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住まいの基本知識

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ペットと一緒にマンション暮らし。飼い主が気をつけたい注意点とマナー

近年、ペット飼育可の分譲マンションが増加しています。不動産経済研究所の「首都圏におけるペット飼育可能な分譲マンション」の調査によると、ペット飼育可マンションの普及率(全供給戸数に対する割合)は、1998年は1.1%だったのに対し、2007年は86.2%に達しました。以前は戸建てでなければ飼えないという印象が強かったペットですが、このようなマンションが増えたことにより、飼いやすい環境になってきたといえます。

ただその一方で、飼い主にとっては家族同然のペットも、近所の人にとっては騒音被害やアレルギーの原因となる可能性も。

今回は、マンションでペットを飼う際に気をつけたい注意点とマナーについて考えてみましょう。

マンションでペットを飼う際に確認しておくべきこと

ひとくちに「ペット飼育可マンション」といっても、建設当初からペットの飼育を前提に建てられたマンションもあれば、物件の付加価値を高めるためにペットの飼育を許可したものもあります。後者のような、足洗い場やドッグランなどの飼育をサポートする特別な設備や仕様が施されていないマンションでは、飼い主が隣人に迷惑にならないように注意しながらペットのお世話をしなくてはいけません。

ペットを飼いたい場合は、まず住んでいるマンションの管理組合の規約ルールを確認しましょう。一般的な新築分譲マンションの飼育細則では、犬・猫ともに「体長40~50cm以内、体重10kg以内(成獣時の大きさ)」かつ「飼育頭数は原則2匹以内まで」とされているケースが多いようです。

特に犬の場合は、ほとんどの物件で「体重10kgを超える中型犬・大型犬の飼育は不可」とされているため、飼育できる犬種が限られている点に気をつけましょう。

マンションで飼うおすすめのペット

・犬

マンションで犬を飼うなら、小型犬がおすすめです。マンションの部屋でもペットと飼い主が快適に過ごせるうえ、外出時にはキャリーに入れやすいため、敷地内の散歩を禁止しているマンションでも安心。

さらに「性格が穏やか」「抜け毛や体臭が少ない」「無駄吠えをしない」などの特徴をもつ犬種は、 マンションでも飼育しやすいでしょう。具体的には、賢くて温厚で抜け毛が少ない「トイプードル」、 穏やかな性格の「マルチーズ」や「パグ」、人懐こい性格の「シーズー」、超小型犬で運動量が少なくてもすむ「チワワ」などです。

 

・猫

犬のように散歩の必要がなく、一人暮らし世帯でも飼いやすいのは猫です。猫はトイレを覚えるのが比較的早いため、室内飼育に向いています。抜け毛が少ない「ブリティッシュショートヘア」、鳴き声が少ない「ロシアンブルー」などは、マンションで飼う猫としてぴったりです。

 

・ハムスターやウサギ、ハリネズミ

ペットの鳴き声によるご近所トラブルが心配な場合は、ハムスターやウサギ、ハリネズミといった鳴き声の小さいペットが良いでしょう。犬や猫に比べてサイズが小さいため、飼い主の生活空間を確保できる点も優れています。

しかし、ウサギやハムスター、ハリネズミは夜行性の動物であるため、睡眠への影響が出る場合も。特にウサギは、大きな足音を鳴らすこともありますので、ケージの設置位置は寝室から離すようにしましょう。

 

・鳥類

犬や猫の飼育が禁止でも、鳥類であれば許可がおりるマンションもあります。鳥類は、犬や猫のような足音がないため、マンションで飼うペットとして人気です。文鳥やセキセイインコは頭が良く、人になつきやすいため、犬や猫のように愛着をもって育てられるでしょう。

 

・熱帯魚

騒音や脱走の心配がない熱帯魚は、マンションでの飼育に向いているペットです。熱帯魚は色や形など種類が豊富にあるので、徐々に数や種類を増やしていく楽しみも味わえます。

