教育費を作るための投資にチャレンジ!「ジュニアNISA」活用のメリット
子どもの教育費は決して小さな金額ではありません。預貯金の金利が期待できない今、投資で「お金を増やす」ことを考えてみませんか?
今回は、子どもの教育費のための投資として「ジュニアNISA」を活用するメリットについてご紹介します。
NISAとは「投資で得られる利益が非課税になる制度」
通常、株式や投資信託などの金融商品に投資した場合、これらを売却して得た利益や受け取った配当に対して20.315%の税金がかかります。
そうした一般的な投資に対してNISA(Nippon Individual Savings Account)は、「NISA口座(非課税口座)」内で毎年一定金額の範囲内で購入した金融商品から得られる利益(配当金・分配金・売却益等)が非課税になる制度です。
現在は3パターンのNISAがあります。
1. NISA
2014年1月にスタートした投資家のための税制優遇制度。毎年120万円の非課税投資枠が設定され、株式・投資信託などの配当や譲渡益などが非課税対象となります。税制改正により、2018年1月から120万円のロールオーバー(翌年の非課税投資枠に移すこと)上限が撤廃されました。
2. ジュニアNISA
2016年度から始まった未成年者を対象とした少額投資非課税制度。未成年者(0~19歳)を対象に、年間80万円分の非課税投資枠が設定され、株式・投資信託などの配当や譲渡益などが非課税対象となります。税制改正により、2018年1月から80万円のロールオーバー(翌年の非課税投資枠に移すこと)上限が撤廃されました。
3. つみたてNISA
2018年1月からスタートした、特に少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度。購入できる金額は年間40万円まで、購入方法は累積投資契約に基づく買い付けに限られており、非課税期間は20年間です。また、購入可能な商品は、長期・積立・分散投資に適した一定の投資信託に限られています。
「ジュニアNISA」は教育費作りに向いている。相続対策にも効果的
これまで子どもの教育費は、学資保険や積立貯金などで準備するのが一般的とされてきました。
それらに加えて「ジュニアNISA」を始めれば、将来の子どもの教育費にさらに厚みを持たせることができるかもしれません。
【ジュニアNISAの始め方】
1. 金融機関からジュニアNISA口座解説書類を入手する(金融機関は、証券会社・銀行・信託銀行・投信会社・郵便局・農協・信用金庫・信用組合・労働金庫・生命保険会社など)
2. 金融機関に書類を提出(マイナンバーなど)
3. 金融機関が税務署にジュニアNISA口座開設申請
4. 金融機関から申請結果の連絡
5. ジュニアNISA口座開設完了
【ジュニアNISAのルール】
・子ども1人に対して、1非課税枠。子ども2人家庭であれば、160万円分の非課税枠が活用できます。
・0歳~19歳までの子どもが対象です。
・投資可能期間は通常のNISAと同じ2023年まで。
・口座開設者が18歳(3月末時点で18歳になる年の前年の年末)になるまでは、原則出金ができません。なお、この点をデメリットと受け止める人もいますが、学資保険同様、簡単に取り崩せないことで、長期にわたる教育費作りに向いているともいえるのです。
【ジュニアNISAのメリット】
・配当・譲渡益等にかかる20.315%が非課税。
・親や祖父母からの入金資金は、口座開設者の贈与に該当。贈与税は受贈者1人に対し、年間110万円までは非課税。そのため、ジュニアNISAの投資枠80万円を入金しても、贈与税は非課税に。ジュニアNISAは相続対策にも活用できます。
【ジュニアNISAのデメリット】
・金融機関の変更は、旧口座廃止手続きをしなければ手続きできません。
・損金通算は不可能。ジュニアNISAで損失が生じても、他の口座で得た売却益・配当・分配金との相殺はできません。
ジュニアNISAを始める前に「現預金」「保険」「投資」の特徴を理解しておこう
ジュニアNISAにかかわらず、投資を始めるには「現預金」「保険」「投資」それぞれの特徴をしっかり理解しておくことが必要です。
「現預金」は元本割れを起こすことはほぼ皆無ですが、収益性は低いと言わざるをえません。
「保険」は各商品によって元本割れや収益性についての差はあるものの、現預金にはない特典が付帯しているものが多くあります。
「投資」の基本は、リスクを分散するのはもちろんのこと、「5年以内に支出予定である資金は残す」「余裕ある預貯金の20%から始める」ことです。
まずは無料勉強会などに参加してみるのも良いでしょう。子どもの成長を楽しみながら「あのとき、ジュニアNISAを始めていて良かった」と思える日を迎えてくださいね。
この記事を書いた人
村田淑子
ファイナンシャルプランナー
外資系保険会社にて保険業務に携わる傍ら、セミナーインストラクターとしてマネープランセミナーや相続セミナーなど多数開催。1927年に発足した、卓越した生命保険と金融サービスの専門家による国際的かつ独立した組織Million Dollar Round Table (MDRT)の会員でもある。プライベートでは、前職時代からフルキャリアながら、幼稚園役員、PTA、子ども会の役員などを14年間歴任。世界遺産検定や語彙力検定、マナープロトコールといった資格も持つ。
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