現在、各保険会社からさまざまな「子どもも加入できる医療保険」が提供されています。
医療保険といえば、大人になってから「自分が入院したときの治療費を補てんできるように」と加入するイメージが強いですが、子どもの医療保険は本当に必要なのでしょうか?
「子どもの医療保険は不要」といわれるワケ
「子どもの医療保険は必要ない」このように考える家庭も少なくありません。
なぜなら、医療保険は「病気やケガなどで病院にかかったときに医療費として給付金が受け取れる保険」のことなのですが、そもそも子どもの医療費については、自治体によっては中学校卒業などまでかからないことが多いからです。※所得により、医療費の助成金額に違いがある地区もあります。
また、医療費の助成を受けられるのは「公的保険内治療」に限られ、例えば、先進医療などの保険外治療にかかる費用は自費となるのですが、小さな子どもがそのような治療を必要とする病気に罹患したり入院したりする確率は高いとはいえません。
このような理由から「子どもの医療保険は必要ない」と考えられるようです。
子どもの医療保険に加入する意義
では、本当に子どもの医療保険は必要ないのでしょうか?ここからは、子どもの医療保険に加入する意義について見ていきましょう。
まず、生まれてから間もない間に医療保険に加入しておけば、将来的に保険加入を断られるリスクがなくなります。生命保険全般にいえることですが、過去に病歴があると保険の加入を断られたり「その病気をした部位は保障しない」という条件が付いたりすることがあります。
先ほど「小さな子どもがそのような治療を必要とする病気になったり入院したりする確率は高いとはいえない」と述べましたが、昨今の子どもに多い「アレルギー」が病歴に該当することもあります。例えば、アレルギー性の喘息にかかってしまい、継続的な治療が必要と診察されれば、医療保険の加入を断られるケースもあります。「医療保険は大人になってから」と考えていても、アレルギーなどによって加入自体が困難になる可能性もあることは理解しておきましょう。
次に、小さいうちに保険に加入しておくと「保険料が安くなる」というメリットがあります。終身タイプの医療保険で一生涯保険料が変わらない保険の中には、成人してから加入するのと比べて、0歳から加入した方が一生涯に払う保険料が安くなる傾向にあるのです。
将来的な負担を考えれば、子どもの頃から加入しておくのも悪くはない選択といえるでしょう。
※数年ごとに更新が必要な医療保険では年齢ごとに保険料が変わるケースが多く、メリットがない、もしくは少ない可能性もあります。
子どもの将来を見据えて医療保険に加入するのは「あり」
「医療費の確保」というより、後々になって医療保険の加入やその支払いで苦労しないようにしてあげるために、子どものうちに医療保険に加入しておくのは「あり」だと思います。
もしも子どもの医療保険への加入を検討するなら、将来にわたって支払う保険料と保障内容を必ず確認するようにしましょう。
この記事を書いた人
佐々木茂樹
ファイナンシャルプランナー
1968年、北海道旭川市生まれ。1986年に旭川北高校を卒業、旭川市内の老舗ホテルに勤務。1988年より道内の郵便局に転職、郵便・貯金・保険業務を経験。在局した17年間のうち10年間保険業務に携わり、その間にAFP、2級FP技能士資格を取得。2006年より、三井住友海上きらめき生命でファイナンシャルコンサルタントとして勤務。2011年、同社を退職し、ファイナンシャルサービス株式会社を設立。
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