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住まいの基本知識

物件の選び方や、住宅ローンの組み方などの住宅購入に関する
基本的な知識や暮らしの雑学・知識をご紹介します。

【FP監修】フルローンでマンションを購入するのは本当に無謀かどうか?

頭金ゼロ円で住宅ローンを活用する、いわゆる「フルローン」。
フルローンは借入金額が大きくなるため「無謀」「危険」と言われることもあります。

今回は、フルローンでマンションを購入するのは本当に無謀かどうかをFPの視点から解説します。

【結論】資金計画・ボーナス払い・住宅ローンを考慮すれば無謀ではない

なんとなく「無謀」な香りのするフルローンですが、実は頭ごなしにそう言い切るのは少し乱暴です。
フルローンを組む際に無理のない返済プランをしっかりと立てておけば、マンション購入はそこまで非現実的なことではありません。

フルローンを現実的なものにするためのポイントを

「資金計画」
「ボーナス払い」
「住宅ローン」

に分けてご説明します。

・資金計画について

持ち家になると今まで勤務先から出ていた「住宅手当」がもらえなくなる可能性があり、また固定資産税や管理費・修繕積立金といった賃貸暮らしでは負担していなかった支払いも発生します。「今まで払っていた家賃と同じくらいの返済であれば問題ない」と考えずに、余裕を持った資金計画を心がけてください。
ネット上にはライフプランシミュレーションのサービスがありますし、より細かく確認したい場合はファイナンシャルプランナーなどの専門家に依頼して、第三者の目線からアドバイスをもらって資金計画をたてると良いでしょう。

・ボーナス払いについて

住宅ローンを組むときに「ボーナス払い」を設定することもありますが、このボーナス払いは意外と曲者です。ボーナスはその年によって増減する会社も多く、月の支払いは問題なくても「ボーナス払い」でつまずく家庭は少なくありません。
できればボーナスは家計のマイナス分の補てんや貯蓄、投資などに活用することをおすすめします。

・住宅ローンの選び方について

利用する住宅ローンも吟味しましょう。金利はもちろん、団信の補償内容についても確認してください。加入する団信によっては「医者から就業不能と診断」「要介護状態」などで、住宅ローンの残高がゼロになるといった手厚い保障が受けられるものもあります。

上記等を踏まえて、家計を圧迫しない返済プランを計画すれば、フルローンでのマンション購入は不可能ではありません。

フルローンを活用したマンション購入が無謀と言われる理由

守るべきところを守れば大きな問題のないフルローン活用ですが、どうして「無謀」といったイメージがあるのでしょうか?

その理由は3つ。

・借入金額が大きいから
・返済金額が増える可能性があるから
・資金計画力が無いように見えるから

にあります。

【1】借入金額が大きいから

フルローンを組むとなると、自ずと借入金額が大きくなります。月々の支払いが増えた結果、将来、支払いで行き詰まる可能性はゼロではありません。この資金計画の脆さが「無謀」と指摘される理由のひとつです。

【2】返済金額が増える可能性

実はフルローンだと、利用できる金融機関や商品が限定される可能性があります。金融機関によっては諸費用込みで住宅ローンを組むことができず、諸費用分については金利が高い別のローンを組まなくてはいけないところも。そうなると総返済額が膨らんでしまう可能性があります。
この点から、【1】と同様に資金計画が脆いということで「無謀」と称されることがあります。

【3】資金計画力が無いように見えるから

さらに言うと、「『家の購入』という目標に向かってお金を貯められなかった」という事実そのものも、フルローンのマンション購入が無謀だと思われる要因です。

マンションなどのマイホームを購入しようと考えたとき、多くの人が自己資金の必要性を認識するはず。にもかかわらず、フルローンを組む≒頭金を用意できなかったのであれば、お金にルーズな一面があるのだと捉えられることもできます。

総括すると、フルローンが無謀だと思われがちな理由は「完済能力が無いように思えるから」。

しかし、これの逆を考えると、自分の経済力で実現可能な完済プランをたてて実行すれば、フルローンは無謀ではないという見方ができます。

繰り返しになりますが、ファイナンシャルプランナーなどに相談をして「資金計画」「ボーナス払い」「住宅ローン」を考慮・選択し、完済を現実的なものにすることがフルローンの活用では大切なのです。

運命の物件に出会ったときは、まずは資金計画を!

フルローンでのマンション購入は、ポイントさえ抑えれば実現不可能なことでは決してありません。

気に入った物件に出会えるチャンスというものは決して多くなく、そんなときに「自己資金が無い!」ということもあるでしょう。そこで、運命の物件に出会ったときは、まずは資金計画を立てるようにしてみてください。
現実を把握し、しっかりとシミュレーションすれば、フルローンでもマンションを買うことは検討できます。

利用する住宅ローンも見極め、理想の物件を逃さないようにしましょう。

この記事を書いた人

佐々木茂樹

ファイナンシャルプランナー

1968年、北海道旭川市生まれ。地元の公立高校卒業後、ホテルマン、郵便局を経験。郵便局在職中にAFP資格を取得後、生命保険会社へ転職し、ライフプランシミュレーションを軸にした保険提案を実践。主に住宅購入時の保険見直し相談を行ってきたが、顧客の悩みは住宅ローンや資産形成など保険だけでは解決できないことを痛感し、2011年、独立系FP事務所ファイナンシャルサービス株式会社を設立、代表取締役に就任。金融機関に属さないFPとして顧客目線での問題解決、夢の実現のサポートを行っている。
HP: http://financial-service.jp/

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