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住まいの基本知識

物件の選び方や、住宅ローンの組み方などの住宅購入に関する
基本的な知識や暮らしの雑学・知識をご紹介します。

【FP監修】住宅ローン低金利時代、ボーナスを活用した繰上返済にメリットはある?

住宅ローンは、支払い期間が長ければ長いほど発生する利息が増えるため、できるだけ短期間で返すのが賢明とされていました。

しかし、今は住宅ローン低金利時代。金利0%台の住宅ローンもあり、以前と比べて利息分の負担が減っているのも事実です。

そんな中でも、ボーナスを活用した繰上返済を行うことにメリットはあるのでしょうか?

繰上返済とは?期間短縮型と返済額軽減型について

まずは繰上返済について、おさらいしましょう。繰上返済とは、通常決められた金額より多くの金額を返済し、借入額の元金を減らすことです。元金が減れば、当然かかる利息が少なくなりますので、総返済額は減少します。夏や冬のボーナスなどを繰上返済に充てるケースが一般的。繰上返済には「期間短縮型」と「返済額軽減型」の2種類があります。

 

  • 期間短縮型

返済期間が短くなります。なお、繰上返済後もそれまでと同額の返済が続きます。

 

2.返済額軽減型

返済期間に変更はありませんが、繰上返済後の毎月の支払金額が軽減します。

 

ちなみに同額を繰上返済した場合、返済額軽減型より期間短縮型を選択した方が総返済額は少なくなります。

ボーナスを活用した繰上返済を行うメリットは?団信にも目を向けよう!

ただ、現在の住宅ローンは低金利です。そのような状況でも、ボーナスなどを活用して繰上返済を行なった方が良いのでしょうか?例を挙げて見てみましょう。

 

(例)全期間固定金利1%で4,000万円の住宅ローンを借りた場合 ※期間35年、元利均等返済

総返済額は47,423,753円。借入から15年目に期間短縮型の繰上返済(100万円)をすると、支払期間は10か月短縮され、総返済額は47,214,166円に。その差は209,587円となりました。

 

この差額が大きいか小さいかは人によって判断が分かれるでしょう。ただ、返済額の他にも目を向けてほしいことがあります。それは、住宅ローンを組む際に加入する「団体信用生命保険(団信)」。

住宅ローン契約者に万が一のことが起きた場合に残りの住宅ローンが弁済される団信は、住宅ローン残高と同額の保険に加入していると考えることができます。しかも、この団信は別途保険料の支払いがないため、結果的に生命保険料の節約にもつながる可能性もあります。

※金融機関や保障内容によっては団信に関して金利の上乗せや別途保険料が必要な場合もあります。

 

住宅ローンの総返済額だけではなく、生命保険料を含めてトータルに検討してみることをおすすめします。

また、繰上返済を行う場合には手数料がかかる金融機関もあります。手数料自体はそれほど大きな額ではないですが、手数料と繰上返済で生じるメリットを比較してみましょう。

なお、住宅ローン借入から10年間(特例期間は13年間)は、年末の住宅ローン残高の1%が税控除される「住宅ローン控除」の制度が適用されます。諸条件にもよりますが、その期間は住宅ローンの元金を減らさず、繰上返済を行うのであれば控除期間が終わってからが良いでしょう。

「つみたてNISA」も。繰上返済以外にもボーナスの活かし方はさまざま

ボーナスなどで繰上返済を行えば支払う利息が減るため、金銭的なメリットを受けられるのは事実です。しかし、手元の現金が限られていると、急にお金が必要になっても対応しきれなくなる恐れがあります。

例えば、月々の赤字をボーナスで補填しているような家計の場合、繰上返済に充ててしまうと、その後の生活に支障が出るでしょう。繰上返済を考える前に家計を見直した方が良さそうです。

また、今のような住宅ローンが低金利の時代には、余裕のある資金で「つみたてNISA」などを運用すれば、支払う利息よりも大きな利益を生むこともできるでしょう。

「ボーナスで手元の資金が増えたから」とすぐに繰上返済に結び付けるのではなく、お金の活かし方を広く検討してみてはいかがでしょうか。

※金融商品を購入する際は、商品の特性や取引の仕組み、リスクや手数料等の費用などを十分にご理解いただいた上、必ずご自身の判断と責任で実行してください。

この記事を書いた人

佐々木茂樹

ファイナンシャルプランナー

1968年、北海道旭川市生まれ。地元の公立高校卒業後、ホテルマン、郵便局を経験。郵便局在職中にAFP資格を取得後、生命保険会社へ転職し、ライフプランシミュレーションを軸にした保険提案を実践。主に住宅購入時の保険見直し相談を行ってきたが、顧客の悩みは住宅ローンや資産形成など保険だけでは解決できないことを痛感し、2011年、独立系FP事務所ファイナンシャルサービス株式会社を設立、代表取締役に就任。金融機関に属さないFPとして顧客目線での問題解決、夢の実現のサポートを行っている。■HP:http://financial-service.jp/

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