本格的な冬が到来。体調不良を引き起こすウイルスは、乾燥した冷たい空気の中で活性化します。つまり、冬を健康で過ごすためにウイルス対策は欠かせないのです。
今回は、子どもや乳幼児がかかりやすい、冬の三大感染症の原因であるノロウイルス、インフルエンザウイルス、RSウイルスのそれぞれの特徴や予防法についてご紹介します。
冬の三大感染症(ノロウイルス・インフルエンザ・RSウイルス)の症状と注意点
まずは各感染症の症状や注意点などを見ていきましょう。
【ノロウイルス】
ノロウイルスは、主に手指や食品などを介して経口で感染し、嘔吐、下痢、急性胃腸炎の原因となります。調理前、食事前、トイレ後などに手洗いをすることと、加熱が必要な食品は中心部まで火を通すことが大切です。
専門薬はありませんが、口が渇いたり、尿の量が少なかったりという脱水症状が見られる場合は、必ず医療機関を受診しましょう。また、下痢止めは、病気の回復を遅らせてしまう可能性があるため、自己判断での使用を控えた方が無難といわれています。
さらに、家庭内での二次感染を防ぐためにも、オムツや嘔吐物などの処理は細心の注意を。「下痢便を流すときはトイレの蓋をして流す」「嘔吐物の処理後は手袋を着用の上、塩素系漂白剤を使って周囲を消毒する」ということを徹底してください。
【インフルエンザウイルス】
インフルエンザとは、口や鼻から入ったインフルエンザウイルスが、喉の粘膜などで増殖して起こる急性の呼吸器感染症のことです。普通の風邪と違って、38℃以上の高熱や、倦怠感などの全身症状が伴います。
感染は、くしゃみや咳などによる飛沫感染と、手やドアノブなどを介してうつる接触感染の2種類。「予防接種を受ける」と「人が多く集まる場所に出かけた後は、うがいや手洗いをする」を心がけましょう。
発症後48時間以内であれば、抗インフルエンザ薬を摂取することにより、ウイルスの増殖を抑制することができます。発症してすぐは検査で陽性が出ない場合がありますので、発症6時間以上48時間以内に受診するのが良いでしょう。
【RSウイルス】
RSとは「Respiratory Syncytial(呼吸器の合胞体)」の略。ウイルスに感染すると、呼吸器の細胞が腫れてひとつになるため、そう名づけられました。
発症の中心は0〜1歳児で、症状としては、軽い咳から細気管支炎や肺炎などさまざま。ただ、低出生体重児や心臓に病気を持っている子どもは重篤化する危険性が高く、注意が必要です。
RSウイルス感染症は、インフルエンザと同じく飛沫感染と接触感染により広がります。予防のためには、こちらも外出後の手洗いを徹底することが大事。また、この感染症にもワクチンや専門薬はありません。通常は数日から1週間程度で回復するでしょう。
免疫力アップに効果がある食材は?子どもでも食べやすい5つの工夫
上記からわかるように、感染症予防にはうがい、手洗いが大切なのは言うまでもありません。それに加えて、免疫力をアップさせることがとても重要です。
食事を通して免疫力を高めるためには、腸内環境を整えることから始めましょう。実は、体内の免疫力の60〜70%は腸にあるといわれています。食材には病原菌やウイルスが付着している危険性もありますが、腸内環境が良好であれば、そうした有害なものが身体の中に侵入することを防いでくれるのです。
腸内環境を整えるためには、味噌やヨーグルトなどの善玉菌そのものを摂取すると同時に、善玉菌のエサとなる食物繊維をたっぷりと摂りましょう。納豆、ヨーグルト、チーズ、味噌、海藻、キノコ、大麦、玉ねぎなどがおすすめです。子どもが食べやすいように、以下のような工夫をすると良いでしょう。
1. ご飯を炊くときに食物繊維が豊富な大麦や押麦をプラスする。
(味を変えずに栄養価がアップ)
2. ワカメや根菜などが入った具沢山味噌汁を作る際は、子どもが苦手な食材を小さく切る。
3. 納豆が苦手な子どもには、玉ねぎ・さつま芋を混ぜて、かき揚げにする。
(揚げると、納豆の臭みはそれほど気にならなくなります)
4. 食物繊維が豊富なおからをハンバーグにする。
5. 間食や食後のデザートにヨーグルトを取り入れる。
(整腸効果の高いバナナ、リンゴ、きな粉などをプラスしましょう)
もちろん腸内環境を整えるためとはいえ、同じ食材ばかり食べるのはよくありません。旬の野菜や魚類を食べることは栄養面だけでなくおいしさの面でも効果的。食事を楽しみながら、免疫力アップにつなげましょう。
免疫力を高めておくことが感染症の予防に有効!
感染症のピークは、寒い冬です。今のうちから免疫力を高めておくことが感染症の予防に有効な手段です。
うがい、手洗い、睡眠、適度な運動と合わせて、免疫力を高める食事を心がけ、家族の健康を守りましょう。
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