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住まいの基本知識

物件の選び方や、住宅ローンの組み方などの住宅購入に関する
基本的な知識や暮らしの雑学・知識をご紹介します。

「買う」か「借りる」か。分譲マンションと賃貸マンション、どちらがお得かシミュレーションしてみよう

マンションを「買う」か「借りる」か――

いずれにしても住居費は一生かかるものです。
では、「買う」と「借りる」の住居費を比較した際、総住居費はどちらがお得なのでしょうか?
そこで本記事では、FPの視点からそれぞれのメリットを見たうえで、費用面を検証してみたいと思います。

マンションを「買う」と「借りる」――それぞれのメリット

まず、マンションを「買う」と「借りる」のそれぞれのメリットを挙げてみましょう。

1.マンションを「買う」メリット

・家計を支えている人に万が一のことがあっても、マンションが手元に残る
・住宅ローンの返済が終われば自分の財産となる
・老後の住まいを確保できる
・自由にリフォームできる

など

2.マンションを「借りる」メリット

・環境や仕事に合わせて住み替えしやすい
・住宅ローンの返済や固定資産税、修繕費用などの負担がない
・職場の住居手当を受け取れる

など

このように、どちらにもメリットがあります。
これらをファイナンシャルプランナーの視点から見たときに、最も着目したいのは「買うメリット」にある「家計を支えている人に万が一のことがあってもマンションが手元に残る」という点です。

マンション購入は金銭的・精神的救済になることもある

住宅ローンを利用してマンションを購入する場合、団体信用生命保険(団信)に加入するケースが一般的です。もしも住宅ローンを借りている人が団信の支払事由(死亡・高度障がいなど)に該当すると、残りの住宅ローンの返済額がゼロになります。

家計を支えている人に万が一のことがあったとしても、「残りの住宅ローンの返済額がゼロになるうえにマンションが手元に残る」というのは金銭的、そして精神的な救済となります

※団信の内容によっては「三大疾病(ガン・心筋梗塞・脳卒中など)」や「指定の就業不能状態」が認められた場合にも住宅ローンの返済額がゼロになるケースもあります。

マンションを「買う」or「借りる」。総支払額でシミュレーション!

では、費用面から見ると、マンションを「買う」と「借りる」のでは、どちらが得なのでしょうか?シミュレーションしてみましょう。

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1.「買う」:4,060万円の新築マンション

※関西圏の新築マンションの平均購入価格
https://www.recruit-sumai.co.jp/press/2018/03/MS-VCM-kansai.html

合計支払額:6,042万円
└頭金:500万円
└住宅ローン総支払額:約4,000万円
(借入額3560万円 ※35年・元利均等・全期間固定金利1.6%)
└諸費用:160万円
(登記費用:30万円、住宅ローン手数料:80万円、入居時修繕積立金:30万円、火災保険:15万円/10年、その他印紙税など)
└積立修繕費・管理費など:840万円(月2万円と仮定)
└固定資産税:800万円(概算)
└火災保険:45万円(11年目以降)
└住宅ローン控除:約-303万円(満額控除された場合)

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2.「借りる」:家賃20万円のマンション

※上記の「買う」(4,000万円のマンション)と同等の部屋を借りることを想定

合計支払額:8,875万円
└家賃:8,400万円(35年分)
└敷金礼金:80万円(各2か月分)
└仲介手数料:20万円(1か月分)
└更新料:340万円(2年ごとに更新)
└火災保険料:35万円(年1万円)

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合計支払額を比較すると、「買う」は6,042万円、「借りる」は8,875万円となり、実に2,800万円以上もの差が生まれました。

ただし、これはあくまで試算です。家賃が安い物件を借りれば、もちろん数値は変わってきます。ちなみに、家賃が15万円の場合、合計額(35年)は6,665万円、家賃が10万円の場合、合計額(35年)は4,445万円となります。また、家賃補助がある会社に勤めていれば、自己負担額はもっと少なくなるでしょう。

マンションを「買う」か「借りる」かは今後のライフスタイルを考えて

マンションを「買う」「借りる」には双方ともにメリットがあります。
今後のライフスタイルによって、どちらが向いているのかは変わってくるでしょう。

また、マンションを「買う」場合は、購入する物件によって将来の資産価値が大きく変わる可能性があります。「駅に近い」など、将来的に価値が下がりにくい物件を選ぶようにしたいものですね。

この記事を書いた人

佐々木茂樹

ファイナンシャルプランナー

1968年、北海道旭川市生まれ。地元の公立高校卒業後、ホテルマン、郵便局を経験。郵便局在職中にAFP資格を取得後、生命保険会社へ転職し、ライフプランシミュレーションを軸にした保険提案を実践。主に住宅購入時の保険見直し相談を行ってきたが、顧客の悩みは住宅ローンや資産形成など保険だけでは解決できないことを痛感し、2011年、独立系FP事務所ファイナンシャルサービス株式会社を設立、代表取締役に就任。金融機関に属さないFPとして顧客目線での問題解決、夢の実現のサポートを行っている。
■HP:http://financial-service.jp/

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