【FP監修】マンションで水漏れ発生!火災保険の保険金請求から支払いまでの流れを解説!
もし、自宅マンションで火災や水漏れといった事故が発生したら……。火災保険に加入していれば保険金が支払われますが、そのためには請求しなければなりません。特に初めてだと戸惑ってしまうこともあるでしょう。
そこで今回は、火災保険の中で支払請求が多い「水漏れ」を例に挙げ、保険金請求から支払いまでの流れを解説します。
水漏れ発生時、火災保険の保険金請求から支払いまでの主な流れ
1.水漏れ事故を確認
「洗濯機の排水ホースが外れて水があふれている」「配管、シンクにひび割れがあり、水浸しになっている」などを確認しましょう。
2.水漏れがあったことを保険会社に連絡
連絡をした時点で、保険会社から必要な書類などについて指示があります。
3.被害状況を確認
マンションの場合、自宅から水が漏れていると、階下の部屋にも水漏れしている恐れがあります。損害賠償を行う必要があるため、被害がないか確認を依頼しましょう。逆に、上階から水が漏れている場合、上階に住んでいる方が気づいてないかもしれません。水漏れしていないか、確認してもらいましょう。
また、現場の写真撮影は必須です。被害箇所がわかる状況のものを何枚か撮影しておきましょう。被害状況がわからないと、保険金の支払いに支障をきたすこともあります。
4.修理業者に連絡・見積もり依頼
修理業者に心当たりがないなら、保険会社や代理店に相談すると、適切な業者を紹介してくれることがあります。
5.保険会社に保険金請求書・現場写真・修理業者の見積もりなどを提出
保険会社から見て見積もりの内容に疑問点などがあると、保険会社もしくは保険会社が依頼した鑑定会社が修理業者に直接確認することも。
6.保険金支払い
提出書類などに問題がなければ、契約者が指定する口座(ご自身の口座、もしくは修理業者の口座)に入金されます。
水漏れの保険金請求のポイントは、早めに現場を写真撮影すること!
水漏れは時間が経つと乾いてしまうことがあるため、早めに現場の写真を撮りましょう。現場を写真撮影する前に修理してしまうと、保険金の請求に応じてもらえない可能性があります。くれぐれもご注意ください。
現場を写真撮影する際、被害の状況や原因によっては、天井裏や壁・床下などを確認しなければなりません。個人では難しいケースもあるので、早い段階で業者に写真撮影も依頼すると良いでしょう。家の修繕を任せられる業者などと日頃からお付き合いしておくと依頼もスムーズです。
マンションでは、状況によっては上下や隣接する部屋の方とコミュニケーションをとる必要性が生じます。引越しの際にあいさつをしておくなど、友好的な関係を築いておくと調整や交渉がしやすくなるでしょう。
なお、水漏れ箇所がわからず、原因を究明するために費用がかかる場合、その費用が保険会社から給付されるケースもあります。「床材や壁紙をはがす」といった原状回復に費用がかかるような作業が必要な場合には、あらかじめ保険会社に確認をしておきましょう。
保険金がきちんと支払われるために。他にポイントは?
また、ご自身で保険会社に直接連絡をする前に、火災保険の加入を依頼した保険代理店の担当者に相談してみるのもおすすめです。担当者に相談すれば、保険金請求の手続きや適切な修理業者などを教えてもらえるので、負担軽減につながるはずです。
ちなみに、水漏れではなく、火災といった大きな被害が出た場合には、保険会社から鑑定人が派遣され、被害の確認をするのが一般的です。その際は指示に従いましょう。
保険金は事故などが起きてから3年間請求できますが、時間が経てば経つほど原因や被害状況を把握しにくくなります。早めに対応するようにしてください。
まずは火災保険の補償内容を確認!悪質な業者には気を付けよう!
火災保険の補償内容は契約によって異なります。どのような補償に加入しているのか把握しておけば、「請求しなかったために、保険金を受け取れなかった」という事態を防げるでしょう。加入済の火災保険で補償されるかどうか判断ができない場合は、保険代理店の担当者や保険会社に相談してみてください。
現在、「保険金が請求できるので、壊れた○○を直しませんか?」というセールストークでチラシを配布したり、訪問営業を行なったりしている業者(保険金請求代行業者)がいます。給付された保険金の何割かを費用として請求されるなど、契約後のトラブルが多く発生しているようです。
火災保険では、経年劣化や消耗品といった長い時間をかけて自然に壊れたものなどに関しては、保険金は給付されません。こういった保険金請求代行業者は、悪質である可能性が高いので、安易に契約しないように気を付けましょう。
この記事を書いた人
佐々木茂樹
ファイナンシャルプランナー
1968年、北海道旭川市生まれ。地元の公立高校卒業後、ホテルマン、郵便局を経験。郵便局在職中にAFP資格を取得後、生命保険会社へ転職し、ライフプランシミュレーションを軸にした保険提案を実践。主に住宅購入時の保険見直し相談を行ってきたが、顧客の悩みは住宅ローンや資産形成など保険だけでは解決できないことを痛感し、2011年、独立系FP事務所ファイナンシャルサービス株式会社を設立、代表取締役に就任。金融機関に属さないFPとして顧客目線での問題解決、夢の実現のサポートを行っている。■HP:http://financial-service.jp/
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