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時短勤務だと、みなし残業代は支給されない?育休後の給与の考え方

育休復帰後は、フルタイム勤務ではなく時短勤務を選ぶ方が多いかと思います。
しかし、時短勤務で気になるのは「給与額」。
時短勤務によってどのくらいの給与減が想定されるのでしょうか?
これまでみなし残業代が給与に含まれていた方は、その分はどうなるのでしょうか?

今回は、育休復帰後の給与について考えてみましょう。

【おさらい】みなし残業とは?

みなし残業とは、賃金や手当ての中にあらかじめ一定時間分の残業代を含ませておく制度です。雇用契約書の給与の欄に「月30時間の残業を含む」と書いてある場合、月30時間までの残業に対して残業代は支払われません。

育休後、時短勤務にすると給与がガクンと減る恐れも

フルタイムで働いていたとき、みなし残業代が給与に含まれていた方が育休後に時短勤務に切り替えた場合、給与が大きく減ることがあります。その理由は以下の二点です。

 

1.時短勤務になるとみなし残業代はカットされることが多いから

育休後の時短勤務は、基本的に残業が発生しないことを前提としています。そのため、これまで給与に含まれていたみなし残業代はカットされることが多いのです。

みなし残業代がなくなるうえに働いていない時間分の給与が減額されるため、もとの給料の2/3近くまで支給額が下がる可能性もあります。例えば、フルタイム勤務(8時間)時の給与に月20時間のみなし残業代が含まれていた方が6時間の時短勤務にした場合で考えてみましょう。

みなし残業代20時間÷20日=1日あたり1時間が残業代として支給されている・フルタイム時の給与:1日あたり8時間+1時間分の給与が支給される

・時短勤務時の給与:1日あたり6時間分の給与が支給される

 

この例で言えば、時短勤務にすることによってフルタイム時の給与の2/3まで減額されてしまいます。ただし、これはあくまで給与を時給換算にして杓子定規的に計算した場合です。実際には、職場によって減額の割合などは異なります。

 

2.社会保険料が時短勤務前の給与で計算されているケースがあるから

・所定の申請をしないと、時短勤務で給与が下がっても社会保険料はもとのまま……

社会保険料は、標準報酬月額(毎年4~6月の給与をもとに決定)をもとに計算されます。そのため、何も手続きをせずにいると、時短勤務になって給与が減っても時短前の高い給与水準で社会保険料が引かれてしまう恐れがあります。

こういった払い過ぎを防ぐためには、「育児休業等終了時改定」という制度を利用して所定の届出を。この届出をすることで、復帰後の給与水準に対する社会保険料に変更できます。大きい会社では育休復帰後に申請の準備をしてくれることもありますが、職場によってはご自身で手続きを進める必要があります。育休に入る前に担当者に確認しておくようにしましょう。

 

参照:育児休業等終了時報酬月額変更届の提出
https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo-kankei/menjo/20150407.html

トラブル回避のために、育休に入る前に会社と相談を

育休復帰後の時短勤務での給与計算は、法律で定められているわけではありません。今回ご紹介したのはあくまで例であり、実際のところは会社によって異なります。

前項でご紹介したように給与が大きく減ってしまった方もいれば、「みなし残業代はつかないかわりに、基本給を上げてくれたのでそれほど大きな減額にはならなかった」という方も。

思わぬ減額で困ったりトラブルになったりしないためには、育休に入る前に会社と相談し、育休後の給与についてきちんと把握しておくことが大事です。あわせて、時短勤務における給与計算は会社の給与規定に記載されているはずなので、そちらも確認しておきましょう。

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