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【FP監修】住宅ローンの審査が不安な人へ!審査通過に向けて今からできる対策

マイホームの購入を検討し始めると、そもそも住宅ローンの審査に通るのかどうか不安に思う人が少なくありません。

そこで今回は、住宅ローン審査の実態をご紹介し、将来の審査通過に向けて今からできる対策をお伝えします。

住宅ローンでは何を審査される?審査項目を解説

住宅ローンは借入額が大きいことから、他のローンと比べても審査が厳しい傾向にあります。住宅ローンにはさまざまな審査項目がありますが、ご自身で事前に確認できる項目としては以下の5つが考えられます。

 

1.収入

ある程度収入がなければ、住宅ローンの借入は難しいといわざるを得ません。年収400万円未満だと、審査に進むことすら難しい金融機関もあります。

※金融機関によって審査可能な年収には違いがあります。

また、長期間にわたって住宅ローンの返済を続けていく必要があるため、転職して間もない場合などは信用度が低く、審査にマイナスになることも。

 

2.住宅ローン以外のローン

金融機関の審査の中で「返済比率」は重要な基準のひとつです。返済比率とは「年収に占める年間返済額の割合」のことで、「返済比率(%)= 年間のすべてのローン返済額 ÷ 年収 × 100」で計算することができます。

金融機関によって返済比率の基準は異なりますが、上限が35%前後に設定されているのが一般的です。例えば年収600万円で返済比率が35%だとすると、計算上「年間210万円」で「1月あたり175,000円」の返済額になるまでは借入できます。ただし、すでに借りているローンがある場合には、金額により融資可能額が減額される可能性があるため、注意しましょう。

 

3.信用情報

信用情報とは、ローン契約や返済状況などの履歴がわかるものです。過去に返済が遅れた場合には、この信用情報に記載されてしまいます。返済を延滞した情報はローン完済後5年程度情報が残り、ローンが組めなくなる「ブラック」といわれる状況になる恐れがあります。

弊社にご相談いただくお客さまの中には、親族に携帯購入時に名義を貸して支払いをまかせていたところ、その親族が何度か延滞を繰り返していたため「ブラック」の状態になり、住宅ローンの審査に通らなかった方もいらっしゃいました。

※信用情報に問題がある場合でも、自己資金がある程度あれば借入が可能な金融機関もあります。ただし、金利は高めの設定となっています。

 

4.健康状態や年齢など

多くの場合、住宅ローンの借入時には「団信(団体信用生命)」という生命保険の加入を求められます。そのため、病気をして間もない場合には、この団信に加入できず審査に通らないかもしれません。加入条件が緩い緩和型の団信や、団信加入が必須ではない金融機関もありますが、残念ながら住宅ローンの選択肢が狭まるのが実情です。

また、住宅ローン完済年齢を80歳前後に設定されている金融機関が多く、例えば50歳で住宅ローンを組んだ場合には最長でも30年程度で完済しなければならないことになり、借入が難しいケースがあります。

その他、外国人の方で永住権を取得していない場合は、出国してしまうリスクが考えられるため、金融機関によっては審査を断られてしまう可能性も否定できません。

※永住権を取得していない外国人の方でも審査OKの金融機関も複数ありますが、金利は高めの設定になっています。

 

5.担保価値

住宅ローンを組む際、購入するマンション・家・土地などに抵当権を設定します。これは、住宅ローンが支払えなくなったとき、最終的には金融機関が差し押さえて売却などをすることで返済されなかったお金を回収するため。よって、購入する土地・物件などの価値も重要な審査項目となります。

立地・築年数などにより借入額と担保価値が釣り合わない場合には、借入額が減額されたり、借入自体が困難になったりすることも。担保価値について個人で判断するのは難しいかもしれませんが、築年数が古いリノベーション物件などは担保価値が低いことがあります。

住宅ローンの審査通過に向けて今からできる対策

将来的に住宅の購入を希望しているのであれば、ローンの延滞などで個人信用情報に延滞履歴が載らないように気を付けるのが第一の対策です。親族でも「名義貸し」などは避けましょう。

また、転職直後や直前に自動車ローンを組んでしまったりすると、希望額が借りられなかったり、全額返済を条件に付けられるかもしれません。転職や他の借入のタイミングは十分に考えるようにしてください。

収入が少なく希望額が借りられない場合には、配偶者など家族と一緒に住宅ローンに申し込むことで、借入できる金額を増やせます。「父親の定年退職の時期を考えて早めに親子で住宅ローンを組む」「専業主婦だったが就職して夫婦で住宅ローンに申し込む」など、親子や夫婦の収入を合算する方法を検討してみると良いでしょう。ちなみに、正社員でなくパートであっても、金融期間によっては収入を合算できる場合もあります。

なお、返済期間が短いと返済比率が高くなり、希望額を借りにくくなります。返済期間を最長35年で設定している金融機関が多いため、完済年齢から逆算すると、45歳くらいまでに住宅ローンをスタートすると、希望額が借りやすくなるでしょう。

そして、金融機関の選択肢を増やすためには、問題なく団信に加入できる健康状態であることも必須です。計画的に無理なく返済でき、かつ健康なうちに住宅ローンに申し込んだほうが、一般的には審査に通りやすいといえます。

通りやすい住宅ローンはある?

金融機関が住宅金融支援機構と提携して扱う全期間固定金利の住宅ローンである「フラット35」は、団信に加入せずに住宅ローンを借り入れることができる他、働き方・勤務年数や収入といった条件が比較的緩く設定されています。

また、個人的な印象では、物件を購入する地域に支店がない金融機関やネット銀行などは、担保価値の試算がシビアであるように感じます。

反対に、地域に根付いた地元の金融機関では、希望額を借りられるケースが多いようです。

住宅ローンの審査に通る対策とともに自己資金の準備を始めよう!

住宅ローンの審査に通る対策をいくつか記載いたしましたが、あくまで「借りられる」対策で「返済できる」対策ではありません。希望額の住宅ローンを借りられたとしても、家計から見て返済が厳しいのであれば、購入物件や住宅ローン借入額を見直すことも検討する必要があるでしょう。

やはり自己資金を用意できていると、何かと安心です。自己資金を準備できれば金利が低くなる金融機関もありますし、借入額が少なくなれば金利が上昇して月々の返済額が大きくなっても対応できます。購入したい物件に出会えたときにチャンスを逃さないように、早めに「借りられる」対策と自己資金の準備を始めましょう。

佐々木茂樹

この記事を書いた人

佐々木茂樹

ファイナンシャルプランナー

1968年、北海道旭川市生まれ。地元の公立高校卒業後、ホテルマン、郵便局を経験。郵便局在職中にAFP資格を取得後、生命保険会社へ転職し、ライフプランシミュレーションを軸にした保険提案を実践。主に住宅購入時の保険見直し相談を行ってきたが、顧客の悩みは住宅ローンや資産形成など保険だけでは解決できないことを痛感し、2011年、独立系FP事務所ファイナンシャルサービス株式会社を設立、代表取締役に就任。金融機関に属さないFPとして顧客目線での問題解決、夢の実現のサポートを行っている。■HP:http://financial-service.jp/

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