「勉強ができる子どもは地頭が良い」
こんなことを聞いたことはありませんか?
「地頭」とは、一般的に論理的思考力やコミュニケーション能力などを指します。この地頭を子どもの頃から育てる、何か良い方法はあるのでしょうか?今回は、地頭を育てることで得られるメリットと、その鍛え方についてお伝えします。
地頭を育てることで得られるメリットは無限大
論理的思考力やコミュニケーション能力と深く関わる地頭は、日常生活のあらゆるシーンに影響します。例えば、地頭の良い子は友人と良好な人間関係を築きやすい傾向に。相手を思いやった会話や、機転を利かせて周囲を沸かせる受け答えをすることができるので、自然と人が集まるのです。
また、地頭の良い子はスポーツをするときも想像力を働かせ、その場に合わせた的確な判断をしたり、周囲の状況からどんな行動をとれば良いのかを瞬時に察知したりすることもできます。
そして何と言っても、地頭の良さは勉強の成果にも大きく表れます。特に2020年度からセンター試験に取って代わる「大学入学共通テスト」では、知識の有無よりも思考力や表現力の高さが問われるので、地頭の良さが合否を分けることでしょう。社会に出ても、多くの企業が求めるのは問題解決のための論理的思考力やコミュニケーション能力ですから、子どものうちにどれだけ地頭を育てられるかが、その子の一生を左右すると言っても過言ではないのです。
子どもの地頭を鍛えるためには、自分で考える習慣を付けさせる
まず、子どもと接するときは、できるだけ子ども自身に考えさせることが大切です。子どもに何か聞かれても、すぐに答えを教えず、「(子どもの名前)はどう思うの?」というように、自分で考えさせる習慣づけを促しましょう。答えを教えてしまえば、子どもはそこで考えるのをやめてしまいます。それでは、知識は付いても、思考力は育ちません。
子どもに何か指示を出したいときも、「○○しなさい!」というよりも、「○○するのと、○○するのはどっちがいい?」という二択の質問や、「○○するのはどう?」という提案をすることで、子どもに思考を促すことができます。
あえて子どもの前で失敗してみせて、子どもにやらせてみるのも手です。上手にできたら、すかさず褒めることで、子どもは得意になってやってみせることでしょう。そして、「どうやれば良いのか教えて」と、子どもに説明させれば、他者に客観的な説明をする際に必要なコミュニケーション能力や論理的力が育ちます。子どもを褒めるきっかけを作って良い気分にさせ、子どもが自分で考えたり行動したりするように仕向けるのがコツです。
また、地頭が育ちやすい環境やおもちゃを用意するのもおすすめです。例えば、子どもの年齢に合わせたブロックや、積み木は地頭を育てるのに役立つアイテム。積み木は、カラフルでスポンジのような柔らかい素材でできているタイプのものが人気です。このような知的玩具を使って遊んだ子どもは、試行錯誤する力や空間認識力が育ち、それらが総合して地頭の良さにつながっていくといわれています。
地頭を育てるには幼いうちに働きかけるほど効果的
それから、いつでも子どもが手に取って読めるように、リビングなどに本棚を設置するのも地頭育成には効果的です。乗り物や服などの絵本や、ストーリー性のある本を性別や年齢・子どもの好みに合わせて、できるだけ多く収納できる棚を設置すると良いでしょう。
地頭を育てるには幼いうちに働きかけるほど効果的です。ぜひ、幼少期から取り組んでみてください。
この記事を書いた人
西村創
受験指導、塾の選び方と活用法の専門家
学生時代からさまざまな形態の塾で講師経験を積む。大学卒業後、大手進学塾、予備校講師を務め、国内外の教え子は2,000人を超える。その指導法には定評があり、テレビや新聞、教育系雑誌などのメディアから度々取材を受ける。出版著書の多くが話題を呼んで重版となり、全国各地の学校からの依頼に応じて講演講師も務めている。
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