勤続年数が短くても住宅ローン審査は通る?大転職時代に考える!
終身雇用が崩壊に向かい、人材の流動が日常化した昨今、転職が当たり前の時代になりました。その流れはますます加速し、今や大転職時代の到来ともいわれています。
そんな中、住宅ローンの審査においては、従来、勤続年数が信用度に関わる項目として取り扱われてきました。勤続年数が短くても住宅ローン審査は通るのでしょうか?
勤続年数が短くても住宅ローン審査は通る?現在の審査傾向について
住宅ローン審査には、さまざまな要件があります。国土交通省が毎年実施している「民間住宅ローンの実態に関する調査」の結果報告書を見ると、完済時年齢・担保評価・借入時年齢・年収・勤続年数などの項目を重視する金融機関が多く、各金融機関によって条件が定められています。
勤続年数については、平成21年の調査では、3年以上441件(36.7%)、2年以上144件(12%)、1年以上374件(31.1%)でした。
※参照:平成21年度 民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書
https://www.mlit.go.jp/common/000111089.pdf
以前は勤続年数3年以上でないと、選択できる金融機関がかなり狭まる結果となっていたのです。
しかしながら、令和元年の調査では3年以上234件(20.6%)、2年以上が54件(4.7%)、1年以上が701件(61.6%)という結果に。
※参照:令和元年度 民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001333029.pdf
現在では、勤続年数が1年以上あれば6割以上の金融機関の審査を受けることが可能のようです。勤続年数が短くても審査が不利になりにくい状況となっていると言えるでしょう。
住宅ローン審査通過に向けて、勤続年数が短い人の対策
一度でも給料を受け取っていれば住宅ローンの審査を受けられたり、勤続年数が審査に直接影響しなかったりする金融機関もあります。とはいえ、その後も継続して収入があり、問題なく住宅ローンを支払っていくことができることをわかってもらわなければなりません。
そのため、勤続年数が短い場合には、新しい勤務先に依頼して給与証明などを発行してもらうことで、収入を証明する方法などが取られています。
また、看護師や医師などの資格を持っているのであれば、転職しても収入的には問題ないと判断されることが多く、転職の影響はかなり少ないでしょう。ただ、個人事業主や経営者の場合には、収入が安定しているかどうかの判断が難しく、過去数年分の確定申告書や会社の決算書等の提出を依頼されるケースが一般的です。
転職時期とマンション購入のタイミングを考えよう!
以前と比べて勤続年数に関しては条件が緩和されていますが、勤続年数の条件をクリアしていたとしても必ずしも審査に通るとは限りません。それに、勤続年数の条件で金融機関が絞られてしまうと比較検討することができず、理想の住宅ローンに申し込めない可能性もあります。
「購入したいマンションが見つかったときが購入するタイミング」とも言えますが、もしも今後マンションの購入を検討しているのであれば、将来を見据えて計画を立てておくに越したことはありません。
多くの住宅ローンから自分に合ったローンを見つけるためにも、転職時期とマンション購入のタイミングを考えておきたいものです。
この記事を書いた人
佐々木茂樹/ファイナンシャルプランナー
1968年、北海道旭川市生まれ。地元の公立高校卒業後、ホテルマン、郵便局を経験。郵便局在職中にAFP資格を取得後、生命保険会社へ転職し、ライフプランシミュレーションを軸にした保険提案を実践。主に住宅購入時の保険見直し相談を行ってきたが、顧客の悩みは住宅ローンや資産形成など保険だけでは解決できないことを痛感し、2011年、独立系FP事務所ファイナンシャルサービス株式会社を設立、代表取締役に就任。金融機関に属さないFPとして顧客目線での問題解決、夢の実現のサポートを行っている。■HP:http://financial-service.jp/
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