ただし、水槽で飼う魚類も、マンションによっては許可が必要なので、念のために規約を確認したほうが良いでしょう。

マンションで飼う際に気をつけたい注意点とマナー

マンションのペット飼育に関するトラブルはさまざまです。

 

・犬の鳴き声による騒音

犬飼育で多いトラブルは、鳴き声による騒音です。早朝や夜中の鳴き声、飼い主を恋しがる留守中の遠吠えなどいくつかのパターンがあり、いずれもご近所にとっては騒音でしかありません。

対策としては、無駄吠えをしないようにしつけることが基本。もし鳴き声が激しい場合は「エサが足りない」「遊び足りない」「さみしがっている」「興奮している」などの原因を探り、飼育環境を見直してみましょう。それでもおさまらない場合は、専門のトレーナーに相談することを検討してください。

 

・猫による敷地侵入

猫に多いトラブルは、放し飼いによる敷地侵入です。「ベランダに糞をされた」「バルコニーの植物を荒らされた」という声があるように、飼い主が気づかないうちに大きな問題となっているケースもあります。

また、元来夜行性の猫は夜中から早朝にかけて活動が活発になり、走り回ったりソファやベッドから飛び降りたりすることもありますので、防音マットを敷くなどの対応も必要です。

 

・抜け毛トラブル

犬や猫の抜け毛もトラブルの原因です。ペットの抜け毛がマンションの玄関やエレベーターに散らばったり、ペット用品をベランダに干したために抜け毛が近隣住宅の洗濯物についてしまったりすると、ご近所からのクレームに発展することもありえます。

 集合住宅には動物アレルギーの人や動物嫌いの人が住んでいることもあります。抜け毛が共有スペースで散らからないようにブラッシングをこまめに行うことが必要ですが、ベランダでのブラッシングは抜け毛が飛び散りやすいので避けましょう。

 

・体臭と排泄物による匂いトラブル

動物特有の匂いもペットを飼っていない人にとっては不快に感じやすいもの。匂いの主な原因は、体臭と排泄物です。対策としては、排泄物の処理やシャンプーをこまめに行うほか、ペット専用の消臭アイテムやオゾン発生器などの家電を活用することが有効です。

 体臭よりも不快感が強いのが排泄物。玄関や廊下などに排泄しないようにしつけ、「マンション内では犬を抱いて移動する」「マナーベルトを装着する」などの対策をしましょう。ベランダなど、個人の住居スペースであっても排泄物を放置するのはマナー違反です。

 

・脱走トラブル

脱走対策を徹底しておくことも、マンションでペットを飼う上で必須事項です。玄関ドアを開けた瞬間に脱走しないよう、柵や内扉を取り付けるなどの対策をしましょう。

 

なお、ペットによるトラブルを防ぐためには、ペットにとって快適な住環境を整備してあげることが重要です。ペットが激しく鳴くなど、落ち着きのない行動をとったりする場合、ストレスがあるのかもしれません。

窮屈で制約が多いマンションだからこそ、少しでも過ごしやすい環境をつくってあげることは飼い主の責任です。「室温を飼育する動物の適温に合わせる」「十分なスペースを確保する」「トイレを清潔に保つ」「爪とぎなど動物の習性に合わせたアイテムを用意する」など、可能な限りペットに寄り添った環境づくりを心がけましょう。

ペットとの快適な暮らしには周囲への配慮が不可欠

ペットに関するトラブルはさまざまですが、ご近所とのコミュニケーションで改善することも多いものです。「犬の鳴き声が、そちらまで聞こえていませんか?」「猫が、ご迷惑をおかけしていませんか?」など、気遣いを見せることにより、ご近所の理解も得られやすくなりますし、周囲の状況も把握できます。

「私が好きな動物をイヤだと思っている人もいる」という謙虚な気持ちを忘れることなく、近隣への配慮を持ち続ければ、ペットとの暮らしはより心地良いものになるでしょう。

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