかる費用を確認しておきましょう。見た目の費用が安くても、テキスト代やテスト代が別途かかる場合もあります。レギュラー授業の費用を抑えて、高額なオプション講座や季節講習、夏期合宿や正月特訓などの受講を求める塾もあるので要注意です。
4.少人数制クラス
「少人数制=面倒見の良さ」をうたっている塾は多くあります。しかし、中にはただ単に塾生が集まらないために「少人数制」になっている塾もあります。少人数制クラスであれば、その分、習熟度別にクラスが分かれているはず。各学年のクラス数を質問して確認しておきましょう。
5.合格実績が高い
チラシやwebに目立つように合格実績を掲載している塾は多いですが、合格実績の良し悪しを判断するのはなかなか難しいものです。というのも、受験者数が多ければ必然的に合格者数が増えるからです。通うことを検討している1校舎のみの合格実績と受験者数を問い合わせてみると良いでしょう。
親の印象が最も良かった塾から体験授業を受けさせ、子どもに判断させる
上記を踏まえて通う塾の候補を見つけたら、まずは説明会に参加するか、個別に説明をしてもらうための予約を入れましょう。多くの場合、その校舎の責任者が対応するはずです。指導方針などについて質問してみてください。その責任者の印象は、その校舎のカラーともいえるので重要です。
説明を聞き、良さそうであればお子さんに入塾テストを受けさせましょう。このテストは、その塾で授業を受けるための最低限の学習習熟度をチェックする判断基準となっています。進学塾の場合、得点が基準に満たない場合は入塾を断られることもあります。
テスト結果が出ると、現状の学力と課題、今後の学習についてのアドバイスを受けることができます。このときのアドバイス内容も、その塾とお子さんの相性を検討する材料となるはずです。
その後、体験授業を受けることになりますが、親が気に入った塾でもあくまで授業を受けるのはお子さんです。お子さん自身が体験授業を通じて、そこで勉強していけそうかを判断することが大切です。とはいえ、最初に体験授業を受けた塾に入塾を決める傾向にあるので、親の印象が最も良かった塾から体験授業を受けさせてみると良いでしょう。
子どもの学習塾選びは慎重に
費用や通塾と授業に割く時間、そして学習効果を考えると、学習塾は慎重に選びたいものです。
今回ご紹介したコツを参考にして、ぜひお子さんに最も合った塾を選んでください。
この記事を書いた人
西村創
受験指導、塾の選び方と活用法の専門家
学生時代からさまざまな形態の塾で講師経験を積む。大学卒業後、大手進学塾、予備校講師を務め、国内外の教え子は2,000人を超える。その指導法には定評があり、テレビや新聞、教育系雑誌などのメディアから度々取材を受ける。出版著書の多くが話題を呼んで重版となり、全国各地の学校からの依頼に応じて講演講師も務めている。
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