赤ちゃんの肌は、つやつや弾力があって、思わず頬ずりしたくなりますよね。「美肌」の代名詞ともいえる赤ちゃんの肌ですが、実は皮膚が薄くて乾燥しやすいという一面もあるのです。
今回は、新生児の肌の特徴を踏まえながら、保湿の方法をご紹介します。
生後2〜3か月経った赤ちゃんの肌は「人生で一番乾燥しやすい」
まず、赤ちゃんの肌の変化を見ていきましょう。
新生児の肌は、皮脂が多めです。生後4週間ぐらいまでの赤ちゃんの肌は、肌を保護する成分(胎脂)で守られています。この胎脂は、妊娠6か月頃からお腹の中の赤ちゃんの肌を覆い始めると、胎児を守るだけでなく、スムーズな分娩をサポートしてくれます。また、生まれてからしばらくの間は、新生児の肌を乾燥や感染から守る「天然の保湿成分」としての役割も果たしてくれるのです。
ただ、生まれて間もない新生児期は、皮脂の分泌が多いため、乳児脂漏性湿疹が起きることがあります。ほとんどの場合、石鹸で丁寧に洗って清潔にしておけば、生後8〜12か月頃までには完治しますので、積極的な治療は不要です。赤みやかゆみなどの炎症を伴っていたり、症状が長引いたりしているのであれば、小児科で外用薬をもらうようにしましょう。
生後2〜3か月経つと、胎脂が落ちてきて、皮脂の分泌も落ち着いてきます。その結果、肌が水分を保持しにくくなるため、「人生で一番乾燥しやすい」と表現される時期に突入します。そうなると、乾燥トラブルに注意が必要です。
乳児の肌の厚みは、成人の約半分しかなく、水分量は大人の3分の2、皮脂量は大人の半分といわれています。肌の内側から水分が蒸発しやすいうえ、汗やよだれなど、外部刺激の影響を多く受けやすい状況なのです。
赤ちゃんの肌に、以下のような症状が見られたら注意するようにしましょう。
・肌がカサカサしている
肌にカサつきがある場合は、バリア機能が働かず、水分が逃げてしまっています。しっかり洗浄し、保湿することが大切です。
・乾燥性湿疹が出ている
肌の乾燥が原因でバリア機能が低下し、それが赤み、ブツブツ、かゆみへとつながります。赤ちゃんが肌をひっかいてしまって、治りが遅くなることも。洗浄と保湿というルーティン以外にも、小児科や皮膚科の受診をおすすめします。
何を?いつ?どのように?どれくらい?赤ちゃんの乾燥肌をケアする保湿対策
では、赤ちゃんの保湿対策は、どのようにすれば良いのでしょうか?
【何を?】
赤ちゃん用の保湿剤には、ローション、クリーム、オイルタイプなど、いくつか種類があります。暑い夏の日はサラサラした使用感のローションタイプ、乾燥しやすい冬は保湿成分の比率が高いクリームやオイルタイプがおすすめ。「全身には伸びが良いもの」「顔や手足には油分が多いもの」と使い分けるのも良いでしょう。
また、赤ちゃんの肌はデリケートなので、保湿剤は低刺激性のものを選ぶというのも大切なポイント。防腐剤、香料、着色料などの添加物が入っていない製品を選びましょう。「パッチテスト(アレルギーテスト)済のもの」であれば、より安心。大人が使っているものをそのまま使うことはせず、「ベビー用」と表示されたものを購入してください。
とはいえ、赤ちゃんの肌にも個性はあります。オーガニックといっても、その植物成分がアレルゲンになることも。初めて使うときには腕や足の一部に塗り、赤みやかゆみが出ないかを2〜3日確認してから、全身に使うようにしましょう。赤ちゃんの肌にいつもと違う様子が見られたら、一旦使用を停止し、必要があれば医療機関に相談してください。
【いつ?】
保湿対策は、肌が乾燥しやすいタイミングで行いましょう。
・起床時:寝汗を拭き取って、1日のバリア機能を強化しましょう。
・入浴後すぐ:皮脂が洗い流された状態ですので、入浴後5分以内に保湿対策をしてください。
・オムツ替え:保湿は、オムツかぶれを防ぐ効果もあります。
・外出前後:紫外線で肌が乾燥しますので、予防とアフターケアが欠かせません。
・汗を拭き取ったり、口元を拭いたりした後:摩擦で肌が乾燥しやすくなっています。
【どのように?】
保湿剤は、顔や身体の何か所かにつけて、ゴシゴシこすらず、やさしくスーッと伸ばしてください。肌に膜を作るようなイメージで広げていきます。
シワや指の間も忘れずに。身体に塗る方向は一方方向で、首からおしり、腕や脚は付け根から指先に向かって伸ばしていきましょう。
【どれくらい?】
保湿剤の量は、ローションなのかクリームなのか、赤ちゃんの身体の大きさや肌の状態によっても異なります。ローションであれば赤ちゃんの顔に5円玉大、おなか側と背中側にそれぞれ500円玉大くらいが目安です。塗った後、肌がツヤツヤ光るくらいが適量。「ティッシュが貼りつくくらい」塗っても大丈夫です。
適切な保湿が、トラブルの起きにくい一生ものの肌を育てる!
赤ちゃんの夜泣きや授乳など、新生児のお世話はただでさえヘトヘトになってしまいます。そのうえ、朝晩の全身保湿ケアまで加わるのは、慣れるまでは大変かもしれません。
けれど、毎日少しずつでもケアしてあげることが、日々の肌トラブルを防ぐだけではなく、トラブルの起きにくい一生ものの肌を育てることにつながります。保湿剤は「持ち運びしやすい容器」「片手で開けられるキャップ」「のびが良くて塗りやすい」「気軽に注文できる」など、ストレスなく続けられるものを選び、毎日の保湿ケアを習慣にしましょう。
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