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住まいの基本知識

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【FP監修】日銀、超低金利政策の維持。住宅ローン金利への影響は?

街の風景

先日、日銀(日本銀行)が現行の超低金利政策の維持を決定したとの報道がありました。現在、住宅ローン金利は低い水準で推移していますが、今回の日銀の決定を受けて、どのような影響が考えられるのでしょうか?考察してみます。

女性新聞読む

日銀の超低金利政策とは?目的や狙い

日銀の目的は大きく2つあります。

・物価の安定を図る
・金融システムを安定させる

上記を達成するために、公開市場操作(オペレーション)といった手段を用いながら金融市場における金利の形成に影響を及ぼし、通貨および金融の調節を行っているのです。例えば、日銀が金融機関に対する貸付を行うと市場に資金を供給することになり、逆に日銀が手形を発行して金融機関に売れば市場から資金を吸収することになります。
そんな日銀が2016年9月に導入したのが、金融緩和強化のための新しい枠組み「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」です。これは2つの政策から成り立っています。

1. イールドカーブ・コントロール

日本銀行当座預金へのマイナス金利適用と長期国債の買い入れを組み合わせる、新しいオペレーション手段(指値オペ)。長短金利の円滑な操作により実質金利低下の効果を追求します。

2. オーバーシュート型コミットメント

生鮮食品を除く消費者物価指数の前年比上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまで、マネタリーベース(日銀が供給する通貨)の拡大方針を継続する金融政策。

このような政策は年8回の金融政策決定会合にて決定されます。2020年1月の会合では、米中貿易戦争激化の懸念が和らいだことで「追加緩和は必要ない」との判断されたものの、今後も超低金利政策を続けることが決まりました。なお、物価安定の目標に向けた勢いが損なわれる恐れがある場合には「躊躇なく追加的な金融緩和措置を講ずる」としています。

積み木×資料

超低金利政策の影響。住宅ローン金利は低水準が続く?

日銀の金融政策は、私たちの暮らしに関係のない話ではありません。なぜなら、住宅ローンのようにお金を借りる際に発生する金利が左右されるからです。固定金利は「10年物国債の利回り」などに、変動金利は「政策金利」にそれぞれ連動し、そのうえで各金融機関が設定しています。

今回のような現行の超低金利政策においては、変動金利は低くなり、最近では金利が0.5%以下という住宅ローンも登場しました。反面、経済状況も合わさり、マイナスで推移していた10年物国債の利回りがプラスになったため、1%を下回っていた長期固定金利が1%前後に上昇。とはいえ、長期固定金利もまだまだ低い水準を維持しています。

新しい懸念材料としては「新型コロナウィルス」の感染拡大などが考えられます。すでに日本の観光業が打撃を受けているようですが、今後の情勢次第では景気対策として追加緩和もあるかもしれません。この先しばらくは、超低金利政策や、それに近いものが続くことが予想されます。

住宅ローン金利が低くなっている今はマイホーム購入を検討する良い時期

住宅ローン金利の水準を見てみると、金利が低くなっている今は、住宅ローンを利用してマイホームを購入するには良い時期とも言えるでしょう。

ちなみに住宅ローンは、融資を受ける時期の金利が適用される金融機関が多いため、土地を購入してから家が完成するまでに時間を要する注文住宅に比べ、マンションでは実際にかかる金利を予想するのが容易しやすい側面があります。

ただし、金利が低いからと変動金利を選択した場合は、注意も必要です。半年ごとの金利の見直しにより、予定より支払額が増える可能性は否定できません。

 

佐々木茂樹

この記事を書いた人

佐々木 茂樹

ファイナンシャルプランナー

1968年、北海道旭川市生まれ。地元の公立高校卒業後、ホテルマン、郵便局を経験。郵便局在職中にAFP資格を取得後、生命保険会社へ転職し、ライフプランシミュレーションを軸にした保険提案を実践。主に住宅購入時の保険見直し相談を行ってきたが、顧客の悩みは住宅ローンや資産形成など保険だけでは解決できないことを痛感し、2011年、独立系FP事務所ファイナンシャルサービス株式会社を設立、代表取締役に就任。金融機関に属さないFPとして顧客目線での問題解決、夢の実現のサポートを行っている。

■HP:http://financial-service.jp/

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