豪雨や台風、地震など自然災害が多い日本。災害への備えは必須といえます。中でも大切なのは、エネルギーの元となる「食」への備え。
今回は、日常生活の中で気軽に非常食の備えができる「ローリングストック」についてご紹介します。
ローリングストックとは?注目されている背景やメリット
「ローリングストック」とは、毎日の生活の中で食べているものを多めにストックしておき、食べた分を補充する、災害時の食に備える方法です。
無理なく取り組める備えとして、農林水産省の「家庭備蓄ポータル」で紹介されたことをきっかけに注目されるようになりました。想定外の自然災害が以前よりも増えていることもあり、ローリングストックへの関心は日々高まっています。
まずはローリングストックにはどのようなメリットがあるのか、見てみましょう。
1.期限切れしにくい
非常食を備える場合、年単位で長期間保存できるものを防災リュックに入れて押し入れなどにしまっておくことが多いのではないでしょうか。日本は災害が多い国とはいえ、非常食が必要になるほどの状況になることは稀。押し入れなど普段見えないところに置いてあると、「気づいたら賞味期限が切れていた」ということになりがちです。
ローリングストックであれば、いつも使う食品として管理しやすく、賞味期限切れになりにくいというメリットがあります。
2.災害時に食べ慣れたものを食べられる
災害時には大変なストレスがかかるため、食べ慣れないものには食指が動かなくなりがちです。よく食べているものをローリングストックしておけば、普段と同じものを食べられるため、災害時のストレス緩和につながります。
3.割高な長期保存の食品を買わなくて良い
非常食用の水やパン、レトルトといった長期保存できる食品は、年単位で長期間保存ができる一方で、金額は高めです。一気に家族分を揃えるとなると大きな金額になるでしょう。
反面、スーパーで売っているいつも使う食品であれば、安くなっているタイミングで少しずつ買い増し・買い足しするなど、家計にあまり負担をかけずに備えることができます。
どう始める?失敗しない「ローリングストック」のコツ
では、どのようにローリングストックを始めたら良いのでしょうか。初心者でもスムーズにできるよう、ローリングストックをする際の「食品を選ぶコツ」と「ストックを管理するコツ」を解説します。
【食品を選ぶコツ】
・常温保存でき、賞味期限が長めのものを選ぶ
非常食が必要となるような災害時には停電していることが多いため、冷蔵庫に入れないといけないものは避けましょう。
缶詰類やレトルト食品、乾麺、乾物などは常温で保存できて、賞味期限が長いです。賞味期限が買った時点から半年以上あるものを選ぶと良いでしょう。
・簡単に食べられるものを選ぶ
災害時にはガスや電気、水道が止まり、料理することは難しくなります。そのため、缶詰やお菓子などを準備しておきましょう。
また、余裕があれば卓上コンロとガスボンベを用意しておくのがおすすめです。レトルト食品やパック入りご飯を温めたり、フリーズドライの汁物やインスタント食品を作ったりできるため、災害時の食事の幅が一気に広がります。
・自分や家族が好きなものを選ぶ
大きな災害に遭うとショックが大きく、食欲がわかないことも。そんなときに好きな食べ物があると、喉を通りやすくなります。気分が上がるようなお菓子や、レトルトカレーやカップラーメンなど、自分や家族が好きなものをいろいろと取り揃えておきましょう。
飲み物も水だけでは飽きるため、ジンジャーエールの素やゆずなどの果汁、炭酸水、コーヒー・紅茶なども選んでおくと良いでしょう。
・栄養バランスを考えて選ぶ
心身ともにストレスがかかる災害時には、健康を維持するためにも栄養バランスにも気を配りたいものです。特に野菜は不足しがちになるので、煮物の缶詰やコーン缶、パックの野菜ジュース、フリーズドライの野菜スープ、乾燥わかめや乾燥野菜など、簡単な調理で食べられるものをストックしておきましょう。
同じ種類のものをたくさんストックするよりは、幅広くストックすることで栄養バランスが取りやすくなります。
・家族の人数×1週間分用意する
災害時の非常食は「最低3日分を備えておくと良い」と聞いたことがある人も多いでしょう。ただ、物流が止まるような大規模災害の場合、災害支援物資の到着が3日以上かかったり、3日経ってもスーパーやコンビニで食品が買えなかったりといった事態も想定されます。
そのため、1週間分の非常食と水を備えておくとより安心です。水を調理にも使う場合には、1週間分よりも多めにストックしておくと良いでしょう。
【ストックを管理するコツ】
・目につくところに保管する
ストック品は、できるだけ目につくところに保管しておきましょう。あまり開かない棚などにしまうと「気がついたら賞味期限が切れていた」ということにもなりかねず、元も子もありません。定期的に見る場所であればOKです。
・古いものから使う
ローリングストックは、賞味期限の前に食べ切ることが鉄則。「古いもの=賞味期限が近いもの」から食べていきましょう。間違えて新しいものから食べてしまわないよう、「賞味期限が見えるように保管する」「次に食べるものは、別のカゴに入れておく」「賞味期限が近い順に並べて置く」など管理しやすいように工夫してみてください。
・使ったらすぐ補充する
ローリングストックとして備蓄しているものは、使ったらその都度買い足すことを忘れないようにしましょう。災害は、いつ起こるかわからないもの。ちょうどストックがなくなったタイミングで災害が起こるといったことを防ぐためにも、小まめな補充を意識してください。
ローリングストックで無理なく災害に備えよう!
ローリングストックは、気軽に始められる防災対策のひとつです。少しずつでも良いので、家族分×1週間分になるまで食品ストックを増やしてみてください。いつ起こるかわからない災害に備えて、思い立ったときに始めましょう。
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