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住まいの基本知識

物件の選び方や、住宅ローンの組み方などの住宅購入に関する
基本的な知識や暮らしの雑学・知識をご紹介します。

奨学金は住宅ローン審査に影響する?審査前に注意すべきこと

考える男女

近年、社会問題化している「奨学金」。
経済的に負担となる奨学金の返済ですが、果たして奨学金を借りていることは住宅ローン審査に影響するのでしょうか?
今回は、FP(ファイナンシャルプランナー)の視点から奨学金と住宅ローンの関係をご説明します。

喜ぶカップル

結論:奨学金は住宅ローン審査に影響しない“こともある”

結論として、奨学金は住宅ローン審査に影響しないこともあります。
“こともある”と言うと、なんとも歯切れの悪い印象を持たれるかと思いますが、その理由をご説明します。

住宅ローン審査をする際、金融機関は依頼主の信用取引の契約内容や返済状況などが記録されている信用情報を取得し、審査を進めます。この信用情報に問題がある申請者は、住宅ローン審査に落ちることがあるのですが、奨学金は信用情報に記載されない傾向にあるので、審査に影響する可能性は高くありません

ただし、奨学金の返済を滞納したことがある場合は、信用情報に記載されて住宅ローンに影響することもあります(ご自身の信用情報はCIC・JICC・全国銀行協会の3社で確認できます。)。

他にも、夫婦合わせた奨学金の返済額が大きいと住宅ローンに影響することもあります。こういった背景から、いついかなるときも「奨学金は住宅ローンに影響しません」とは言い切れないのです。

ローンと自動車

「奨学金」が金融機関で確認されると借入可能額が下がることも

他にも、住宅ローン審査申込者の奨学金返済が金融機関に確認されると、ローン借入可能金額に影響することがあります。その理由のひとつが「返済比率」。返済比率とは、収入に対するローンの返済額の比率のことを指します(返済額には自動車ローンといった、住宅ローン以外のローン金額が含まれます)。

①年収600万円ならいくらまで借りられる?

基本的に、返済比率が30%~40%程度までなら、多くの金融機関が住宅ローンの貸付をしてくれます。例えば600万円の年収の方が借入期間35年間・返済比率を35%にする場合「利息も含めて年間210万円までの返済額となる借入が可能」ということになり、総額は約5,600万円の借入ができる計算になります。(※金利1.6%で試算、住宅ローン以外にローンが無い場合。)

②では、年収600万円で奨学金を返済している場合はどうなる?

ここで奨学金を考えてみましょう。
日本学生支援機構の有利子(第二種奨学金)の平均借入額は一人あたり343万円。
20年利率0.16%で借入すると、総返済額は3,485,281円となり、年間で174,264円の返済となります。

計算すると「210万円(年間の借入可能額)-174,264円=1,925,736円」となるため、年間1,925,736円までの住宅ローンの借入が可能ということになります。

総額で借入できる金額は約5,150万円と、奨学金返済がない方の約5,600万円より約450万円も少なくなってしまうのです。

これだけ差があると、もしかしたらマンション購入計画の見直しが必要になるケースもあるかもしれません。

クレジットカード

クレジットカードのキャッシングやリボ払い枠にも要注意!

上記を踏まえたうえで「自分は問題ないだろう」と考える人もいますが、意外な落とし穴となるのが「クレジットカード」です。

クレジットカードには、キャッシングやリボ払いの枠があります。これらを過去に一度でも利用したことがあると、ローン審査時には利用していなかったとしても、キャッシング枠全額が借金としてみなされることがあります。なぜかというと、「この人は将来もキャッシングを利用するかもしれない」と判断されるからです(中には、住宅ローンの申し込み時にキャッシング枠などの解除を求める金融機関もあります)。

また、借金ではありませんが、税金を滞納した場合には住宅ローン審査に通りにくくなります。サラリーマンであれば給料から天引きされているため問題ありませんが、個人事業主などではうっかり納税を忘れてしまったために住宅ローンの審査に通らない、ということにもなりかねないので、十分に注意しましょう。

滞納はNG!住宅ローンの審査については、金融機関に信頼されることが最も大切

奨学金を含め、支払わなければいけないものを遅れずに支払うことが、住宅ローン審査に通る近道です。

特に、税金の滞納などで所有している不動産などの資産が差押えになると、謄本に記載されていつまでも記録が残ってしまいます。そうなると、住宅ローンの審査を通るのは非常に困難になると言わざるを得ません。

住宅ローンの審査については、金融機関に信頼されることが最も大切だということを忘れないようにしましょう。

佐々木茂樹

この記事を書いた人

佐々木茂樹

ファイナンシャルプランナー

1968年、北海道旭川市生まれ。地元の公立高校卒業後、ホテルマン、郵便局を経験。郵便局在職中にAFP資格を取得後、生命保険会社へ転職し、ライフプランシミュレーションを軸にした保険提案を実践。主に住宅購入時の保険見直し相談を行ってきたが、顧客の悩みは住宅ローンや資産形成など保険だけでは解決できないことを痛感し、2011年、独立系FP事務所ファイナンシャルサービス株式会社を設立、代表取締役に就任。金融機関に属さないFPとして顧客目線での問題解決、夢の実現のサポートを行っている。
HP: http://financial-service.jp/

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