マンションのご近所トラブルで、最も原因になりやすいのは足音や話し声、テレビの音などの「生活音」です(※1)。自宅でストレスを抱えないためにも、隣人との騒音トラブルは避けたいもの。そのためには、自宅の防音対策をしっかりすることが大切です。
今回は、自分でできるマンションの防音対策をご紹介します。
(※1)平成30年度マンション総合調査結果(国土交通省)
騒音の種類と特徴
「騒音」と一口に言っても、実は種類があることをご存知でしょうか?
騒音は、音の伝わり方によって「固体伝播音」と「空気伝播音」の2つに分けられます。効果的な防音対策をするためにも、それぞれどのような特徴があるのか、どのような音が含まれるのか、まずは確認しておきましょう。
【固体伝播音】
床や壁、水道の配管といった「固体」が振動して伝わる音を「固体伝播音」と呼びます。
・走り回る子どもの足音
・ソファやベッドから飛び降りる音
・ドアを閉める音
・モノを落とした音
・椅子を引く音
・洗濯機を使っている時の振動音
・トイレの水を流す音
など
こうした「固体伝播音」は「空気伝播音」よりも他の住戸に伝わりやすく、騒音トラブルにつながりがち。なぜなら、固体は空気などの気体よりも音を遠くまで伝えやすく、さらにマンションの場合は、床や壁、配管などが他の住戸とつながっているからです。
【空気伝播音】
空気が振動して伝わる音を「空気伝播音」と呼びます。
・テレビや音楽の音
・子どもが騒ぐ声
・犬が吠える声
・楽器の音
など
「空気伝播音」は、音の発生源から離れれば離れるほど小さくなります。また、壁やドア、カーテンなど遮るものがあると、さらに音は小さくなるという特徴があります。そのため、「空気伝播音」は「固体伝播音」よりも対策しやすいといえるでしょう。
「固体伝播音」と「空気伝播音」で異なる防音対策
防音対策には大きく、音を遮って小さくする「遮音」と音を吸収して小さくする「吸音」の2種類の方法があります。騒音の原因が「固体伝播音」か「空気伝播音」かによって、望ましい対策法が異なります。
【「固体伝播音」は「遮音」で防音対策を】
足音やドアを閉める音などの「固体伝播音」は「遮音」することで防音対策ができます。
1.防音マット・カーペット
小さな子どもがいると、走り回ったり、飛び跳ねたりするときの音が気になることも多いでしょう。フローリングの床は畳よりも音が響きやすいため、防音対策は必須です。
音が気になる場所には、防音マットや防音性能のあるカーペット、コルクマットなどを敷いて「遮音」することが基本。大きな音が下の階に響くことをある程度防ぐことができます。部屋の形に合わせて組み合わせることができる「ジョイント型の防音マット」がおすすめです。
2.防振マット
洗濯機を早朝や夜遅くに使うのは、騒音トラブルのもとになりがち。しかし、仕事などでバタバタしていると、そうした時間にしか洗濯できないこともあるでしょう。
そういう場合には、洗濯機の下に防振マットを敷きましょう。洗濯機の振動が抑えられ、音が軽減されます。
3.防音テープ
ドアや引き戸を閉める音は意外と響くもの。ゆっくり閉めれば問題ないですが、仕事に家事に忙しくしていると、つい大きな音を立てて閉めてしまうこともあるでしょう。
そうした音を防ぐには、ドアの木枠に防音テープを貼るのが効果的。木枠の一部に貼るだけでも音を軽減してくれます。
【「空気伝播音」は「遮音」「吸音」で防音対策を】
人の声やテレビの音などの「空気伝播音」は「遮音」と「吸音」のどちらでも対策することができます。
1.防音カーテン
騒ぐ声やテレビの音、犬の吠える声などの防音対策には「防音カーテン」を活用しましょう。窓から漏れ出る音を防ぐことができます。
防音カーテンには特殊な生地が使われており、遮音と吸音、両方の効果があります。特にピアノの音や子どもや女性の声といった少し高めの音域に対して効果的です。
2.吸音材・吸音パネル
「音楽や映画を臨場感のある音で聞きたい」「楽器の練習をしたい」という場合、壁に「吸音材」や「吸音パネル」を設置しましょう。音漏れを防ぐだけでなく、音の反響を抑え、音をクリアにする効果もあります。
賃貸マンションの場合は、大掛かりな工事が不要で取り外しが簡単にできるものを選ぶと良いでしょう。
3.すき間テープ
人の話し声や笑い声などの「空気伝播音」は、ドアに隙間があると、そこから室内の音が漏れ出ることがあります。ドアに隙間テープを貼ることで遮音の効果が期待できます。
防音対策で快適な暮らしをキープ!
生活するうえでどうしても出てしまう、さまざまな「生活音」。ご近所トラブルを避け、快適な暮らしを守るためにも、しっかりと防音対策しましょう。
ご紹介した対策を試してみてくださいね。
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