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住まいの基本知識

物件の選び方や、住宅ローンの組み方などの住宅購入に関する
基本的な知識や暮らしの雑学・知識をご紹介します。

【FP監修】自宅で働くフリーランスは要注意!住宅ローンは経費に計上できる?

ある調査によると、日本のフリーランス人口は 2015 年に 913 万人だったのに対し、2018 年には 1,119 万人と 22.6%増加しています。企業の終身雇用制度が崩壊したり、テレワークの推進によって働き方がどんどん多様化したりしていることもあり、今後もフリーランス人口は増加すると考えられているようです。

もし、フリーランスとして独立し、自宅で仕事するようになれば、自宅が仕事場を兼ね、さまざまな支出を経費に計上することができます。では、住宅ローンは経費に計上できるのでしょうか?

住宅ローンは経費に計上できない!

結論から言うと、自宅兼仕事場の物件を購入するのに利用した住宅ローン自体は経費として認められません。

ただし、住宅ローンの利息は経費として計上できる可能性があります。これは、仕事用に使用している床面積の割合や時間などによって行われる「家事按分(かじあんぶん)」により、「事業使用部分」に関し合理的に区分できる場合には必要経費と認められるためです。

例えば、床面積60㎡の自宅のうち18㎡を仕事用に利用しているとすると、事業で使用している割合は30%に。年間100万円の住宅ローンの利息を支払っている場合、30万円が経費として認められる計算となります。

ちなみに、必ずしも面積によって按分しなくてはならないわけではありませんが、経費として合理的に区分するため、面積の割合を利用するケースがほとんどです。

同様に面積などの割合によって経費計上できるものとしては、「建物部分の減価償却費」「固定資産税」「マンションの管理費」「火災保険」などがあります。

また、主に使用時間によって按分するのは電気・水道料金・通信費が該当。中でも電気料金は、仕事で利用するコンセントを決めておき、コンセントの総数に対しての割合で計算することもあります。

できるだけ多く経費計上したい……住宅ローン控除の落とし穴

節税のため、できるだけ多くの割合を経費計上したいと考えるかもしれませんが、注意しなければならないことがあります。それは、住宅ローン控除。住宅ローンを利用してマイホームを購入する場合、当初13年間(特例期間の場合)にわたって年末の住宅ローン残高の1%を税控除される制度です。

例えば、4,000万円の住宅ローンを組んだ場合(全期間固定金利1.0%、35年ローン、元利均等返済、建物部分の価格3,000万円として)、13年間の住宅ローン控除の総額は約400万円です。

※節税などで所得税などの課税額が少ない場合には全額控除できません。

 

この住宅ローン控除を受けるには、「床面積の2分の1以上の部分が居住用であること」という適用条件を満たさなければなりません。仕事で使用している部分を50%以上に設定してしまうと、この要件から外れて住宅ローン控除を受けられなくなります。

仕事で使用する部分が広い方が経費に計上できる金額は大きくなりますが、住宅ローン控除を受けられないことによるデメリットがそれを上回る可能性もあるでしょう。

なお、居住用部分が50%以上であれば、事業部分とするローン残高についても住宅ローン控除が適用されます。

過大な経費計上には要注意!税理士など専門家に相談を

今回ご紹介した内容は、あくまでも一般的なものです。税務署に認められないケースもあるため、あまりに過大な経費計上にはご注意ください。

事業用として経費計上をする割合などに関しては、さまざまな角度から考えましょう。もし難しい場合には、税理士など専門家に相談することをおすすめします。

この記事を書いた人

佐々木茂樹

ファイナンシャルプランナー

1968年、北海道旭川市生まれ。地元の公立高校卒業後、ホテルマン、郵便局を経験。郵便局在職中にAFP資格を取得後、生命保険会社へ転職し、ライフプランシミュレーションを軸にした保険提案を実践。主に住宅購入時の保険見直し相談を行ってきたが、顧客の悩みは住宅ローンや資産形成など保険だけでは解決できないことを痛感し、2011年、独立系FP事務所ファイナンシャルサービス株式会社を設立、代表取締役に就任。金融機関に属さないFPとして顧客目線での問題解決、夢の実現のサポートを行っている。■HP:http://financial-service.jp/

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