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住まいの基本知識

物件の選び方や、住宅ローンの組み方などの住宅購入に関する
基本的な知識や暮らしの雑学・知識をご紹介します。

【FP監修】住宅ローンの「ミックスローン」とは?メリットとデメリット・注意点を解説!

住宅ローンを選ぶ際、 固定金利か変動金利のどちらにするかは迷うところですが、 そんな中、「ミックスローン」という選択肢がにわかに注目を集めています。

今回は、ミックスローンのメリットとデメリット・注意点について解説します。

ミックスローンとは?

ミックスローンとは、変動金利と固定金利を組み合わせて住宅ローンの借入を行うものです。

※金融機関により名称は異なります。

 

変動金利は基本的に半年ごとに金利の見直しが行われるため、経済状況などによっては将来的に金利が変動する可能性があります。対して固定金利は、当初に決められた期間中は経済状況などにかかわらず、金利は変動しません。

ちなみに固定金利には、借入期間中ずっと金利が変わらない「全期間固定金利」のほか、「3年」「10年」といったように期間が決められたものがあります。

なお、金融機関によってはミックスローンの組み合わせが決まっていますが、自由に金利タイプと借り入れる割合を選択できるところもあります。実際は、変動金利と全期間固定金利を組み合わせて借入するパターンが多いようです。

固定金利と変動金利のリスクを緩和できるミックスローンのメリット

一般的には固定される期間が短いほど金利が低く設定されているため、全期間固定金利よりは10年固定金利、10年固定金利よりは変動金利のほうが金利は低くなっています。

このことを踏まえ、いくつかのパターンで支払う利息を比較してみましょう。

 

【例】

・借入額:4,000万円

・借入期間:35年

・元利均等返済、ボーナス返済なし

・全期間固定金利:1.6%

・当初変動金利:0.4%

・ミックスローンは全期間固定金利と変動金利半分ずつ借入(2,000万円ずつ)

金利が上昇しない場合で比較すると、全期間固定金利で借りたパターン1の利息は12,265,690円ですが、現時点で利息が低い変動金利で借りたパターン2の利息は2,871,754円となり、大きな差があります。

ただ、今後景気が良くなるなどして変動金利が右肩上がりとなったパターン3では利息は15,878,751円となり、全期間固定金利のほうが利息は少なくなります。

ここで、ミックスローンで借りた場合を見てみましょう。

金利が上がらない場面で比較すると、パターン4の利息(7,568,466円)はパターン1の全額全期間固定金利で借りるもの(12,265,690円)より安くなることがわかります。

また、金利が大きく上昇する場面で比較しても、パターン5の利息(14,071,691)のほうがパターン3の全額変動金利で借りるもの(15,878,751円)より抑えられています。

つまり、ミックスローンで借入すれば、固定金利か変動金利の一方を選ぶことで被るかもしれないリスクを緩和することができるのです。

お得感は少ない?ミックスローンの注意すべきデメリット

反面、ミックスローンを選択すると、金利が上がっても下がっても、他の金利を選択したときと比較して「最も利息の負担が少ない」ということはありません。リスクは緩和されますが、お得感も少ないのがミックスローンの特徴です。

さらに、ミックスローンで2つの金利を選択する場合、一般的に「1本の住宅ローンではなく、住宅ローンを分けてそれぞれ別の金利で契約をする」という考えに基づくため、住宅ローン契約が2本になり、住宅ローンの手続きや登記にかかる手数料が2本分請求される可能性もあります。

 同様に、手続きに必要な書類の量も2倍に。少し面倒なのもミックスローンのデメリットといえるでしょう。

※金融機関によります。

住宅ローンは金利以外も総合的に考えて選択しよう!

将来的な景気がどうなるのかは確実に予想できないため、どの金利を選択すればお得なのか悩まれることかもしれません。

一般的な考え方では、変動金利は上昇リスクが大きいため、今後支払いが増えても対応できる家計に適しています。また、全期間固定金利は金利が変わらず将来的に支払う額が一定で将来の見通しがつきやすいので、家計に余裕がなかったり、景気が良くなっても収入の変動が少なかったりする家庭におすすめしています。

しかしながら、現時点での金利に1%以上の差があるため、当初の金利が低い変動金利の魅力は大きいはず。ミックスローンで変動金利の恩恵に与りつつ、変動金利が大幅に上昇したときに備えて、家計の健全化や、貯蓄・運用などで資金を増やす努力をしてみるのも良いかもしれません。

なお、金利以外にも金融機関により、手数料・団信の内容・返済のしやすさなどにも違いがあります。総合的に考えて住宅ローンを選択しましょう。

この記事を書いた人

佐々木茂樹

ファイナンシャルプランナー

1968年、北海道旭川市生まれ。地元の公立高校卒業後、ホテルマン、郵便局を経験。郵便局在職中にAFP資格を取得後、生命保険会社へ転職し、ライフプランシミュレーションを軸にした保険提案を実践。主に住宅購入時の保険見直し相談を行ってきたが、顧客の悩みは住宅ローンや資産形成など保険だけでは解決できないことを痛感し、2011年、独立系FP事務所ファイナンシャルサービス株式会社を設立、代表取締役に就任。金融機関に属さないFPとして顧客目線での問題解決、夢の実現のサポートを行っている。■HP:http://financial-service.jp/

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