2024年は、カメムシ大量発生の年になると予想されています。前年2023年にスギやヒノキの花粉飛散量が多く、その実を餌とするカメムシの数が増えたこと、さらに暖冬で多くの個体が越冬したこと、これらが合わさった結果、大量発生につながるのではないかといわれているのです。
農林水産省が都道府県と協力して作成している「病害虫発生予察情報」では「関東のほか、東海、近畿、中国、四国、九州の一部で果実に被害をもたらすカメムシの発生が多くなることが予想される」と発表しています。まだ警報こそ発令されていませんが、注意報が発令されている都道府県の数はこの10年で最多とのことで、防虫グッズの購入など、早めの対策がおすすめです。
今回は、マンションでできるカメムシ対策についてご紹介します。
カメムシはマンションの何階まで飛んでくる?
一般的にマンションの高層階に虫は飛んでこないとされていますが、カメムシはマンションの何階まで飛んでくるのでしょうか。
カメムシは数十メートルまでなら飛翔できるとされていますが、8階以上の高さに自力で到達することは稀です。反対にマンションの8階より下の階に住んでいる場合は、カメムシの侵入リスクが十分にあると考えられます。
しかし、8階以上に住んでいる場合でも、カメムシが室内に入り込む可能性は完全には排除できません。「エレベーターに迷い込んで付いてきた」「観葉植物と一緒に持ち込んだ」「うまく上昇気流に乗って高く飛来した」など、さまざまな可能性が想定されます。
低層階はもちろん、高層階に住んでいても、念のためにカメムシ対策はしておいた方が安全と心がけたほうが無難でしょう。
マンションでできるカメムシ対策5選
ここからは、カメムシの生態を理解したうえで、マンションでできるカメムシ対策について考えてみましょう。
1.カメムシが嫌いな匂いを利用する
カメムシは特定の匂いを嫌うため、それらを利用することで自然にカメムシを避けることが可能です。例えば、ミント、ラベンダー、レモングラスなどのハーブはカメムシが苦手とする匂いを放ちます。これらのハーブを窓辺やベランダに置くことで、カメムシの侵入を防げるだけではなく、見た目にも美しく、室内外を心地良い香りで満たしてくれるでしょう。
また、換気扇や配管の隙間にハッカオイルを塗るのもおすすめ。逆にフローラル系や柑橘系の香りはカメムシが好むため、ベランダに置くのは避けましょう。
2.家の中への侵入を防ぐ
日本には数種類のカメムシが分布していますが、平べったい形状をしているものが多く、わずか2~3mmの狭い隙間があれば、難なく屋内に入ることができます。窓のサッシに隙間テープを貼ったり、ピレスロイド系(有効成分:シフルトリン)の忌避剤を窓ガラスや網戸などにスプレーしたりして、カメムシが家の中に入るのをシャットアウトしましょう。エアコンの排水ホースの先には防虫用の逆止弁をセットするのも効果的です。
カメムシは10月下旬から11月いっぱい、急激な気温低下などの諸条件により、越冬するために家屋の中や戸袋に侵入します。9月頃から予防的に忌避剤をスプレーしておくのも良いでしょう。
3.ベランダの電灯はLEDにする
カメムシは蛍光灯から発せられる紫外線に寄ってくる性質があります。そのため、ベランダの電灯は紫外線を発生しないLED電球に交換しましょう。
カーテンやブラインドが開いていると窓にカメムシが寄ってきてしまいますので、夜に室内の蛍光灯などの光が漏れないよう、遮光カーテンに交換するのも有効な対策です。
4.洗濯物の干し方に注意する
カメムシは光や白いものを好みます。洗濯物を干すときは、光の反射の少ないものを外側にして、白系などの反射の強いものは内側に配置しましょう。
洗濯物を室内に取り入れる際には、カメムシがくっ付いていないか、よく観察して振り払ってください。できれば目視で確認して、服にとまっているのを見つけたら、そっと逃がしてやるのが賢明です。
5.カメムシに強いマンションを選ぶ
カメムシ対策が施された建物は、以下のような特徴があります。
・窓やドアの隙間が少なく、特に網戸やサッシの隙間防止措置がしっかりと施されている。
・外壁に、カメムシが着地しにくい滑らかな素材を使用していたり、避ける特定の化学物質を塗布したりしている。
・緑地や庭が建物から離れた位置に設けられている。
これらの特徴を持つマンションを選ぶことで、カメムシによるストレスから解放された生活を送ることができます。
ただ、どれだけ対策をしても、カメムシに遭遇することはあります。その場合は、ニオイを出す前に仕留めなければなりません。物理的な対策としては、粘着シートやカメムシホイホイを窓の近くやドアの周辺に設置すると良いでしょう。粘着シートはカメムシが触れると動けなくなるため、すぐに捕獲できます。また、ペットボトルの中にカメムシが好む匂いの誘引剤を入れた「カメムシホイホイ」をDIYで作って設置すれば、効果的に引き寄せることが可能です。
なお、カメムシが複数いる場合は一度に駆除することは困難ですので、より確実に退治したい場合はスプレーが手軽でしょう。「殺虫成分を使っていないタイプ」や「凍らせてしまうタイプ」のものを選べば、洗濯物や布団にも使えて便利です。
日頃から対策をして、カメムシによるストレス軽減を!
虫が苦手な人は、カメムシと聞くだけでストレスを感じるかもしれません。けれど、カメムシの生態を把握することで、ある程度は避けられますし、万が一遭遇してしまっても慌てずに対応できます。「大量発生」という言葉に怖気付く必要はありません。願わくば、カメムシとの無用の衝突を避けて、お互いの共存を目指しましょう。
meetのメールマガジン登録
meetには”子育て・教育環境・地域・住まいの基本知識”に関する幅広い情報が盛りだくさん。意外と知らないスポット情報や育児のことなど、ご登録いただくといち早く最新記事がご覧いただけます。
この記事が気に入ったら
“いいね!“しよう
住みたい街のおすすめ情報をお届け!
住まいの基本知識に関する
あなたにおすすめの記事
-
住まいの基本知識2017.08.19住宅ローンの固定金利と変動金利はどう違う?選び方のポイント住まいの基本知識2017.10.12若いうちにマンションを買うメリットは?戸建てよりマンションがおすすめの理由
その他のおすすめの記事
-
住まいの基本知識2019.07.26家で虫が出るのはなぜ? マンションの虫除け対策で徹底ブロックを!住まいの基本知識2021.10.05もしもマンション管理組合の理事会役員に選ばれたら?目的や役割を知っておこう!