「学校に行きたくない」
お子様にこう言われたら、ドキッとしてしまうご両親も多いのではないでしょうか。
「まさかうちの子が不登校に?」
そんな言葉が頭をよぎるかもしれません。
怒るべきか、それともやさしく諭すべきか、対応に困ることもあるかと思います。
今回は、心理カウンセラーがそんなときの対応のポイントをご紹介します。
低学年の子どもの場合、比較的早期に再登校につながる!?
平成27年度の文部科学省の調査発表によれば、小学生の不登校数は約27,000人。多少の増減はありますが、毎年少しずつ右肩上がりの現状です。学年が上がるにつれて、人数も増えています。
しかし、低学年で不登校の兆しがあった、もしくは不登校になった子どもの多くは、比較的早期に再登校につながっています。低学年の子どもの場合、環境の変化に順応できないことが主な原因であるため、時間の経過とともに解決していく傾向にあるようです。
子どもの不登校は、早めの対策が大切。初期サインとしては、以下のようなものがあります。
・夜寝る前になると、憂鬱そうな表情で親に甘えてくる
・学校に行く前になると、暗い表情やぐずぐずした態度をとる
・前に比べて笑わなくなり、明るさがなくなる
・口数が少なくなる
・「学校に行きたくない」と言い始める
こうした様子が見えたときには、「学校に行くのが大変なの?」などと聞いてみると良いでしょう。低学年の子どもであれば、わりと素直に答えてくれるはずです。
このとき、つらい気持ちに共感したうえで、それでも学校に行っていたことを褒めてあげてください。ポイントは「学校に行かなくていい」と安易に言わないことです。「学校は休まず行こうね」と、さりげなく伝えましょう。
それから「学校に行けるように、ママに手伝ってほしいことはある?」と聞きましょう。子どもが答えなかったら「途中までママが送っていくのはどうかな?」などとアイデアを出してあげてください。「友だちに迎えに来てもらい一緒に登校する」「先生に様子を話して、気にかけてもらえるようにする」といったことも良いでしょう。
子どもが家で笑えるように楽しい雰囲気を意識的に作り、甘えてきたときは受け止めてあげましょう。
もしも子どもが不登校になってしまったら……特別待遇はNG!
では、もしも本格的な不登校になってしまった子どもには、どのような対応をすれば良いのでしょうか?
ここで重要なのは、学校を休んでいるときに楽な生活をさせるなど、特別待遇をしないことです。毎日決まった勉強時間を設け、手伝いもさせましょう。相談室や支援センター、カウンセリングルームなどの外部機関に通わせ、家に長く居ないようにすることも大切です。
熱や腹痛などの身体症状がある場合は、学校に行きたくない気持ちが相当強いことが考えられます。そうしたときには、症状がおさまるまで静かに過ごさせましょう。ただ、具合が悪いことを心配しすぎると、子どもは症状を意識的に使うようになります。サラッと受け止めるくらいに留めておいてください。
不登校が長引いてきたら、引きこもり状態にならないように学校と同じように過ごせるサポート機関に通うことなども考えてみましょう。
そして、親自身が人生で何かを避けていないか、引きこもりがちではないかなど、自分を見直して変えていくことも有効。子どもの不登校は、子どもだけの問題ではなく、親の問題が子どもの不登校として表れていることもあるのです。このとき、決して自分を責める必要はありません。
子どもからのサインを見逃さないようにして早めの対応を!
子どもからのサインを見逃さないようにして早目の対応をすることが、不登校を予防します。
万が一、不登校になってしまっても社会とのつながりを作るようにすれば、その後の流れが良くなるはずです。
「学校に行きたくない」と子どもが言い始めても、落ち着いて対処してあげましょう。
この記事を書いた人
安藤はま子
心理カウンセラー
子育て中に心理学を学び、心理カウンセラー資格を取得。企業での新人研修、中学校での相談、民間会社での心理カウンセリング、公的機関での女性相談などを行い、2005年にカウンセリングルームミスタヴィスを開業。その後、世界の仕組みについての理論を学ぶ。2012年、サラカオル株式会社を設立。心理学と自己啓発理論、潜在意識などを取り入れたカウンセリングやセミナーを行っている。親子関係が改善し、人生の流れが良くなるカウンセリングと評判。著書に「親との問題~女性の心が楽になる生き方」(ギャラクシー出版)がある。
HP: http://sarakaoru.com/
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