マンションを購入すると、住宅ローンだけではなく管理費や修繕積立金・固定資産税などの支払いが発生するため、賃貸に住んでいたときよりも住居に関わる経済的負担が増える傾向にあります。
マンションを購入したら、家計を見直してみましょう。
家計簿をつけて「固定費」にメス。生命保険の見直しで支出を大幅カット
家計を見直すには、まず「家計簿」をつけてみましょう。最初は何にどの程度かかっているのかを把握できればいいので、簡単なものでOK。意外とお金を使っていることに気づき、がく然とするかもしれません。
しかし、毎日の食費や日用品・趣味やレジャーの費用に目を向け「お金がかからないように」と意識しすぎると、ストレスになることもあります。もちろん、家計によっては多少の努力が求められる場合もありますが、その前に見直してほしいのが「固定費」。なぜなら、固定費を一度見直せば、その後ずっと支払いを抑えることができるからです。
特に固定費の中でも「生命保険」を見直せば、大きく支払額を抑えられる可能性が大です。結婚や子どもの誕生を機に保証を厚くすることを一番に考えた結果、必要以上に大きな保証を付けている家庭は多くあります。また、どんな保険に入っているのかも忘れてしまっている人も少なくなく、同じような保障が重複しているケースも。家族全員の保険証券をすべて確認してみましょう。
マンション購入後に生命保険を見直すべき理由
マンション購入後に生命保険を見直すべき大きな理由がもうひとつあります。それは、マンション購入のために住宅ローンを組むと、一般的に団信(団体信用生命保険)へ加入する必要があるからです。※金融機関により、団信加入が任意の場合もあります。
団信へ加入しておけば、住宅ローンを組んだ人にもしものことがあったとき、住宅ローンの残金が0になります。つまり、その後の住居費をかなり抑えられることになるため、住宅ローンを利用してマンションを購入すれば、生命保険などで用意する必要額も変わってくるのです。
必要保証額は、一般的に以下の計算方法で算出することができます。
・末子独立までの遺族の生活費
⇒現在の年間生活費×70%×末子が独立するまでの年数
・末子独立後の配偶者の生活費
⇒現在の年間生活費×50%×末子が独立した時点の配偶者の余命年数
・別途必要資金
⇒教育資金、子どもの結婚費用、葬儀費用など
※団信に加入している場合は、年間生活費から住宅ローン支払額相当を差し引いて計算してください。
必要保証額がわかれば、国から支給される遺族年金額や自己資金額、勤め先からの死亡対象金などを差し引いてみましょう。残った金額が、生命保険などで準備すべき金額です。
生命保険を見直してこそ、家計にゆとりが生まれる
加入する生命保険によっては貯蓄性や投資性があるものもあるため一概にはいえませんが、毎月の保険料が家計の大きな部分を占めている家庭が多いのは事実です。
大きな出費を見直してこそ、家計見直し効果を享受できることは否めません。将来の心配をするあまりに「必要以上に切り詰めて生活する」というのは、本末転倒といえるのではないでしょうか。
面倒であれば、第三者にライフプランの作成を依頼してみるのも良いでしょう。客観的に家計を見直すきっかけになるはずです。
この記事を書いた人
佐々木茂樹
ファイナンシャルプランナー
1968年、北海道旭川市生まれ。1986年に旭川北高校を卒業、旭川市内の老舗ホテルに勤務。1988年より道内の郵便局に転職、郵便・貯金・保険業務を経験。在局した17年間のうち10年間保険業務に携わり、その間にAFP、2級FP技能士資格を取得。2006年より、三井住友海上きらめき生命でファイナンシャルコンサルタントとして勤務。2011年、同社を退職し、ファイナンシャルサービス株式会社を設立。
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