もうすぐ花粉症の季節が到来。くしゃみ、鼻づまり、目のかゆみなど、毎年不快な症状に悩まされている人も多いのではないでしょうか。
しかし、実は花粉症は大人だけのものではありません。大人と同じように症状を訴える子どもが年々増加傾向にあるのです。
そこで、今回は流行シーズンを前に知っておきたい子どもの花粉症対策についてご紹介します。
10歳以下で発症。子どもの花粉症の特徴は?
花粉症(=季節性アレルギー性鼻炎)とは、スギをはじめとした植物の花粉が原因で起こるアレルギー症状を指します。今や日本人の4人に1人が発症しているといわれるほどの国民病ですが、花粉症に悩まされているのは大人だけではありません。
あるデータによれば、スギ花粉症の発症率は5~9歳で13.7%、10~19歳では31.4%。
大人と同等、または上回るほどの数値が表れています。
※出典:鼻アレルギー診療ガイドライン
-通年性鼻炎と花粉症-2020年版(改訂第9版):P10, 2020
また、製薬会社が子どもを持つ親を対象に行なったアンケート調査でも興味深い結果が出ています。「花粉症を初めて発症した年齢は?」との問いに「0〜5歳」と答えたのが45.5%、さらに「0〜10歳」を合わせると82.3%もの数値に。ほとんどの子どもが10歳以下で発症していることがわかります。
なお、初めて花粉症を発症した年齢として最も多かったのは「5歳(12.5%)」。幼稚園や保育園に通ったり、成長とともに外出の機会が多くなってきたりする年齢で発症しているようです。
※出典:ロート製薬株式会社 0~16歳までの子ども2,618人の親に聞いた「子どもの花粉症」調査結果・花粉症の症状に悩む“20~79歳までの男女”“0~16歳までの子どもの母親”に聞いたアンケート結果
https://www.rohto.co.jp/~/media/cojp/files/pdf/news/kafun_1512.pdf
https://www.rohto.co.jp/~/media/cojp/files/pdf/news/kafun_1712.pdf
しかし、花粉症といっても症状は人それぞれ。個人差だけでなく、大人と子どもでも訴える症状には大きな違いがあります。
【子どもの花粉症の特徴】
・鼻づまり
⇒まだ鼻が小さい子どもは、花粉症の代表的な症状であるくしゃみより、鼻づまりを起こしやすいといわれています。口を開けていたり、鼻をピクピク、口をモグモグさせていたりしたら鼻が詰まって口呼吸をしているサインです。
・粘り気のある鼻水
⇒大人はサラサラとした鼻水が出ますが、子どもの場合は少し粘り気のある鼻水が出ます。
・目のかゆみや充血
⇒症状が目に表れるのも特徴のひとつ。かゆみや充血のほか、むくみ、クマなどが見られるケースもあります。
上記に当てはまれば花粉症を疑うものの、子どもの場合は症状を自覚しにくかったり、風邪と区別がつきにくかったりと判断が難しいもの。熱がないのに症状がダラダラと長く続いたり、特徴的な目の症状が見られたりするときはアレルギーが原因になっていることも考えられるため病院を受診してみましょう。血液検査や「スクラッチテスト」と呼ばれる検査で花粉症かどうか見極めることができます。
子どもの花粉症対策4つのポイント
子どもを花粉症から守るには、まだ発症していない乳幼児期から対策していくことが大切です。すでに発症している人が自然に寛解する可能性は残念ながら低いものの、しっかりと対策を行うことで不快な症状を和らげることができます。具体的なポイントを見てみましょう。
1. 家に花粉を持ち込まない
⇒「ナイロン製など花粉が付着しにくい素材の服を着る」「帰宅時は服についた花粉を払う」「服や布団を外に干さない」「空気清浄機を活用する」など、まずは花粉が屋内に侵入しないようシャットアウトしましょう。
2. マスクの着用や手洗いうがいを徹底する
⇒新型コロナウイルスの影響で、最近ではマスク着用や帰宅後の手洗いうがいを徹底している家庭が多いのではないでしょうか。これらは花粉症対策としても非常に有効です。鼻や口から体内に花粉が入り込まないよう、お子さんにも習慣づけましょう。
3. 生活習慣を改善する
⇒腸内環境を整え免疫力をアップさせることで、花粉症の症状を和らげる効果が期待できます。インスタント食品やスナック菓子を減らしたり、アレルギー症状の元となる「IgE抗体」の生成を抑える乳酸菌を摂取したり、十分な睡眠を摂ったりなど、生活を整えることですでに花粉症の人も改善を見込むことができるでしょう。
4. 住環境を見直す
⇒ある調査では、一戸建てまたは高層階のマンションに住んでいたり、犬や猫など毛のある動物を飼っていたりする家庭には花粉症の子どもが多いとの因果関係が指摘されています。引っ越しやペットを飼う前には、花粉症のリスクを踏まえて検討すると良いでしょう。
※出典:ロート製薬株式会社 0~16歳までの子ども2,618人の親に聞いた「子どもの花粉症」調査結果
https://www.rohto.co.jp/~/media/cojp/files/pdf/news/kafun_1512.pdf
花粉症を放置すると記憶力や集中力が低下する恐れも
大人でもつらい花粉症から子どもを守るには、日ごろから小まめに花粉をシャットアウトすることが非常に重要です。花粉症を放置してしまうと記憶力や集中力が低下し、日常生活に支障をきたす可能性があります。
花粉症シーズンといわれる2〜4月には特に注意してあげることで、発症を抑えたり、症状を緩和させたりすることができます。「室内環境を整える」「外出時にしっかりとガードする」など、できることから取り組んでいきましょう。
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