【FP監修】旅行中の空き巣被害は火災保険で備えよう!盗難補償の注意点
旅行や出張など、長期にわたって家を空けるときに心配なのが空き巣被害。平成30年に住宅侵入で窃盗被害に遭った割合は、全侵入窃盗の58.4%と半数以上を占めています(警察庁平成30年の刑法犯に関する統計資料より)。万が一、自宅が空き巣被害に遭ってしまったら……。そんなとき、役に立つのが火災保険なのです。
火災保険で組み合わせることができる「盗難補償」とは
火災保険はカスタマイズできるものがほとんどです。基本的な補償内容に、ご自身が必要な補償を組み合わせることができます。
【火災保険の基本的な補償内容】
- 火災
- 落雷
- 破裂・爆発 ※ガス漏れなどにより爆発して窓が割れたときなど
- 風災・雹(ひょう)災・雪災
【組み合わせられる補償】
- 水災
- 破損・汚損
- 盗難
- 個人賠償責任
など
なお、「建物」と「家財」のそれぞれについて「保険金」と実際に被害に遭ったときの「自己負担額」などを決め、別々に設定するのが一般的です。
※加入している火災保険により、建物と家財の補償がセットの場合もあります。
「盗難」に関しては、未遂も含め空き巣などの被害があったときのための補償です。空き巣によりカギ・窓・扉などが壊されたり、門に設置されたオブジェが盗難に遭ったりしたときには「建物」の、現金・電化製品などが盗まれた際には「家財」の盗難補償で保険金を受け取ることができます。
保険金を受け取れないケースも……。火災保険の盗難補償の注意点
火災保険の盗難補償には覚えておきたい注意点がいくつかあります。
火災保険の盗難補償の注意点(1)
盗まれたものが現金、もしくは現金に準ずるもの(小切手・切手・電子マネー等)の場合、限度額は20万円~30万円です。また、通帳や印鑑が盗まれ預金が引き出された場合には「200万円~300万円」もしくは「家財の保険金額のいずれか低い額まで」と限度額が決められています。
※保険会社により限度額に相違がありますので、ご確認ください。
火災保険の盗難補償の注意点(2)
1個30万円を超える貴金属・宝石・美術品などに関しては、契約時に申告し、保険証券に明記しておかなければなりません。これらを明記物件といいます。明記物件として申告をしていないと、盗難被害に遭っても保険金は受け取れません。
火災保険の盗難補償の注意点(3)
自動車やオートバイが盗まれた場合には、火災保険では補償されません(それぞれの自動車保険で補償することは可能)。自転車や原付バイクは対象となる可能性がありますが、出先での盗難は対象外です。ちなみに、家財(カメラなどを含む)を旅行などで持ち出した際に盗難や破損に遭った場合は、「携行品特約」や「持出家財特約」(保険会社により名称は異なります)で補償できます。
もしも盗難の被害にあったときには、まず警察に届けましょう。保険金の請求には警察の証明書が必要です。そして、壊れたものがあれば、直す前に証拠として写真を撮るようにしてください。これは、盗難だけでなく、破損などの損害を受けたときも同様です。
わからないことがあれば、保険会社に確認しましょう。修理を依頼する業者さんにも保険を利用することを伝えれば、被害状況がわかるようにデータを残してくれると思います。
火災保険における「水漏れ・盗難」の保険金の支払いは増加傾向に
火災保険というと火事の補償のイメージがあると思いますが、自然災害の他、水漏れ・盗難などの保険金の支払いは増加傾向にあります。
実は、私自身も自宅の水漏れで洗面台や床などに損害が出たことがありました。火災保険の破損・汚損、もしくは水漏れで保険金を受け取ることができたのですが、残念ながら当時は基本補償のみの加入だったため、保険金支払いの対象にならなかったことがあります。
ただ、保険の補償を手厚くすることで安心を得ることはできますが、その分、保険料は高くなります。盗難補償をはじめ、火災保険はいくつかのパターンで検討すると良いでしょう。
この記事を書いた人
佐々木 茂樹
ファイナンシャルプランナー
1968年、北海道旭川市生まれ。地元の公立高校卒業後、ホテルマン、郵便局を経験。郵便局在職中にAFP資格を取得後、生命保険会社へ転職し、ライフプランシミュレーションを軸にした保険提案を実践。主に住宅購入時の保険見直し相談を行ってきたが、顧客の悩みは住宅ローンや資産形成など保険だけでは解決できないことを痛感し、2011年、独立系FP事務所ファイナンシャルサービス株式会社を設立、代表取締役に就任。金融機関に属さないFPとして顧客目線での問題解決、夢の実現のサポートを行っている。
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