教育費破産を防ぐマネー対策「17歳貯金」を始めよう!
教育費が原因で破産――
こんな冗談のような話が現実に起きています。
子どもの将来を真剣に考えた結果、良かれと思って小さなうちから多額の教育費をかけるのは親心かもしれませんが、破産してしまえば本末転倒です。
そこで今回は、教育費破産を防ぐマネー対策についてご紹介します。
教育費のピークは「大学受験前から入学初年度」。この時期に教育費破産のリスク大
「教育費」は、大きく分類すると「学校費(教育・給食)」と「学校外活動費(塾や習い事)」に分かれます。
文部科学省の「子供の学習費調査(平成26年度)」によると、高校まで公立で通った場合の「学校費(教育・給食)」は以下の通り。
・幼稚園:年間138,557円(給食費込み)
・小学校:年間102,404円(給食費込み)
・中学校:年間167,386円(給食費込み)
・高 校:年間242,692円
一見すると大した負担ではない印象を受けますが、これに以下の「学校外活動費(塾や習い事)」がかかります。
・幼稚園:年間 83,707円
・小学校:年間219,304円
・中学校:年間314,455円
・高 校:年間167,287円
【合計】
・幼稚園:年間222,264円 月平均18,522円
・小学校:年間321,708円 月平均26,809円
・中学校:年間481,841円 月平均40,153円
・高 校:年間409,979円 月平均34,164円
習い事などの学校外活動は子どもの可能性を伸ばし、笑顔をもたらします。とはいえ、その費用が家計に大きくのしかかるのも事実なのです。
また、教育費のピークは「大学受験前から入学初年度」に迎えるため、この時点で教育資金が無ければ教育費破産のリスクが高まります。というのも、見落とされがちですが「大学受験前から入学初年度」の時期は、イレギュラーな支出が多く発生するからです。
高校2年生の冬から受験勉強を本格的に始めて塾に通い出せば、毎月の月謝だけでなく夏期講習代や冬期講習代、模試の受験料などがかかります。さらに、高校3年生の夏休み明けには早々に大学の推薦入試がスタート。受験料は1校平均35,000円で、3校受験すればそれだけで100,000円を超えることとなります。そして推薦で見事合格した場合、合格通知を受け取った後はすぐに大学1年生の前期授業料ならびに入学金を収めなければなりません。
これからのキャンパスライフに胸を躍らせる我が子とは裏腹に、親は家計も気力もフラフラに……ということにもなりかねないのです。
学資保険とは別に、子どもが生まれたら「17歳貯金」を!
教育資金は、学資保険などで用意するのが一般的です。しかし、それらの満期は18歳であることがほとんど。
上述したように教育費のピークは高校2年生の冬休みから始まるので、学資保険が満期を迎える前にピークがやってきます。また、子どもの誕生日によっては、大学の入学時に満期を迎えていないケースもあるでしょう。
そのため、教育費のピークを万全に迎えるためには「細く長い備え」が不可欠です。学資保険とは別に、子どもが生まれたときから「17歳貯金」を始めましょう。
0歳から貯金を始めたとすると、17年×12か月で204回も貯金できます。高校3年の1年間の塾代+受験料+大学1年生前期授業料+入学金として約150万円を目標にした場合、1,500,000円÷204回で1か月の貯金額は7,352円。
ひとまずの目標を100万円に設定するなら、1か月あたりの貯金額は4,901円(1,000,000円÷204回)で済みます。
今からでも遅くない!教育費破産を防ぐには「細く長い備え」が大切
決まったゴール(目標金額)までの道のりは、長ければ長いほど、月々の負担は軽くなります。「もう3歳になってしまったから遅いかも……」なんてことはありません。気づいた今から「17歳貯金」を始めてください。
教育費破産を未然に防ぐには、教育費のピークに慌てないように、子どもが幼いうちから備えを少しずつ(細く)続ける(長く)ことが大切です。
この記事を書いた人
村田淑子
ファイナンシャルプランナー
外資系保険会社にて保険業務に携わる傍ら、セミナーインストラクターとしてマネープランセミナーや相続セミナーなど多数開催。1927年に発足した、卓越した生命保険と金融サービスの専門家による国際的かつ独立した組織Million Dollar Round Table (MDRT)の会員でもある。プライベートでは、前職時代からフルキャリアながら、幼稚園役員、PTA、子ども会の役員などを14年間歴任。世界遺産検定や語彙力検定、マナープロトコールといった資格も持つ。
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