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住まいの基本知識

物件の選び方や、住宅ローンの組み方などの住宅購入に関する
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住宅ローン「0%台」に。全期間固定型を選ぶメリットと注意点

超低金利時代に突入し、住宅ローンの金利が1%を切ることが珍しくなくなってきました。

これまで「0%台」の金利は変動金利や短期固定金利でよく見られましたが、いよいよ全期間固定型でも1%を下回るケースも登場!

このタイミングで住宅ローンを利用するなら、低い金利のままで借りられる全期間固定型を選んだ方が安心のように思えます。しかし、そこに注意点や落とし穴はないのでしょうか?

経済状況が変わっても金利はそのまま! 全期間固定金利のメリット

全期間固定型とは、住宅ローンを組んでいる間、ずっと金利が変わらないローンのことをいいます。この他には、決まった期間の金利が一定の「3年固定」「10年固定」や、一般的には半年ごとに金利が見直される「変動金利」などがありますが、いずれのローンも経済状況によって金利が上昇する可能性を否定できません。

「たとえ経済状況が大幅に改善して昔のバブル景気のようになったとしても、低金利から変動することはない」。これが、全期間固定型の大きなメリットです。

「フラット35 S」なら、金利が「0%台」に

ずっと金利が変わらない全期間固定型のローンでは、住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して取り扱っている「フラット35」が有名です。フラット35の10月の最低金利は1.11%(※)となっており、0%台ではありません。
(※)借入対象となる住宅に要する費用の9割以下融資、借入期間21年以上の場合。

しかし、省エネルギー性および耐震性の高い住宅を取得する際には、借入金利を一定期間0.25%引き下げる「フラット35 S」が適用されます。その結果、現在の最低金利で計算すると、金利は0.86%(1.11%-0.25%)となり、1%を下回ることになるのです。

1%未満の金利なら、住宅ローン控除で得することも!

金利が低ければ利息が安くなるのは当然ですが、1%を切ると、住宅ローン控除により得することになります。住宅ローン控除とは、年末の住宅ローン残高の1%が税控除される制度。もし1%未満の金利で住宅ローンを組んでおけば、支払う利息より税金の控除額の方が大きくなります。今年10月からは住宅ローン控除の期間が3年間延長されたため、場合によっては13年間にわたってお金がプラスになり続けます。

※参照:https://ave.eslead.co.jp/uncategorized/2705

なお、「フラット35 S」には住宅の技術基準レベルにより「金利Aプラン」と「金利Bプラン」の2種類あり、それぞれで金利が引き下げられる期間と適用条件が定められています。

【フラット35 S 金利Aプラン】
・金利から0.25%差し引く期間:
当初10年間
・適用条件:
「認定低炭素」「一次エネルギー消費量等級5」「性能向上系買う認定」「耐震等級3」「高齢者等配慮対策4以上」「長期優良住宅」のうち、1つ以上の基準を満たす住宅であること。

【フラット35 S 金利Bプラン】
・金利から0.25%差し引く期間:当初5年間
・適用条件:
「耐熱等性能等級4」「一次エネルギー消費量等級4以上」「耐震等級2以上」「免震建築物」「高齢者等配慮対策等級3以上」「劣化対策等級3以上、かつ維持管理対策等級2以上」のうち、1つ以上の基準を満たす住宅であること

※参照:https://www.flat35.com/business/standard/flat35s.html

全期間固定型の住宅ローンには落とし穴も

ただし、住宅ローン金利1%未満での住宅ローン控除の恩恵を最大限に受けるには、税金がすべて控除されていることが前提です。そもそもの納税額が少なければすべてを控除できないケースもあり、そうなるとお得感は薄まります。

また、「3年固定」や「10年固定」などの短期固定金利や変動金利の住宅ローンと比較すると、全期間固定型の金利は高めに設定される傾向にあります。なぜなら、長期的な経済状況の動向を予測することが難しいため、金利を長期間にわたって固定することは金融機関にとってリスクとなるからです。

現在は超低金利時代で全期間固定金利も低くなっていますが、金利上昇局面で選択することがセオリーです。他の金利が下がり続ける中、相対的に高い金利を維持することになるかもしれません。

金利変動による家計トラブルが不安なら、全期間固定型を

それでも、あまり家計に余裕がなく、もしもの金利上昇に対応できそうにない家庭には全期間固定型の住宅ローンをおすすめします。

住宅ローンを選ぶ段階で「将来的に家計に問題が起きるかもしれない」と心配される方も多いですが、金利が変わらない全期間固定型の住宅ローンを選択しておけば、人生設計を立てやすく安心感にもつながります。

今後さらに低金利が進むこともありえますが、直近にマンションを購入する予定があるのなら、全期間固定型を検討する価値はあるでしょう。

この記事を書いた人

佐々木 茂樹

ファイナンシャルプランナー

1968年、北海道旭川市生まれ。地元の公立高校卒業後、ホテルマン、郵便局を経験。郵便局在職中にAFP資格を取得後、生命保険会社へ転職し、ライフプランシミュレーションを軸にした保険提案を実践。主に住宅購入時の保険見直し相談を行ってきたが、顧客の悩みは住宅ローンや資産形成など保険だけでは解決できないことを痛感し、2011年、独立系FP事務所ファイナンシャルサービス株式会社を設立、代表取締役に就任。金融機関に属さないFPとして顧客目線での問題解決、夢の実現のサポートを行っている。

■HP:http://financial-service.jp/

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