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住まいの基本知識

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もしもの地震に備える!マンションの基本的な防災対策

日本は、世界有数の地震大国です。過去30年間で、国内で観測された震度6以上の地震は20回以上。さらに日本は世界の国土面積のわずか0.25%でありながら、世界中で発生する震度6以上の地震の20%以上が日本周辺で発生しているともいわれています。

人の力で地震を防ぐことはできませんが、地震に対して予め何らかの準備をしておくことによって被害やその後の生活は随分と変わります。今回は、マンションの防災対策について考えてみましょう。

家庭で取り入れたいマンション防災の3つの基本

建築物が最低限満たすべき地震への耐性基準を「耐震基準」といいます。1978年に発生した宮城県沖地震をきっかけに日本の耐震基準は改正され、新しい耐震基準では「震度5程度の地震で建物の機能を保持でき、震度7程度の大規模地震でも倒壊・崩壊せず人命を守ること」と定められました。事実、東日本大震災ほどの大規模地震でも、東北・関東において、マンションの建て替えが必要なほどの致命的被害は0件と報告されています。

そんな中、マンション防災という観点においては、建物の倒壊よりも注意すべきポイントがあります。まずは以下の3点を押さえるようにしましょう。

 

1.家の中の危険要素を取り除く

地震による死亡事故の主な原因を分析すると、必ず上位に挙がるのが、建物の倒壊や家具の下敷きになるなどして起こる圧死です。阪神・淡路大震災は、発生時刻が早朝だったこともあり、死因の7割が圧死によるものでした。

圧死によって命を落とさないためには、家具の転倒を防ぐことが不可欠です。特に10階以上の高層階に住んでいる場合、「長周期地震動」という現象によって揺れが数分続くことがあり、家具や家電などが転倒・落下する危険性が高くなるため、より注意が必要です。

 

・固定金具を設置して、家具の転倒を防止する

・テレビなどの大型家電や重いものはできるだけ低い位置に置く

・観音開きの扉にはストッパーをつける

・倒れる可能性がある家具の近くで寝ない

・万が一、家具の転倒が発生しても、部屋の出入り口をふさがない配置にする

 

また、地震に伴い、窓ガラスや食器が割れて床に飛散する可能性もあります。スムーズに避難するためには、それらにも対策をしておきましょう。

 

・食器棚などのガラス戸には飛散防止フィルムを貼る

・スリッパなどの履物を寝る場所の近くに置く

 

2.生活用品を備蓄する

地震が起きると、水道・ガス・電気などのライフラインが寸断される可能性があり、数日あるいは数か月続くこともあります。それらの非常事態に備えて、日頃から生活用品を備蓄しておきましょう。

 

・1人1日3リットル×人数分の飲料水を1週間分

・1人1日7~8枚×人数分の簡易トイレを1週間分

(飲料水、簡易トイレの置き場所がない場合でも、最低3日分は用意しておく)

・水筒

・懐中電灯、携帯ラジオ、電池(手動携帯充電器があると便利)

・卓上カセットコンロ、ガスボンベ

・固形燃料

 

3.地震が起きたときにすべきことを家族で話し合う

マンションで行われる防災訓練には積極的に参加すると共に、実際に地震が起きたときはどうすれば良いのか家族の間で話し合いをしておくことも、地震対策として非常に有効です。

まずは「地震が起きた際、どのようにして身を守るか」というシミュレーションしてみましょう。例えば「ダイニングにいるときに地震が起きたら、テーブルの下にもぐる」など、より具体的に話し合うことが重要です。

 

・リビングにいる場合は、背の高い家具や窓ガラスから離れる

・入浴中の場合は、洗面器などを頭にかぶりながら避難する

・キッチンで火を使っている場合、できればその場で消火する

(消火が無理であれば、身の安全確保を最優先する)

・トイレにいる場合は、閉じ込められて避難できなくなる恐れもあるため、揺れを感じたら廊下、玄関などへ避難する

・近くの公園や学校のグラウンドなど、地震発生後、家の外の家族の集合場所を決めておく

 

また、エレベーターに乗っているときに地震が起きた場合の対処についても、念のために家族間で知識を共有しておきましょう(エレベーターに閉じ込められてしまうリスクを避けるため、地震が起きた際は階段で避難するのが基本)。

 

・エレベーターに乗っている際に大きな揺れを感じた場合、行き先階のボタンをすべて押し、停止したら速やかに降りる

・エレベーター内に閉じ込められたとしても、むやみに動かず「非常電話」のボタンを押し続ける

 

さらに、大地震の後に固定電話や携帯電話が通信不能になる場合があるため、そのような状況に備えて、安否確認の方法を決めておきましょう。災害時に役に立つ連絡方法は以下のようなものがあります。

 

・災害用伝言ダイヤル171(災害時にNTTが開設する伝言ダイヤル)

・災害用伝言板(災害時に各携帯電話会社が開設する電子掲示板)

・FacebookやX(旧Twitter)などのSNS

マンション全体で取り組む地震への備えは?

多くの人が暮らすマンションでは、地震前の備蓄や、地震後の助け合いなどのメリットが期待できます。

まずマンションでは、管理組合が防災備蓄倉庫にジャッキ、バール、ハンマー、ロープといった非常用防災グッズを備えている場合があります。何が準備されていて、どのような状況で配布される・使用できるのか、管理会社や管理組合に問い合わせておくと、いざというときに慌てずに済むでしょう。

マンションを購入する際、中古マンションなら売主・仲介会社に、新築マンションなら販売会社の担当者に聞けば、そのマンションの防災備蓄についての情報が得られはず。定期的に防災訓練に参加して、災害時にスムーズに使えるようにするとより安心です。

また、大規模な災害において、命を救うために最も大きな力になるものは、自衛隊や消防隊よりも家族や地域の人々であるということも忘れてはいけません。誰がどこに住んでいるかなどの情報があれば、安否確認や救助活動もスムーズに進みます。そのためにも、日頃から挨拶を交わしたり、清掃活動やお祭りなどのマンションのイベントに参加したりして、災害が起こる前からマンション住民とお互いに顔の見える関係を作っておくように心がけましょう。

日頃の備えが、地震発生時に家族の命を守ることにつながる!

近い将来、日本で大地震が起こる可能性は高く、今のうちから地震に対して備えておくことは、どの地域のどんな住宅に住む人にとっても必要なことです。それらが結果的に家族の命を守ることにつながるため、防災グッズの用意だけではなく、マンション内の避難訓練や家族間の話し合いなどにも積極的に取り組みましょう。

また、マンション選びというと価格や設備に注目がいきがちですが、防災の観点からも地域コミュニティは重要な要素です。マンション選びの際には管理組合がうまく機能し、いざというときに頼りになるコミュニティのつながりがあるかどうかという点も、マンション選びのひとつのポイントにしてみるのもおすすめです。

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