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住まいの基本知識

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【FP監修】住宅ローンの頭金、2割が目安は時代遅れ?少ないほうが良い3つの理由

「住宅ローンの頭金は2割が目安」。

この考え方が定着して久しいですが、今や住宅ローン控除や低い住宅ローン金利の影響で、そうともいえない時代になっています。むしろ、住宅ローンの頭金は少ないほうが良いかもしれません。

今回は、その理由を解説します。

「住宅ローンの頭金は2割が目安」。そういわれているのは、なぜ?

以前は「住宅ローンの融資可能額は8割まで」としていた金融機関が多かったことがあり、借入する金融機関によっては、2割程度の頭金を準備する必要がありました。

また、購入した住宅の担保価値は購入価格の8割程度しかなく、「住宅ローンが払えなくなっても購入した住宅を売ることで住宅ローン完済できるように」と考えられていたという説もあります。

単純に、多くの住宅ローンを借りてしまうと支払いが続かなくなるため、「借入する住宅ローンを少なくする」という観点からも「頭金はある程度必要だ」という考えが主流だったのです。

というのも、30年以上前の住宅ローン金利は変動金利で8%以上だったこともあり、実際に収入が減ってしまっては支払いが困難になるような時代でした。

しかし、こういったことは過去のこと。現在に当てはめると、「頭金は2割が目安」というのは、根拠がないものといえるでしょう。

ただし、住宅ローンを借りる際に金融機関の選択肢を増やしたいのであれば、諸費用+αの手元資金は準備しておいたほうが無難です。

今、 住宅ローンの頭金が少ないほうが良い理由(1)住宅ローン控除

頭金を少なくし、住宅ローンを多く借りるメリットのひとつ「住宅ローン控除」が挙げられます。

 住宅ローン控除とは、年末の住宅ローン残高の0.7%を13年間(住宅の分類により10年間)、所得税(控除しきれない部分は一部住民税)から控除される制度です。

※適用条件があり、住宅分類により控除の上限が変わります。

 

現在、住宅ローン利用者の多くが選択している変動金利は0.5%前後の金融機関がほとんどであるため、控除される割合と比較すると、住宅ローン金利のほうが低くなります。例えば、0.7%未満の住宅ローン金利で借入できた場合には、控除対象期間中にお得になります。

※ただし、控除できる額は前述のとおり上限があります。

今、 住宅ローンの頭金が少ないほうが良い理由(2)団体信用生命保険

さらに、一般的に住宅ローンには団体信用生命保険(団信)が付いています。加入する団信により保障内容は変わりますが、万が一、住宅ローンを返済中にお亡くなりになった場合などは、残っている住宅ローンの残高がゼロになります。

手元資金をギリギリまで頭金に回して住宅を購入した後にご不幸があった場合、借入した住宅ローンはゼロになりますが、その後の生活に余裕がなくなり、結局家を売却せざるを得なくなる可能性も否定できません。

団信の保障は「住宅ローン額と同等の保障が付いている」と考えられますので、無理をしてまで住宅ローンの借入額を少なくしなくても良いでしょう。

今、 住宅ローンの頭金が少ないほうが良い理由(3)運用利回り

手元資金を住宅ローンの頭金にするよりも、運用に回すことにより大きなメリットを得ることも可能です。住宅ローン金利以上に運用利回り(投資金額に対する収益の割合)が大きければ、住宅ローンの利息を支払っても、おつりが来ます。

ちなみに、運用で得た収益(配当金・分配金や譲渡による利益など)を非課税で受け取ることができる「NISA」の対象ファンドの平均利回りは3%~5%以上のものが多く、高い利回りのファンドの中には短期的ではありますが30%以上のものもあります。

また、頭金にしてしまうと、手元の現金が足りなくなったからといっても金融機関は返金してくれませんが、運用なら現金が必要になったときに売却して引き出すこともできます。

※売却のタイミングによっては、資金がマイナスになる可能性もあります。

 

2024年から新NISAがスタートし、非課税期間が無期限になるなど、今よりさらに利用しやすくなりますので、「頭金ではなく運用に!」を実践してみることをおすすめします。

住宅ローンの頭金に回すなら、運用にチャレンジしてみよう!

今回は、住宅ローンの頭金は少ないほうが良い理由を解説しました。「住宅ローンの頭金は2割が目安」といわれていた時代と状況が変わっているため、現在に合った考え方にアップデートしたほうが賢明でしょう。

なお、頭金より運用に回すことをおすすめはしましたが、「手元資金のすべてを運用に」と言っているわけではありません。住宅ローン金利にもよりますが、支払いを続けるのに問題がない額を借入し、手元に必要な現金を残してもまだ余剰資金があるのであれば、運用にチャレンジしてみましょう。長期的に見れば、資産の増加につながるはずです。

佐々木茂樹

この記事を書いた人

佐々木茂樹

ファイナンシャルプランナー

1968年、北海道旭川市生まれ。地元の公立高校卒業後、ホテルマン、郵便局を経験。郵便局在職中にAFP資格を取得後、生命保険会社へ転職し、ライフプランシミュレーションを軸にした保険提案を実践。主に住宅購入時の保険見直し相談を行ってきたが、顧客の悩みは住宅ローンや資産形成など保険だけでは解決できないことを痛感し、2011年、独立系FP事務所ファイナンシャルサービス株式会社を設立、代表取締役に就任。金融機関に属さないFPとして顧客目線での問題解決、夢の実現のサポートを行っている。■HP:http://financial-service.jp/

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