友だちと遊んだり、家族でレジャーに出かけたり、楽しい長期休み。しかし、長期休み明けに不登校になってしまう子どもたちは実は少なくありません。今回は、子どもたちを守るために知っておきたいケアについて考えてみましょう。
長期休み明けに不登校リスク高まる。生活リズムの崩れも主な原因
夏休みや冬休みといった毎年恒例の休暇に加えて、新型コロナウイルス感染拡大の影響によって休校を余儀なくされるなど、特に今年は予想外の長期休みが発生する可能性が常にあるような状況です。
数週間〜数か月にわたって学校が休みになることは、大人が思う以上に子どもにとって大きな影響を与えます。長い休暇を終える頃に心が不安定になる子どもたちが後を絶たず、政府による調査では「夏休み明けに不登校リスクが高まる」といった傾向がデータとして報告されています。
こうした問題の背景には、子どもが「学校に行きたくない」と感じる明確な理由があるケースが挙げられます。
・いじめに遭っている
・友人関係につまずいている
・先生との関係が悪い
・学業に関する悩みを抱えている
しかし、上記のようなトラブルがなくても長期休み明けに不登校になってしまう子どもも一定数います。その主な原因は、休暇中の生活リズムの崩れ。例えば、長期休みの間にこのような生活を送っている場合は注意が必要です。
・常にスマホを手放さない
・ゲームやYouTubeに長時間没頭している
・昼夜逆転の生活が続いている
・食生活のバランスが乱れている
・外へ出て遊ばず、家にこもりがち
そのほか、子どもがまだ小さい場合は、学校そのものに慣れていなかったり、休暇中に親と過ごす時間が増えたことで登校したくなくなってしまったりすることも考えられます。
長期休み中の子どもの様子や不調のサインを見逃さないで
不登校など長期休み明けに起こりがちな問題を防ぐためには、休暇中の子どもの様子や不調のサインを見逃さないことが大切です。特に気をつけたいポイントは以下の通りです。
・朝、起きられなくなっている
・頭痛、腹痛、不眠などの体調不良を訴える
・極端に食欲が増えたり減ったりしている
・攻撃的な言葉を吐いたり、物に当たったりする
・落ち着きがなくなっている
・過度に甘えるようになった
また、子どもの生活を整えるため、休暇中に実践したいポイントも見てみましょう。
・生活リズムを整える
「早寝早起きをする」「決まった時間に食事をとる」など、長期休み中もできるだけ普段と変わらない生活を送ることで、休み明けの生活とのギャップが生まれにくくなります。また、休み前に出される宿題が終わらないことが不登校の一因になることも。早めに宿題を終わらせられるよう、毎日の時間割を決めるのもおすすめです。
・ゲームや動画から離れる時間を作る
どうしても増えてしまうのがゲーム、SNS、動画視聴といったスマホやパソコンを使った遊び。しかし、運動すれば身体が疲れるのと同じように、人間の脳は外部からの膨大な情報にさらされ続けると疲弊してしまいます。スマホやゲームの時間を区切り、人工的な刺激や情報を遮断することでネット依存やゲーム依存の予防につながります。
・声かけや会話の機会を増やす
子どもが長期休みでも、共働きだったり、家事に追われていたりと、親の生活は普段と変わりません。忙しい中でも、できるだけ子どもとの対話の機会を増やすことで、子どもは閉塞感を持ちにくくなり、ストレスが軽減される傾向にあります。
・お手伝いを頼み、家庭での役割を作る
多くの子どもが「役に立ちたい」「頼られたい」という気持ちを持っています。食器を洗ったり、洗濯物を取り込んだり、簡単な家事を子どもの仕事として割り当ててみましょう。毎日のルーティーンとして取り入れることで生活習慣が整う効果も期待できます。
なお、万が一、「学校に行きたくない」と打ち明けてきたとき、子どもを追い詰めるような言動は禁句です。頭ごなしに否定したり叱ったりするのではなく、いったん共感するところから話を始めてみましょう。どうしても学校に行けないのは、子どもが自分と外の世界との折り合いをつける時期だからかもしれません。そう考えた上で「学校の前まで行ってみる」「学校での楽しかった出来事を話してみる」など、焦らずゆっくりと登校と促していくと良いでしょう。
不登校をはじめとした長期休み明けの問題は誰にでも起こりえる
たとえ目に見える問題を抱えていなくても、長期休み明けには何となく不安やプレッシャーを感じる子どもは少なくありません。不登校をはじめとした長期休み明けの問題は誰にでも起こりえることを認識し、そのうえで、しっかりとケアしてあげましょう。
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