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住まいの基本知識

物件の選び方や、住宅ローンの組み方などの住宅購入に関する
基本的な知識や暮らしの雑学・知識をご紹介します。

身近になった相続税。マンションの相続税評価額を知っておこう!

数年前の「相続税改正」によって、相続は多くの人にとって身近な問題となりました。

 

「うちは相続なんて関係ない!」

 

そう思っている人も少なくありませんが、以前よりも相続税非課税枠が小さくなったため、今までは相続税を支払わずに済んだ層にも相続税が課税されるケースが増加しているのです。

 

これからマイホームを購入されるのであれば、いつか起きるかもしれない相続のために、マンションの相続税評価額の仕組みについて知っておいて損はありません。

預貯金だけじゃない!自宅マンションも相続税の課税対象に!

 

相続税の非課税枠は、以下のように計算します。

 

相続税の非課税枠=3,000万円+(法定相続人の数×600万円)

 

例えば、夫婦と子ども1人の3人家族で、夫にもしものことがあった場合、法定相続人は「妻」「子ども」の2人となるため「3,000万円+(2人×600万円)」となり、非課税枠は4,200万円です。

 

この金額を見て「そんなにお金を貯めてないから大丈夫!」と思ったかもしれませんが、相続税の計算をするときには、現預金の他、不動産(自宅マンションなど)なども加算されます。

 

住宅ローンを組んで購入したマンションに住んでいると仮定すると、一般的に住宅ローンの名義人は団体信用生命保険(団信)に加入しているため、名義人本人にもしものことがあると、その時点の住宅ローン残高が0になりますが、その場合、自宅の相続税評価額の満額が相続税の計算に加算されることに。※団信などに加入せずに住宅ローンを組んでいる場合、残債があれば、基本的に相続税評価額から住宅ローン残債は差し引かれます。

 

このように、自宅マンションも相続税の課税対象になるため、万が一に備え、その評価額についてはあらかじめ知っておきましょう。

マンションの相続税評価額の計算方法

それでは、マンションの相続税評価額は、どのように計算すれば良いのでしょうか?

 

不動産の相続税評価額を試算するには、土地と建物それぞれの金額を算出する必要があります。

 

◆マンションの建物部分

固定資産税納税通知書の固定資産税評価額が建物部分の相続税評価額です。

 

◆マンションの土地部分

まず、マンション全体の土地の相続税評価額を計算します。計算方法は「路線価」が定められているかどうかで異なります。

 

(1)路線価が定められている地区は「路線価方式」

⇒マンション全体の土地面積×路線価(土地の形状等により補正率等あり)

 

(2)路線価が定められていない地区(郊外)は「倍率方式」

⇒マンション全体の固定資産税評価額×倍率

 

※路線価および倍率は国税庁のHPで確認することができます。http://www.rosenka.nta.go.jp/

 

次に、マンション全体の土地評価額に自己所有1室分の「敷地権の割合」をかけます。※敷地権の割合は、登記簿謄本の表題部に記載があります。

 

最後に、建物部分の土地部分の評価額を加算しましょう。これで、自宅マンションの相続税評価額がわかります。なお、一般的には、土地は公示価格(売買価格の目安)の80%程度、建物は70%程度で評価されます。

※参考:国土交通省 土地の価格について-初めての方へ

マンションは、相続税をより低く抑えられる?

 

不動産は時価よりも低く評価される傾向にあるため、預貯金など現金よりも不動産の方が相続税評価額は小さくなり、ひいては相続税の支払額が減る可能性が高くなります。

 

また、建物部分は経年により、その価値がどんどん減っていきますが、土地部分は経年による価値の減少はほとんどありません(周辺状況により価値が変わることはありえます)。

 

このことから、マンションは土地評価額を戸数全体で分けて試算するため、一戸建て住宅と比べ相続税をより低く抑えられるといえるでしょう。

 

いつ発生するかわからない相続。その対策としてマンションをマイホームに選ぶのも悪くない選択です。

この記事を書いた人

佐々木 茂樹

ファイナンシャルプランナー

1968年、北海道旭川市生まれ。1986年に旭川北高校を卒業、旭川市内の老舗ホテルに勤務。1988年より道内の郵便局に転職、郵便・貯金・保険業務を経験。在局した17年間のうち10年間保険業務に携わり、その間にAFP、2級FP技能士資格を取得。2006年より、三井住友海上きらめき生命でファイナンシャルコンサルタントとして勤務。2011年、同社を退職し、ファイナンシャルサービス株式会社を設立。

■HP:http://financial-service.jp/

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