「キャンプは楽しそうだけれど、小さな子どもがいる中での準備や片付けは大変」
こんなふうに二の足を踏んでいませんか?しかし、「子育てにキャンプが良い」とよくいわれているのです。
今回は、キャンプが子どもに与える影響や、その心得をご紹介します。
キャンプやアウトドアを通して子どもが身に付ける力
キャンプが子どもにもたらすメリットは、楽しい思い出だけではありません。キャンプやアウトドアを体験することによって、日常生活で役に立つさまざまなスキルが身に付きます。
1.計画性と実行力
キャンプには、綿密な計画と準備が必要です。頭の中でその日の行動を思い浮かべながら準備をしたり、雨や風などの天候の変化の可能性を調べて備えたりするのは、容易なことではありません。
しかし、計画を立ててやり遂げれば、大きな充実感や自己肯定感にもつながります。子どもにとっては、生きる力となるのです。
2.お手伝いする力
キャンプは、家族みんなで力を合わせる絶好のチャンス。準備の段階から、子どもにも役割分担を決めてしまいましょう。親が子どもを頼りにしていることを伝えたら、きっと現地で責任感を持って取り組んでくれるはずです。
また、お手伝いをする中で、料理をしながら包丁や火の扱い方を覚えたり、食材の話をしながら食について学んだりすることもできます。
3.自然と向き合う力
時期や時間によって、それぞれ違う様子を見せる自然は、災害や事故などの恐ろしい面がある一方、輝く木漏れ日、美しい夕日、満点の星空など、素晴らしい一面も見せてくれます。このように五感を刺激してくれる体験は、街中ではなかなか味わうことができません。
ある研究によると、自然の中での感動体験は、自己肯定感を高めるのに非常に効果的だそうです。美しい景色に癒されながら、子どもの脳にポジティブな影響を与えてくれるのは一石二鳥といえます。
4.想像力と創造力
普段与えられたもので遊んでいる子どもたちも、自然の中では、上手に自分たちで遊び道具を見つけてきます。枝や石や葉っぱを他のものに見立てたり、そこからゲームを考えたり。一見何もないけれど、実は何でもある自然。それに気がつくのは想像力であり創造力です。自然の中にはこの2つの力を伸ばす要素が満載です。
5.コミュニケーション力
キャンプに行くと、テント張りや料理の準備など、仲間で協力する場面がたくさん出てきます。お互い声を掛け合って進める必要性があるため、思春期で親とのコミュニケーションが減った子どもとも自然に会話が生まれるでしょう。また、普段とは違う夜の暗闇も、家族の距離を縮めてくれます。
このようにキャンプは、子どもにとって、さまざまな良い効果が期待できます。「楽しみながら大いに学ぶ」。これこそがキャンプ育児の醍醐味なのです。
キャンプを子育てに活かすために大切にしたい心構えや注意点
キャンプを楽しみながら、なおかつたくさん学んでほしいと思うのであれば、まずは大人から積極的に楽しむことが大切です。
幼い子どもは、大人の真似をしながら、さまざまな能力を獲得します。行動だけではなく、自己肯定感などの考え方も模倣していくため、大人自らさまざまなことに挑戦する姿を見せてあげましょう。
とはいえ、天候が崩れてずぶ濡れになることもありますし、初めてのテントはなかなか上手に建てられないかもしれません。思い通りにならなくて当然、「そんなこともあるさ!」と開き直った気持ちも時には必要。多少の失敗も、振り返ると良い思い出になることが多いものです。
うまくいかなかったときは、「どうしてそうなっただろう?」と、親子で話す時間を持てば、子どもは「失敗してもやり直せばいいんだ!」と思ってくれるでしょう。この過程を持つことで、最後までやり抜くスキルが身につき、さまざまな困難から回復する力につながります。
そして、普段と違うことに挑戦する子どもを、しっかり褒めてあげましょう。子どもを褒める際は、結果よりも挑戦した事を褒める方が効果的です。例えば、テストの点数などの結果だけを褒めてしまうと、悪い点数を恐れるようになってしまいますが、努力したことを褒めることで「頑張れば褒めてもらえるんだ!」という認識になり、根気強く頑張れる子どもに育ちます。
成果はどうであれ、テント張りを手伝ってくれたり、夕飯の用意を率先して動いてくれたりしたときは、「頑張っているね、えらいよ!」「助かったわ、ありがとう!」と伝えてあげてください。このような言葉が水となり、子どもの心の種の発芽を促してくれます。
子どもが小さい時期こそ、キャンプに挑戦しよう!
子どもが小さいときのキャンプは大変ですが、スポンジのように柔らかい脳を持った時期だからこそ吸収できるものが多いのです。
ただ、親にキャンプ経験がないと、子どもを連れていく際の不安が大きいもの。そういう場合は、キャンプメーカーやアウトドアの団体が主催するキャンプイベントに参加するのも良いですし、コテージやグランピングがある施設を利用しましょう。「キャンプ」と一言で言っても、さまざまな形があります。「普段よりも、少しだけ非日常を味わう」といった、みんなが心地良い着地点を話し合って決めましょう。
子どもはあっという間に大きくなりますので、家族みんなで過ごせる時間は、実はそれほど長くありません。思い立ったが吉日。今年こそキャンプに挑戦しましょう。
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