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住まいの基本知識

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【FP監修】進化する「団信」。その種類と注意すべき落とし穴を解説!

住宅ローンを利用する際に加入を求められる「団信」。団信とは、正式名称を「団体信用生命保険」といい、住宅ローンの契約者が死亡もしくは高度障害状態となった場合に保険会社が残りのローン返済を肩代わりしてくれる保険のことです。

最近、そんな団信が進化を遂げています。今回は、団信の種類と注意すべき落とし穴について解説します。

団信(団体信用生命保険)とは?

団信(団体信用生命保険)は、ローンの契約者が支払いを続けられなくなったときのための保障です。住宅ローンを借りると、基本的には団信がセットで付いてくると考えて良いでしょう。

※一部、団信に加入しなくても住宅ローンの契約ができる金融機関もあります。

ちなみに「住宅ローンの契約者が死亡もしくは高度障害状態となった場合に保険会社が残りのローン返済を肩代わりしてくれる」団信は、一般的な団信の保障内容で「一般団信」といわれています。

一般団信の保険料は元々金利に含まれており、別途保険料を支払わずに加入できる金融機関がほとんどです。

進化する団信のさまざまな種類

住宅ローンの支払いが続けられなくなるのは「死亡」や「高度障害」だけではありません。病気療養時や就業不能状態で収入が減少した状況などが考えられます。最近では、これらに合わせて保障の幅が広がった団信も選べるようになってきています。

例えば、「三大疾病(保障)団信」は「がん・急性心筋梗塞・脳卒中で所定の状態になったときに保障」される団信です。中には「がん」に特化した団信もあり、一般的にはガンと診断が確定されると保障されます。この場合の「がん」とは、上皮内がんなどを除く「所定の悪性新生物」という点は確認しておきましょう。

さらに、今は保障される病気の種類が増えた団信もたくさんあります。

 

・八大疾病団信:「三大疾病」+糖尿病・高血圧症・腎疾患・肝疾患・慢性膵炎

・11疾病団信:「八大疾病」+脳血管疾患・心疾患・大動脈解離・上皮新生物・皮膚がん

・全疾病団信:すべての病気・けが

 

このような団信とがん団信の大きな違いは、保障条件です。八大疾病団信や11疾病団信、全疾病団信の場合、保障する病気はがん団信より広くなりますが、保険会社が定義する「所定の状態」のハードルが高い傾向にあります。

例えば、所定の状態が「180日以上入院が継続したら保障の対象になる」という場合、指定されている病気になったとしても、半年以上継続して入院しなければ保障されません。今は入院日数が短くなっているため、180日以上の入院が必要となるとかなり重い症状ですので、保障対象となるのは限られるケースともいえます。

また、八大疾病団信と11疾病団信なら「11疾病団信は保障が広くて不安が軽くなる」と考えがちですが、「所定の状態」を確認してみると「八大疾病団信のほうが保障に該当しやすい」ということもありえます。

その他、「就業不能団信」という「医師が〇日以上就業不能だと診断」すれば保障される団信もありますが、この場合も「所定の状態」の条件が厳しいものが少なくありません。

団信の内容については保険会社の担当者にしっかりと確認するか、サイトやパンフレットをよく読み込んでください。

注意したい団信の見落としがちな落とし穴

選択する団信によって保障範囲が異なるため、加入時に告知する項目が変わることがあります。

以前、こんなことがありました。ある弊社のお客さまは、一般団信を申し込みのうえ、住宅ローンの借入の審査が通っていたのですが、借入希望金額の増額に際し、11疾病団信に変更して再審査に臨んだところ、「健康状態に問題がある」と判断され、審査に落ちてしまいました。すると、最初に通っていたはずの住宅ローンまで借りられなくなってしまったのです。

このケースでは、治療した後の診断結果が良好だったため、一般団信に戻して改めて住宅ローンの借入の審査をすることで事なきを得ましたが、もしかしたら住宅購入を諦めなくてはならなかったかもしれません。

住宅ローンの契約途中で申し込む団信を変更する際は、注意しましょう。

保障範囲の広い団信には年齢制限も!健康なうちに住宅購入の検討を!

一般団信以外の団信を希望する場合には「金利上乗せ」となることが多いですが、金利の上乗せなしに一般団信以外の団信を選択できる金融機関もあります。金融機関を選ぶ際の比較材料にしても良いでしょう。

また、健康状態に不安がある方が加入できるように条件を緩和した「ワイド団信」がありますが、上乗せ金利が大きい傾向にあります。そのまま「ワイド団信」に申し込むか、治療が終わり、完治してから別の団信に申し込むか、状況によって判断しましょう。

なお、保障範囲の広い団信は年齢制限があり「51歳まで」もしくは「51歳未満」としている金融機関が多いようです。団信加入の観点から見ると「若く健康なうちに住宅購入を考える」というのも選択肢のひとつになるのではないでしょうか。

佐々木茂樹

この記事を書いた人

佐々木茂樹

ファイナンシャルプランナー

1968年、北海道旭川市生まれ。地元の公立高校卒業後、ホテルマン、郵便局を経験。郵便局在職中にAFP資格を取得後、生命保険会社へ転職し、ライフプランシミュレーションを軸にした保険提案を実践。主に住宅購入時の保険見直し相談を行ってきたが、顧客の悩みは住宅ローンや資産形成など保険だけでは解決できないことを痛感し、2011年、独立系FP事務所ファイナンシャルサービス株式会社を設立、代表取締役に就任。金融機関に属さないFPとして顧客目線での問題解決、夢の実現のサポートを行っている。■HP:http://financial-service.jp/

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