「小学生のお金教育」と聞くと、どんな印象を抱きますか?
もしかしたら「小さい頃からお金に執着するようになっては困る」と心配されるかもしれませんが、「お金教育」は生きるために欠かせない「先を見通す力」を養います。
今回は、小学生から始める「お金教育」について考えてみましょう。
「お金教育」により金銭感覚を養うことは、生きる力を養うこと
例えば、「こっちの消しゴムの方が安いね」や「夏はクーラーを付けるから、電気代がいつもより高いね。先月と比べて、いくらぐらい上がったと思う?」といった日常会話も、立派な「お金教育」です。
金銭感覚というものは、文字通り感覚的なもの。できれば小学生のうちに、「持っているお金の中でやりくりをして、いざというときのために貯金をする」という感覚を身につけさせたいものです。
また、いざ中学生になって親との別行動が増えた際、「お金を拾ったら、まずどうすればいいか」「友だちにお金を借りてもいいか、貸してもいいか」など自分で判断できるようになり、お金に関するトラブルから身を防ぐことにもつながります。
金銭感覚を養うことは、生きる力を養うことです。親子一緒の時間が長い小学校の頃から「お金教育」をスタートさせることには、大きなメリットがあるのです。
「お金」について親子で楽しく学ぶ方法
では、小学生向きの「お金教育」の方法をいくつかご紹介しましょう。
1. あえてカードを使わずに、現金を使う練習をする
近年、キャッシュレス化が進み、クレジットカードやスマホでサッと支払いが済ませられるようになりました。子どもにとっては、カードやスマホが魔法のアイテムに見えてしまうかもしれませんが、それでは困ります。
少し不便でも、子どもの前ではたまに現金を使ってみましょう。レシートを見ながら、一緒にお釣りを数えるのも教育のひとつです。
2. 買い物に一緒に行って、商品を選んだ理由を説明する
買い物は、最高の教育チャンスです。何かをねだられても、「うちはお金が無いから」の一言で片付けず、なぜ買わないのかを説明しましょう。
また、同じ商品でも、「安いから選んだ」のか「高くてもお金を払う価値があるから買う」のか、選んだ理由を話すことが重要。その積み重ねが、正しい金銭感覚を育てます。
3. お手伝いポイント制で「お金は働いて稼ぐもの、使えば減るもの」と教える
普段、子どもは親のお給料を目にすることはありません。そんな中で「お金は働いて稼ぐもの、使えば減るもの」という感覚を身につけさせるのは親の役目です。そのためには、子どもが買うお菓子などを、お手伝いポイント制にするのがおすすめ。例えば、お皿を流しまで下げると1ポイント、お風呂を洗うと2ポイントとし、10ポイントで100円のお菓子が買えるといったルールを設けるなど、さまざまな工夫ができます。
このときに注意したいのが、親は必ず「お手伝いありがとう!」と、子どもの目を見て伝えること。そうしないと、「ポイントくれないならば、手伝わない!」という逆効果が生まれてしまいます。親も子どもも楽しんで続けるためには、お金以外のコミュニケーションも必要なのです。
4. お小遣いをあげる場合は、お小遣い帳を付けさせる
高学年になったら、毎月定額のお小遣い制を導入しましょう。その際、お小遣い帳を付けさせて、毎月末の収支を合わさせてください。どうしても難しければ、レシートをセロテープで貼るだけでも大丈夫です。「気づいたら無くなっていた」「何に使ったか思い出せない」という習慣がつかないよう気をつけましょう。
5. 子どもの通帳を作って、時折見せる
お年玉など大きな臨時収入は、子ども専用の口座を作って管理しましょう。通帳を時折見せて、銀行や郵便局に預けると利子がつくことや、普通預金と定期預金の違いなども説明してあげてください。貯金することの楽しみも覚えられたらベストです。
目標は「お金と幸せな関係を築ける金銭感覚」を身に付けること
ある知人は「お母さんが習い事のお月謝のために新札を用意して、封筒の表に丁寧に名前を書く姿を見て、子ども心にお金は大切に扱うものだと知った」と語ってくれました。子どもは大人が思う以上に、親の姿を見ているのです。
「まだ小さいから、わからない」と決めつけず、どんどんお金の話をしてみましょう。その際は「買ったものの値段を人に聞いたり、教えたりしちゃいけないよ。嫌な気持ちになる人もいるからね」というマナーも教えてあげたいですね。
お金と幸せな関係を築ける金銭感覚は、一日にしては身に付きません。「お金教育」は、小学校低学年か、それ以前でも決して早すぎることはないのです。
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