【FP監修】住宅ローン申し込みから引き渡しまでの基本的な流れを解説!準備するものや注意点は?
夢のマイホームを手に入れるには、細かい手続きを行なっていかなければなりません。買主自身で準備しなければならない書類も多く、やるべきことをきちんと整理しておかないと、引き渡しまでのスケジュールに支障をきたす恐れもあります。
今回は、住宅ローン申し込みから引き渡しまでの基本的な流れを解説しましょう。
住宅ローンの事前審査からマンションの引き渡しまで。5つのステップ
まずは、大まかな流れを見ていきましょう。
1. 住宅ローンの事前審査(仮審査)
利用する住宅ローンを決めたら、事前審査(仮審査)に申し込みます。今ではWeb上で申し込みが可能な金融機関もあり、かなり手軽になりました(店舗型の金融機関では、窓口で申し込まなければならないケースもあります)。
事前審査(仮審査)では、年齢・返済比率・物件の担保評価などが大まかに審査され、一般的には3~4日程度で結果がわかります。
ただし、事前審査を通ったからと言って、実際に融資してもらえるとは限りません。
2. マンションの売買契約
事前審査(仮審査)が通ると、マンションの売買契約を行います。
「融資の本審査前に売買契約?」と不思議に思われるかもしれませんが、本審査には、購入するという事実や購入物件の詳細の資料が必要なため、この順序が一般的です。
3. 住宅ローンの本審査
事前審査(仮審査)同様、申込書や必要書類を準備して本審査に申し込みましょう。店舗型の金融機関だと窓口で申し込むケースが多いですが、Web上で完結できる金融機関もあります。
4. 金銭消費貸借契約
融資が決まったら、「金銭消費貸借契約」を行います。金銭消費貸借契約(金消契約)とは、お金の貸し借りに関する契約のことで、つまり金融機関との住宅ローンの契約です
この日は来店もしくは指定場所へ担当者が訪問するなど、必ず金融機関の担当者と面談し、本人確認のうえ、実施します。
5. 融資実行とマンションの引き渡し
金消契約後、金融機関の融資の準備が整うと、融資実行とマンションの引き渡しです。この日に司法書士などの専門家により、抵当権設定などの登記の手続きが行われ、晴れてマンションの持ち主になります。
住宅ローン審査や売買契約・金銭消費貸借契約の注意点
では、それぞれの段階で、どういったことに注意すれば良いのでしょうか。
1. 住宅ローンの事前審査(仮審査)
【準備するもの】
・運転免許証など本人確認書類
・健康保険証など勤続年数が確認できる書類
・源泉徴収票などの収入に関する書類
・他の借入の返済予定表など借入金額がわかる書類
・パンフレットなど購入する物件に関する資料
・事前審査の申込書
など
※法人の代表などの場合は、法人の決算に関する書類も必要
この時点で審査が通らない場合は、根本的な部分で借入が難しいと考えられます。収入に対する購入物件の予算や他の借入の完済などを検討する必要があるでしょう。
2. マンションの売買契約
まだ住宅ローンの本審査の結果がわかっていない段階です。売買契約時は、本審査が通らなかったときには違約金が発生せずに契約を白紙解除できる「住宅ローン特約」が盛り込まれているか、忘れずに確認しましょう。
印紙代は当日必要な場合と最後にまとめて清算する場合があるので、事前にご確認ください。
3. 住宅ローンの本審査
【準備するもの】
※事前審査時より詳細を確認できる資料を求められることがあります(金融機関により提出済みのものは提出不要であることも)
・運転免許証など本人確認書類
・健康保険証など勤続年数が確認できる書類
・源泉徴収票などの収入に関する書類
・公的収入証明書
・他の借入の返済予定表など借入金額がわかる書類
・売買契約書・重要事項説明書や物件の詳細な資料
※建築確認済証・建物図面・平面図・配置図・立面図・土地全部事項証明書(登記簿謄本)など(不動産業者が準備してくれることが多い)
・団体信用生命(団信)保険告知書
・本審査の申込書
など
※法人の代表などの場合は、法人の決算に関する書類も必要(事前審査と同様)
事前審査に比べてかなり細かな審査が行われるため、結果が出るまでに1週間以上はかかると考えておいてください。なお、健康状態により団信に加入できない場合には融資を受けられない金融機関も多くあります(事前審査の時点で健康状態の確認があるケースも)。
ちなみに、金融機関により審査~融資までの期間は異なります。一般的にネット銀行系は時間がかかる印象です。余裕を持って金融機関の選択や申し込みを行うことで住宅ローンの選択肢が増えますので、早めの準備をおすすめします。
4. 金銭消費貸借契約
【準備するもの】
・印鑑証明書
・住民票(家族全員分)
・実印
・返済口座の通帳や銀行印
・収入印紙(印紙代を支払うケースもあり)
・契約書類一式
など
司法書士が抵当権設定や所有権移転などの手続きを行います。同席する場合、専門家との日程調整が必要です(司法書士への委任状を準備し、同席しない場合もあります)。
5. 融資実行とマンションの引き渡し
融資実行・引渡しまでに火災保険に加入しておかなければいけません(融資実行当日でもOK)。
本来、融資実行時に自分の口座に融資金が振り込まれ、各支払先に振り分けて支払う必要がありますが、金消契約時に融資実行日の振込伝票を記載しておくことで、当日立ち合いをせずに振り込みの対応をしてくれる金融機関もあります。
そして、購入前から物件の確認はしていると思いますが、引き渡し時にも設備などについて説明をしっかりと受けましょう。
担当者との「相性」も、物件選びや住宅ローン選びの検討材料のひとつに
マンションの引き渡しに至る過程では、金融機関との契約など、あまり経験したことのない手続きをたくさんクリアしていかなくてはいけません。大変に感じるかもしれませんが、不動産業者や金融機関の担当者との関係性により、不安やストレスが緩和されることもあります。担当者との「相性」も、物件選びや住宅ローン選びの検討材料のひとつにしてみてはいかがでしょうか。
この記事を書いた人
佐々木 茂樹
ファイナンシャルプランナー
1968年、北海道旭川市生まれ。地元の公立高校卒業後、ホテルマン、郵便局を経験。郵便局在職中にAFP資格を取得後、生命保険会社へ転職し、ライフプランシミュレーションを軸にした保険提案を実践。主に住宅購入時の保険見直し相談を行ってきたが、顧客の悩みは住宅ローンや資産形成など保険だけでは解決できないことを痛感し、2011年、独立系FP事務所ファイナンシャルサービス株式会社を設立、代表取締役に就任。金融機関に属さないFPとして顧客目線での問題解決、夢の実現のサポートを行っている。
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